前回のあらすじ

内容をカンタンに説明すると…
- 警察の手がシャーロックに伸びるなか、ワトソンは探偵仲間に捜査依頼を出すが断られてしまう。しかし今まで彼の周囲を壊してきた「異常なまでのお人よし」が、探偵仲間たちの気持ちを変えた。
- モランの屋敷からの帰り、偶然シャーロックを発見したワトソンが追跡した先で見たのは、区庁舎スカイウォークにおびき出されたシャーロックとそれを包囲する警察やマイクロフトだった。ワトソンは自らの身を挺してシャーロックを説得。探偵仲間の助けを借りて警察の包囲網を突破するのだった。
- モリアーティが残した犯罪から暗号を解いたシャーロックは、彼の隠れ家に誘われる。部屋に閉じ込められたシャーロックとワトソンに課せられた謎解き脱出ゲーム。爆弾のカウントダウンとモリアーティが見守る中、最後の推理落語が始まる。
【歌舞伎町シャーロック 24話 アニメ感想】歌舞伎町で会おう
明かされる真実
「モリアーティは第7刑務所に入って以来、自分と関わった様々な人間をマインドコントロールし犯罪を犯させていた。そして犯罪が露見した際、自分とのつながりを隠すために犯人が自殺するよう暗示をかけていた。そのパターンは3つ」
1つは警察が名前を呼んだとき、2つはモリアーティが名前を呼んだとき、3つ目はシャーロックがモリアーティの事を尋ねた時。
シャーロックは殺人を犯していませんでした。
「俺は犯人が自殺する事件、すなわちモリアーティが犯したと思われる事件を調べていた。そして自殺した犯人の中に数字を呟いた奴と呟かない奴がいることに気付いた」
以前尋ねた時は「気に入った奴にだけ付けた記念スタンプ」だとモリアーティははぐらかしましたが。
「やはりメッセージだった。刑務所に入ったあいつに俺は四葉のカタバミを挟んで差し入れた。しかしあいつは四葉の葉を1枚に変えて返してきた」
犯人たちが呟いた数字の4を1に変えて片っ端から変換していくと意味を成していく。
「jameと。ファーストネームの最後の一文字に目を向けろって事だ。数字を呟いて自殺した犯罪者たちのな」
最終的なメッセージは”ピンクの象と目を合わせろ”でした。
歌舞伎町の象徴でもあるピンクの象のオブジェクト。
「象と目を合わせろってことはあのビルか…」
ルーシーたちに囮を任せて歌舞伎町へ戻って来たシャーロックとワトソン。
「私の目はごまかせんぞ弟よ」
マイクロフトが先回りしていました。
「どうしてここに!?お兄さん!」
「お前にお兄さんと言われる筋合いはないと言ったはずだ!」
「通さないつもりか」
「だめだ!お前は俺の大事な弟なのだから!」
「…?えっと、お兄さんはずっとシャーロックに冷たかったけど」
「ただの重度のブラコンストーカーだ」
「え!?」
使用済みストローを持ち帰ったのも、使用済みスプーンを持ち帰ったのも、盗聴器を回収して意味深な笑みを浮かべていたのも。
ただのストーカーじゃねーか!「秘密裏に捜査してるんだなマイクロフト…」とか思って損したわ!

「行かせてくれ兄さん!」
「っ……!!」
兄は弟に道を譲りました。弟に頼まれたら拒めない。
弟想いの良いお兄さんだった(のか?)。
「いろいろ聞いたよ、あの屋敷でカーライルさんっていう家政婦さんから。あの屋敷でモリアーティが何をしたのか。そしてモリアーティと双子の妹、アレクサンドラの事」
父を撃ち殺した後、モリアーティはカーライルを殺していませんでした。
「アレクサンドラ…」
「……アレクが何なんだよ」
「アレクサンドラさまが生きていらっしゃったら、あなた様はこんなことにならなかった…!」
カーライルはアレクサンドラのもう一つの姿を語ります。
幼いころから病弱だった彼女は、天使様にお迎えに来てほしい、と思うほどつらい思いをしていたんですね…。
「父さん、僕が母さんを殺したって怒るんだ。せっかく素敵にしてあげたのに…」
「素敵に?」
「雷が池に落ちた時のお魚みたいに…。母さん、すごく素敵だったよ!」
「っ…」
「どうしたの?」
ティーポットの話を一番最初にしたのはアレクサンドラでした。

「きっとなおしてあげる。私がその穴をふさいであげる」
それからの彼女はジェームズのティーポットを空にしないために生きていた。
「生きる意味はジェームズしかないから。守らなきゃ。私は、ジェームズに生かされてる」
アレクサンドラはモリアーティの事を知っていながら、それでも押しとどめようと…。
「モリアーティは泣きそうな顔で立ち去ったって。カーライルさんはそう言ってた」
最後の謎解き
「!?鍵が!」
「ずいぶん遅かったね」
「モリアーティなのかい!?」
ピンクの象の真向かいのビルにモリアーティの隠れ家はありました。

「生きていたんだね!」
「さてと。普通に会ってもつまらないからゲームしようか。君たちは爆弾の仕掛けられた部屋に閉じ込められてしまいました。10分以内に俺がいる一番奥の部屋まで来なければ、ボン!」
モニター越しのモリアーティ。
カウントダウンと、4ケタの数字を当てはめる脱出ゲームが始まります。

「答えは1204だ」
「3人の誕生日を合わせると□に入るのは1515だ」
「もうやるしかないよ!優しいのは僕だからシャーロックはここに立って!」
優しいのは僕だから(笑)
「正解、おめでとう!爆弾は解除されたよ」
途中、キス未遂事件などを起こしながらも暗号を全て解いた二人は一番奥の部屋にたどり着きました。
謎解きの途中に使われる歌舞伎町の仲間やシャーロック、ワトソンの写真が切ない。
「最後に聞かせてよシャーロック、結局俺って、モリアーティってなんだ?」
モザイクガラス越しにモリアーティらしき影。
最後の推理落語が始まります。
涙
「1か月ほど前にビルから落っこちたモリアーティってやつがいたろ?あいつは一体何者だったんだい?やっぱり根っからの殺人鬼だったのかね?そいつは分からないね。アレクが死んじまったあと、誰かが代わりにモリアーティを導いてやれば普通になれたのかもしれないね。でもよ、アレクってのは双子だろ?その代わりになれる奴なんていたのかね?」
もしかすると、と付け加えてシャーロックは自らの名を挙げました。
「アレクみたいに心の穴をふさいでやる事は出来なかっただろうよ。だがね、同類の自分がどうやって穴をふさいだか、殺人鬼にならずに済んだか、そいつを伝えることで普通に導くことができたかもしれない。じゃあ何でそいつはそうしなかったんだい?したくても出来なかったのさ…」
シャーロックにはマイクロフトという兄がいた。歌舞伎町で落語と出会った。推理落語という世界との関わりをモリアーティから教わり、ワトソンと出会った。
シャーロックにあって、モリアーティには無かったもの。

「シャーロックは運が良かっただけで、モリアーティの事もテメー自身のこともこれっぽっちも分かってなかったんだからね。するってーと、モリアーティが殺人鬼になっちまったのは運が無かったって事かい?うんと言えばそれまでだがあいつにもっと時間があれば、幸運も不運も楽しいことも辛いこともたくさん経験して、そこからこの世界との折り合いの付け方を学べたに違いない」
転換点は切り裂きジャックを手にかけた時でした。わずかな可能性も閉ざされてしまった。
「それでもあいつは人と一緒に居たかったのさ。人間であることにかわりゃしない。あいつだって人間で、まして16歳のガキだった。一人ぼっちが寂しかったり、誰かに分かってほしかったとしても何の不思議もねーさ」
モリアーティが「助けて」と漏らしたのが忘れられません(´・ω・`)

「もっと、もっと俺がお前と一緒に居てやれば、その肩を抱いてやれば。一緒に生きていく道はあったと、俺は思う…。すまなかった…」
鏡の向こうのモリアーティに向かってそう言いました。シャーロックと、そしてワトソンの涙。
モリアーティが残したもの
「鏡の向こうのモリアーティとかけまして、9回裏2死満塁のバッターと説きます!」
「その心は!?」
「どちらも、打てば(撃てば)さよならです」
シャーロックはモリアーティに銃を向けます。砕けたガラスの向こう側にあったのは、モリアーティの人形と数枚の手紙でした。モリアーティは最初からこの場に居なかったのです。
《知ってたよ。シャーロックはもうこっちに来ないって。アレクが俺にこの世界を愛し続けて、って言ったのは、俺がこの世界を愛し続けなければ自分自身の生きる意味が無くなってしまう、とアレクが思ってたから。そうカーライルから聞いて驚いた。俺みたいな人間が誰かを生かしてたなんてね。そしてちらっと思ったんだ》

《アレクが生きてれば、そんな世界もあり得たかもしれないって…》
叶わなかった光景。
モリアーティはアレクのヘアピンを取りに屋敷へ戻っていました。
《なぜ取りに戻ったのか、あの時は自分でも分からなかったけど、俺もずっと世界を、みんなのいるこの世界を見ていたいのかもしれないって気づいたんだ》

《だからこの手紙を残すことにした》
見る方向も歩く方法も違ってしまったけれど…。
手紙の内容から、モリアーティは長屋の生活をなんだかんだ楽しんでいた事が分かりました。
《ワトソンが来てシャーロックが変わっていって、それは違和感でもあったけど。同時にきらきらとまぶしくもあった。自分の心と折り合いをつけながら、だんだん深くこの世界を愛し始めたシャーロックが羨ましかった。俺はシャーロックに憧れてた。君みたいになりたかったんだ。会えてよかったよ。さよなら、シャーロックホームズ、なーんてね。ばーか》
結局、モリアーティの生死は明確にされませんでしたね。今もどこかで生きてるような気がしてなりません。
《新宿区ウエストサイド、その整然とした街の壁を隔てた向こう側に広がるのは、混沌たるイースト。時を告げる象がいななき、悪人どもが数多巣食う歌舞伎町の暗がりに、7人の探偵アリ。奇人変人昼行灯、鬼が出るか蛇が出るか、探偵どもの謎解き合戦、とくと御覧じろ》
こうして今日も、探偵長屋に依頼が持ち込まれます。
ワトソン「グリムズビー・ロイロット博士といえば新宿区きっての高名な医者だし、厄介だね。シャーロック」
シャーロック「なんてことはない。俺”たち”に掛かればな」
ワトソン「え?今なんて?」
シャーロック「うるさい!」
おっ?おっ!?(^ω^ ≡ ^ω^)←

シャーロックとワトソンの涙に胸をうたれました。後悔しても手遅れだけどせめて推理落語が手向けになっただろうか。モリアーティは生きているのか死んでいるのか、視聴者のご想像にお任せしますENDだった。
遺体が発見されなかったのが不可解ですし、私はどこかで生きているのかなと思います。
色んな人を傷つけて過ちを犯したモリアーティ。しかしアレクサンドラとシャーロックを生かしていたのもまた事実で。もっと早く気づけていれば違う未来があったかもしれない。
最後の手紙はクリスマスの前に書かれたのか、生還した後に書かれたのか。ここでも視聴者の意見が割れているようです。言動がちぐはぐになってしまうので後者の可能性が高い?
マイクロフトはまさかのブラコンで笑いました。
シャーロック&ワトソンたちの謎解き合戦はこれからも続く!