前回のあらすじ

内容をカンタンに説明すると…
- モラン主催のチャリティコンサートに寄せられた爆弾予告は脱獄犯・アルバートによるものだった。さらにシャーロックは裏でモリアーティが手を引いている事を確信。二人の本心がぶつかり合う。
- 以前と変わってしまったシャーロックに失望するモリアーティ。爆破の撤回と引き換えにシャーロックをこちら側へと勧誘するが、ワトソンの存在が探偵・シャーロックを引き留めるのだった。
- 本人の口から語られたモリアーティという人物の正体。父モランと使用人に狂気の矛先が向かう。シャーロックの追跡は間に合うのか?人質にされたルーシーを助けるべくメアリはワトソンに刃物を向けて…!?
【歌舞伎町シャーロック 20話 アニメ感想】モリアーティ、享受
告白
「手かして!具合が悪くなっちゃった人がいて!こっち!」
「モリアーティ…? うっ!!」
モリアーティにおびき出されたルーシーはそこで意識を失います。
ヤバいですよ…!((((;゚Д゚))))ガクガク
「爆破されたのはお忍びで来ていた後醍院の車。モランの野郎が区長でいられたのは政界に絶大な影響力を持つ奴の後ろ盾があったからこそだ。てことは何かい?モランは選挙に勝てねぇってわけかい。そういうことのになるねぇ」
爆弾魔の予告状、アルバートの言う一輪の花火、モランの希望でした。
「まずは本人からちゃんと話を聞かなきゃ」
「レストレイドのお出ましだ。何か分かったら教えろ。俺はハドソンに用がある」

「大丈夫、だよね?」
「当たり前だ」
二人の信頼はゆるがない!
「くそ!くそくそくそ!!」
後ろ盾が消えモランの余裕がなくなります。
マイクロフト「マスコミが騒ぐ前に先手を打って記者会見を開きましょう。庁舎はまだごたついていますので警察署で調整中です」
モリアーティ「ねぇ、通り道だし家に寄っていい?しばらく帰れないだろうし…」
何かするつもりですね…。
「ジョン!お願いがあるの!」
会場付近に残るワトソンはメアリに呼び止められます。
切羽詰まっている様子です。
「おかえりなさいませ」
帰宅したモリアーティの無事を喜ぶ使用人たち。モリアーティは挨拶もそこそこに父親の書斎へ向かいます。
何かを探している?
カーライン「ジェームズ様、何をなさっているんです…?」
モリアーティ「あぁ。父さんが書類をもってきてほしいって」
カーライン「しかし旦那様はこの部屋には誰も居れるな、と」
モリアーティ「………」
見てしまった。見られてしまった。
マイクロフト「奴は典型的な愉快犯です。怨恨の線は薄いかと。――どなたです?」
モラン「カーラインだ。ジェームズのことで話があるらしい。記者会見の準備を進めておけ」
マイクロフト「すぐに迎えをよこします」
モランは車を降ります。
「探偵みんなに発信機をつけてたってこと?」
ハドソン夫人の写真入りバッジがそれでした。
「もしも~し?」
「あぁジェームズ!無事だったのね、よかったわ!」
「あれ?まだシャーロックから聞いてないの?無事も何も全部俺の仕業なんだけど」

「…は?」
「どういうことです」
「ルーシーはアルバートと一緒だな」
「さすが!やっぱシャーロックしかいないんだよなぁ一緒に楽しめるの!近々また話そうよ!」
シャーロックがいつも通りなのが逆に恐ろしいですね(;´∀`)
「これを追え。早く!5000万!!」
シャーロックは京極とミッシェルにルーシーの追跡を頼みます。
「私も行くわ!」
「あいつと二人で話したいことがある。頼むハドソン」
一人モリアーティのもとへ向かいます。
満たされない心
モランは書斎でカーラインが倒れているのを見つけますが。

「ジェームズ…!」
背後から筋弛緩剤を打たれ、身動きを封じられるのでした。
「おい、何をしている!?お前の目的は何だ!」
「分かってるくせに。ちょっと待ってて」
シャーロックとの電話はつながったまま。
「ジェームズ、お前…」
「こいつの番号教えてよ」
書斎の奥に隠された金庫。お目当てはその中身?
「……」
「そうだよね、そりゃ怖いよね。俺が。父さんは一番早く気づいてた。本当の俺は空っぽだって」
モリアーティは自分という人間を語り始めるのでした。
「例えば、心がティーポットだとしてさ。みんなそれを道徳やら良心ってやつで満たして大事に抱えている。でも俺のティーポットには穴が開いていて、親やら学校の先生がいくら注いでも抜けて行ってしまうんだ…。アレクや母さんは俺を普通の男の子として扱ってくれた。俺もそう思い込もうとしてた。でも」
雷の日、池に浮かんでいた鯉を見てジェームズ少年の心が踊ります。
『ん?どうしたの?』
『母さん。素敵にしてあげる』

「俺は母さんを殺した。でもそれは殺したかったからじゃないんだ。ただ、どんなふうになるんだろう、って。それはとても美しい光景なんだろう、って」
純粋な興味、悪意のない殺人だったんですね…。
『私たち双子でしょ。私は誰よりもジェームズのことを知ってる。大丈夫。ずっと愛してるよ。だからあなたもこの世界を愛し続けて?でないと私、怒るからね!』
「アレクはいつも俺のそばにいてくれた。そして励ましてくれた。だから頑張って普通にならなきゃ、って思ってた。でもどんなにアレクが穴をふさごうとしても、良い心で満たそうとしてもやっぱり水は漏れ続けて、俺のティーポットは空っぽになっていった。そしてアレクが殺された時、俺は不思議な気持ちに襲われた」
悲しい。悔しい。
「でも、それだけじゃなくて。そしてあの時、とうとう気づいたんだ。ジャックが憎かったのはアレクと言う獲物を取られたからだって。自分が一番壊したかったのはアレクだったんだって!!」
切り裂きジャック事件が自覚と覚醒のキッカケでした。
「晴れ晴れとした気持だった。生まれて初めて自分を肯定できたんだ。刑務所の中で何人か殺してみたし、自分でもやってみたんだけど。もう楽しくてさぁ!止まらなくなっちゃったんだよね!」
探偵長屋のみんなや視聴者が心配してた時にはすでに…。(アルバートと超親しげなんですけど!!
「ジェームズ、助けてくれ、俺が悪かった、頼む…!」
「なんで謝るの!?俺は父さんが想像した通りの人間だったんだよ。凄いじゃん。母さんよりもアレクよりも。父さんこそが俺を理解してたんだ!」
ジェームズは金庫の番号を聞き出します。中にあったのは拳銃とファイルでした。
「お前とやり直したかった」
「俺をムショから出したのは選挙戦でうまく使おうとしただけだろう?」
「違う!俺はお前のことを!!」
「そもそもお前になんて何の興味もないっつーの。へぇ~、ジャック使ってこんなに殺してたんだ?あ、俺の名前もあった」
「ジャックに脅されて…!」
「ばーか。陳腐なんだよ言い訳が。……やっぱりあんたが持ってたんだな」
アレクの髪飾り…。
「アレクは俺のティーポットの穴をふさぎ、良い心で満たそうとした。でもそれは所詮、見せかけの解決法に過ぎない。いや、簡単なことだ。ひび割れたポットなんて壊してしまえばいい。むしろ穴が開いていたからこそ、そんなもの持たないほうが自由なんだって、俺は気づくことができた。ということで!シャーロックも壊さなきゃね。やり方はいたって簡単。一度人を殺してみればいい。一度で足りなければーー」
父と、続けざまにカーラインを殺害します。
「やっと抜けました。スタジアムであんなことがあったんでやたら厳しくチェックしやがる」
「急げ…!料金は倍出す!」
電話越しに惨状を悟るシャーロックです。
裏切り
「3時間以内にワトソン殺して写真送ってよ。じゃよろしくー!」
そんな電話がメアリに届いていました。
モリアーティお前…。
「こんなところにルーシーさんが?」

「ごめんね…ジョン…」
人気のない建物に到着した二人。
メアリの手にはナイフが握られていました。
「モリアーティだね。スタジアムの爆破も彼の仕業だったんだ」
「……」
「…いいよ。殺せよ」
ワトソンくん!?自己犠牲にもほどがありますよ!!
「あんた、血、大丈夫なのか!?」
「そんな場合じゃない!早く救急車を!」
京極とミッシェルは倉庫区画でルーシーを発見!
しかし一緒にいるはずのアルバートはどこへ…?
狙いはワトソンだった!?
「!!!」
一方、モランの屋敷に到着したシャーロックですがそこは静まり返っていました。
使用人が全員殺されている…。
「あ、さっきはごめん、電池が切れちゃって!」
「どこにいる」
「どこだと思う?そこにはもういないよ」
「あれはどういう意味だ?俺にとってのワトソンがお前にとってのアレクと言うのは…」
「つまりワトソンはシャーロックのティーポットを良い心で満たそうとしてるってこと。アレクが俺にそうしたように。――あ。もっといいやり方があったかも。俺もできなかった最高の方法が…」
電話はそこで途切れます。

「―――!!」
ワトソンが危ない!
「おい!?どこにいる!おい!!」
「シャーロック…」
しかしワトソンの携帯を取ったのはメアリでした。

メアリ「ごめんなさい…!」

モリアーティ、圧巻の語りでした。最初から壊れてたんですね…。愛や善をいくら注いでも満たされない心にどうしようもない虚しさを覚えます。
母親を殺したとき、アレクが死んだ時、復習を果たした時にあんな事を考えていたなんて…。
見方を変えればモランは正しかったのでしょうか。気づいたところでどうしようもないという絶望もあり。だから切り裂きジャックに依頼を…。
ていうかワトソンが!!(;´言`)
メアリ、本当に刺しちゃったみたいですね。彼女も涙を浮かべるほど苦しそうだったし、姉を想う裏返しでもあるけど、大変なことになってしまった。
モリアーティは最初からこれを狙っていたのか。
ワトソンを失いかけた時、シャーロックはどう出るんだろう。
もう後戻りはできません…!(;゚д゚)ゴクリ