内容をカンタンに説明すると…
- 大型連休前の書店の現状。発売日が前倒しになるため新刊の箱の山になり陳列補充は担当の垣根を超えての総力戦となるのだった。気づかぬ間に残業時間に突入することも…?
- 休暇の店員が連絡事項を置いていったがその間の入荷はなく…。本田さんの編集さんが登場!アザラシ…です。心の広い担当編集さんなのでした。
- 今回は…出版社の営業さんと書店店員さんとの仁義なきバトル勃発!と、そんなに恐ろしすぎるものではないですよ念の為。お客様に尋ねられるぼんやりとした希望の本を探すために奔走。質問すると裏のスタッフルームでは次々と具体的なタイトルが。
【ガイコツ書店員 本田さん 3話】仁義なき戦い/漫画迷子【アニメ感想】
出版営業VS書店店員
(全国47都道府県にお住まいの本屋好きの皆さん。売り場でこういう人をみかけたことはありませんか。でかい紙や紙束を抱えながら眼光鋭く売り場を見つめるスーツ姿)
「本田さん!ポスター飾ってくれるって言ったじゃないですか!」
「場所がないって言ったじゃないですか」
(彼らは高確率で出版社の営業さんである。
営業とは自社の本を売り込むために書店を行脚する出版社の人々のことである)
「僕らとしてもアピールを一番に考え、A5サイズで大量に作ってきました!」
「POPもラミネート加工してあるのでぜひご活用ください」
「…はい」
「「「「押切られてんじゃないよ!」」」」
スタッフルームで皆に責められる本田さん。
「いらんもんはいらんって言わなきゃ」
「営業さんが手作りしたーとか聞いちゃうと飾らなきゃって思いませんか?」
「弱!」
「私が営業ならそこにつけこむわ」
(営業さんの持つ巨大紙袋にはいわゆる拡材と呼ばれる宣伝材料がよく入っている)
(たとえば売り場で本屋を目立たせるためのポップや、ビラ。販売台。試し読み小冊子。作家さんの書いたサイン色紙などなどなど。
私は意志薄弱のため、手持ちと手作りをされるとめっぽう弱い)
入荷・在庫バトル
(またこんな光景も日常茶飯事である)
「今度ウチで豪華特装版出すことになりまして、つきましては初回多めに入れていただけたらなぁなんて」
「え~じゃあ二冊」
「に…20冊ありがとうございます!」
「いるかそんなに…二冊だって売れるかわかんないのに」
売り切れすぎて出版社に言っても出版社側にも在庫がなくてバトルになってるケースも。
ペストマスク係長は別の出版社に電話中。
「また昨日発売のコミックのおまけが今日届きました」
『え…』
「当然ですがコミック搬入より前におまけをくださらないと準備ができかねます。
この話題は何度目でしょうか。そろそろ飽きたと思いませんか?具体的改善論お待ちしております」
その場にいる他の出版社の営業にも緊張が走る!
「ぶっちゃけ営業さん来るなら本も一緒にほしい、欲しい本はくれないのに営業さんはくる」
ランタン先輩はクリスマスの時を思い出す。
魔法科高校の劣等生シリーズのことでしょうか。
「予約したいってお客様が」
「再入荷の予定ないから無理って言って」
「ランタンさん、角川の営業さんがいらっしゃってます」
「どーもどーも、魔○科売れてます?」
「追加ください!」
「ないんですすいません!」
「じゃあなにしにきたんすか!」
「本はないけどこれならあるんです!メリークリスマス!ランタンさん」
営業さんが持ってきたのはクリスマスのお菓子でした。
ブチギレの記憶。
そんなタイミングで丁度角川の営業さんが来たとの知らせが。
店員さんは皆話したいことがあるらしく順番待ち。
テンション高い女性営業…姫?
ギャルかな?
「なにかご入用の本はありますか?」
「サイコパスのアニメ資料集を…」
「売れてますか!やったー!」
「売れてます…というかいわゆる爆買いされまして。棚からサイコパスが消滅してしまいました」
「めっちゃおもしろーい!じゃなかったありがたいです」
次はアーマー係長へ。
「昨日出たBL新刊全巻売り切れました!助けて!」
「あはははめっちゃ面白い!」
そんな時後ろから迫りくる外国人紳士が。
「先日のフェアありがとうございました」
(この日本語を流暢に話す彼こそ広くいろんな人々に知ってほしいおもしろ業界人
フレデリック・トゥルモンドさん(声:御本人)近年驚異の売上を誇るフランス産の漫画
バンド・デシネのさらなる普及を画策するすごい人だ)
バンド・デシネは有名ブランドが2つあり、それぞれ販売元が別なのですが両方共代表がフレデリックさん。
(まさに本を売るための愛情に溢れた業界の逸材!)
「ところで本田さん、この漫画なんですがこっそりワン○ンマンの隣においてもいいですか?」
(いやそんなワイが決められるかーい!)
今日もそこかしこでいろんなバトル?
(営業さんの情熱に国境はない)
漫画迷子な人々
「なんか面白い漫画無いかな~」
「なんかいっぱいありすぎてわかんない」
お客さんの会話が聞こえてくる。
(漫画が読みたくてとりあえず本屋に入ってみたものの多すぎてますます何を読んだらいいのかわからなくなってしまう。
そうした人をいつしか私はこう呼ぶようになった…。漫画迷子、と)
ランタンさんがスタッフルームに入ってきました。
「感動できる少女漫画。長くて三巻まで。40代男性でも楽しめる内容」
大喜利並みに店員さんがどんどん作品名をだしていきます。
(書店員に何かおすすめの本はない?と聞くお客様は意外に多い)
本田さんにも忘れがたい経験が。
また外国人のお客さんです!今度は怖い!
「この子は孫娘で、11歳のフランス人だ。この子に漫画を送りたい」
「どういった漫画がお好きで?」
「知らん」
(おいーー!)
「お孫さんは日本語が理解できますか?」
「もちろんだ。だが完全ではない。フランス語で日本の漫画が読めればなお良い」
慌ててスタッフルームへ。
「お助けー!11歳フレンチガール。日本っぽいマンガ。できれば翻訳されてるやつ!」
またしても店員さんの口からいろんなタイトルが。
「翻訳されてるか調べてからご案内してね~」
確認取れたため、洋書担当にお客様を連行。
「ヒアユア~!」
「オー…パーフェクト!」
ご希望にかなったようです。
肩を強く掴まれ…
「メルシィ…」
顔が怖い。
(こんなど迫力メルシィ、初めて…)
(お客様の意向を探り選んだ一冊がお買い上げにつながる…それはとても楽しい作業だが
クイズ番組の回答者ってこんな気持なのかな…。)
「ランタンさん」
「どうなりました?先程の40代でも楽しめる少女漫画の男性は」
「あの人結局ベルセルク買っていったよ」
「嘘じゃろ、対極のマンガですやん」

本屋に行った時、出版社の営業さんかどうかこれから気にしてしまいそうです(笑)「手作りで」って言われるときっぱり断れないのわかります、気持ち的には。。
でもやっぱ一つOKしちゃうとキリないですもんね、大変です。
ピー音が入ってますがいろんな聞き慣れたタイトルが次々と出てきてましたね。
バンド・デシネのフレデリック・トゥルモンドさんφ(..)
漫画迷子、何か読みたいんですよね。でもマンガの種類の膨大さ怖気づいてしまいます。
でも素敵なものと出会いたい…。なんとなくの要望にすぐにタイトルが出てくる店員さんはさすがだなと思いました。