前回のあらすじ
内容をカンタンに説明すると…
- 芸華祭ショー開幕。育戸の世界を旅するコレクションは演出の構成も相まって、観客と名だたる審査員を魅了していく。
- 応援に駆け付けた妹たちや、絶対に泣かなかった母までもが育人の成長を見て涙をこぼす。育人のショーは大成功のうちに幕を下ろした。
- 五十嵐も見守る中、心のショーが始まった。一人でいくつもの服を着脱してはランウェイを歩く千雪。二人の底力が試される。
【ランウェイで笑って 11話 アニメ感想】約束
二人の約束
「どうだった、都村育人のショー」
「悪くなかったよ。着る側に寄り添う服作りは嫌いじゃない」
素直に称賛する五十嵐。正当な評価をするところはさすがマネージャーです。
「席外す」
「早く戻ってこないと始まるよ」
「――はい、はい。ありがとうございます。長谷川のスケジュール、もちろん空いています」
勝手に決めないでください(;´Д`)
千雪『私と心はチームだけどライバルなんだから。ちゃんと約束、守ってよね』
ショーの前、二人は何度も打ち合わせを重ねていました。
『ねぇ、クマ凄いけどちゃんと寝てる?』
『はい、大丈夫です』
『(そのまま昨日も仕事に向かったって事?分かってる…、この子の目標はモデルじゃない)』
『(本当にかわいいな…。小さくて女の子らしくて、私もそうだったらもっと…)』
お互いにお互いが羨ましい…。
『(争ってる場合じゃない。私が引っ張らなきゃ…)今の制作状況とショープランを教えて』
心は千雪に合わせてたった一晩で何着もの服を直していました。
『(才能があって、根性もあって、努力もできる。もしこの情熱が全部モデルに向けられていたら私は…押しつぶされていたかもしれない)』
才能が無い千雪がどれだけ粘っても努力しても勝てなかった…。
千雪は心にもモデルとしてショーに出てほしい、とお願いします。
『(気遣いは無用。彼女は本物だ。ぶつかったって返ってくる。)このレベルの服でシンプルなランウェイするだけなんてショー、退屈すぎる』
『ショープランを変える?藤戸さん、何かアイディアが…!』
『それはあなたが考えるの。本気でデザイナー目指してるならそこだけは譲っちゃダメ』
『なんなんですか?モデルやれって言ったりデザイナーなれとか言ったり!私がモデル遣ったら意味なくなっちゃいますよね!?もう本番近いのに!』
ただでさえ余裕がないのに追い打ちをかけるような状況です。
『嫌い、嫌い!あなたなんて嫌いです!』
『そう。私も長谷川さんのこと好きじゃない』
二人とも遠慮がない(;´∀`)
『だからなれ合いじゃない。勝つチームになろうよ』
千雪は心の想像を超えるウォーキングを。
心は千雪の想像を超える服を。
それから二人は調整と試行錯誤を重ねました。
『明日モデルの仕事入ってるとか何考えてんの!?締め切り前の一日がどれだけ貴重か!』
『この仕事だけは穴をあけられないってマネージャーが…』
『なんで五十嵐に義理立てする訳?あいつは散々あんたの邪魔してるじゃん』
『恩は返したいの!私に自信を持たせてくれた人だから』
初めての仕事の日。スーツを着て行った心を五十嵐は褒めてくれました。
『まじめで姿勢が良い、手足が長くて顔が小さい。何より背が高い。スーツが似合う女はモデルに向いている』
心のコンプレックスを初めてプラスに評価してくれ人だったんですね。
『なら勝手にして。その代り間に合わなくなっても知らないから』
『分かってる。千雪に迷惑はかけない』
『やっぱり手伝ってぇ~~~~!!』
ギブアップ早い(笑)
『もっと早く頼れよ馬鹿!』
『だって手伝わないって…!』
『才能主義の五十嵐を納得させるには、チビの私がモデルのあんたに勝つしかない。だから心が歩いてくれるなら、どんなお願いも聞く』
『―――ねぇ千雪。実は、お願いがあるの』
心のお願いとは?
ワクワクと違和感
「行くよ」
「うん」
心のショーが始まりました!
「ランウェイ上でアイテムを付け替える演出!?」
「このデザイナー、すべての服をモデル一人に歩かせようとしている」
「一度も裸になることなく、全く違う装いをするんだ」
「外してつけて、着せて脱がす。どんどんイメージが変わる!」
「凄い変化幅ね。さっきまでワンピースだったものがシャツになってる」
「また変わるぞ」
モデルと同時に出てきたのは黒服と服一式。大胆な演出法を取りましたね。
「さっきの服は重心を低く、足と腰を左右に揺らしてプリーツをはためかせた。今回は足腰を揺らさず中央のラインの美しさを強調」
「ウォーキングは演技。それぞれの服の魅力を全部、歩きで表現しないといけない。今、あのモデルは服に合わせて演技を変えている。ノータイムで。セイラなら絶対やりたくない…」
それだけ高度な技術が求められます。
「いま目が合った。ランウェイに集中できてない。崩れるぞアイツ」
五十嵐さん、不穏なフラグ立てないで…
「良い歩きになるかは別としてあの子は大きく崩れないわよ。小さいころからウォーキングだけは続けてきたから。歩きすらできなかったらモデルとしての価値が無いことをよく分かってるから。それにこのショー、何より服が面白い」
(オレンジの元気なカーディガンとコートの上品さとの調和。楽しく歩く、だ)
「そのうちランウェイを歩くことだけに夢中になる」
(やばい、めっちゃ楽しい!)
テーマはワクワク。その通りのコレクションになってきました。
「6度?第1ブロックの4変化でさえ感心したのにさらに増やしてきた」
「服そのものの作りは単純なものが多いけど面白いな。ただ…なんだろう?」
違和感を抱き始める審査員たち。
五十嵐はその理由を見抜いていました。
「誤魔化している。ハンガーを低くして、フィッターを低くして、まともなモデルと並ばせないことで小ささを隠せている。見苦しい…。チビの高望みも無能のあがきも見るに堪えない」
オーラ
「もう歩き始めの勢いがない、身長を誤魔化すための高めのヒールで10往復以上、余裕そうに見せるだけで精いっぱい。バレ始めてるんだよ。誰もあのモデルを求めてない…」
「五十嵐。見て」
「!」
「言ったでしょう?あの子、たまに凄いオーラ出すって。背が無いだけなの。それだけなの。だからあの子にやめろなんて言えないわよ」
千雪の真の実力。
服の魅力をさらに引きずり出し、審査員全員を魅了します。
『ねぇ心、このコレクションに一着加えてほしい。コンセプトは、風』
育人とはここでコラボすることに。
(楽しい、楽しい!勝ちたい!)
((勝ちたい。私には認めてほしい人がいる――!))
千雪と入れ替わりで、心がランウェイに上がります。闇のオーラと見紛うほどの気迫!
「このモデル…」
「こんなに小さかったのか!?」
「小さいモデルなんですど大きく見えるんです!」
千雪が身長の低さを感じさせない、他のモデルと遜色ないウォーキングを見せていた証拠でした。
『それで心、お願いって何?』
『服を2着、追加で作らせてほしい』
一着は今まさに五十嵐が着ているスーツでした。いつもと違うと思ったら。
『五十嵐さん。これと同じスーツで私、芸華祭のランウェイを歩きます。捨てても構いません。それでも構わないので一回だけ着てみてくれませんか』
「長谷川、お前は私の夢だったんだ」
心はランウェイから、自分と同じスーツを着ている五十嵐を見つけます。
心「ごめんなさい…!」
五十嵐「…なぁ雫、このスーツ、似合ってるか?」
雫の返事は勿論。
「いっそ貶されたほうが良かったよ」
認めざるを得ない努力と実力。
「このデザイナーってあの長谷川心ちゃんの事だったの!?私の知ってる心ちゃんはもっと冷たくて鋭くて…。(こんなに温かいオーラを出す子だったっけ?)」
育人や千雪との出会い、五十嵐への感謝が彼女を変えたのかもしれません。
「ちょっと、本番中に泣かないでよ」
「泣いてない…」
泣いてます!
(ただのチビモデルと能無しデザイナーじゃなかったんだな)
(見る人を飽きさせない奇抜なアイディア。次にどんな風にアレンジされるのかワクワクさせられた。さぁ、フィナーレだ)
最後は千雪と心の着せ替え。ショーが無事終わり、拍手が鳴りやみません。
「あの小さなモデル、使えるわね」
千雪に目をつけてくれた審査員も?
「心ちゃん、本当はデザイナー志望だったんだ。ふ~ん」
セイラの不敵な笑みの訳は?
(分かってる。これは公平な勝負じゃない。私の14往復が心の一往復に勝っただけ。それでも。)ほら見たか…!誰もあんたのこと見てなかった!私に負けるくらいなんだからあんたのモデルの才能なんて大したことなかった!存分にデザイナーでも何でもやればいいのよ!勝った。勝った…!私はモデルとして勝てる可能性がある!私はまだ挑める!」
「ありがとう、千雪」
全力を出し勝って負けた二人。得られた自信は互いの方向性を決定づけるものでした。
「さて、いよいよ次は遠の番ね」
舞台上で衣装を総着替えするという大胆な演出も以前の心なら絶対にできなかっただろうな。
何より楽しそうな千雪の姿は見ていて気持ちが良かったです。
彼女の言葉で心もモデルの呪縛から解放されたように見えました。最後は思い出のスーツを自ら身にまといランウェイを歩く心遣い。マネージャーを納得させるだけでなはい、感謝とお礼が込められていたのかも。
五十嵐さんも過去の自分と夢から解放されたのではないでしょうか。
審査員の評判も良く今後の仕事につながるかもしれませんね。
そして次週はいよいよ遠のショーが始まる!本命と言っても過言ではないだけに目が離せません!