「では行ってまいります」

「…はぁ…」

「ん？…大和さん…」
「よっ」

「え？どうしたんですか？」

「トリガーの事務所に詫び入れに行くんだろ？俺も付き合うよ」

「気づいてたんですね。でもこれは私の仕事ですから」
「マネージャーばっかり矢面に立たせるわけには行かないっしょ」
「え…」

「一応これでもリーダーって呼ばれてるし」
「で、でも…」

「泥よけだと思って隣に立たせてくれりゃいいよ。あいつらには向かない役目だけど俺は得意だから」

「アイドリッシュっセブンが泥をかぶるときは俺が正面でかぶる」

「大和さんて不思議な方ですね。マイペースに見えて実は一番メンバー想い…」

「待った」

「恥ずかしいセリフをいうつもりならこのままターンして寮へ引き返す」

「あ、すみません！」

「それじゃ仲良くお叱りを受けにいきますか」

「マネージャー、寝てんの？」
「う、嬉しい～～～～～」

「はい、マネージャー」

「ありがとうございます、壮伍さん」

「まったく…言ったじゃないですか絶対に3000人うまるって」

「それだけじゃないんです！ローカル番組の音楽番組からも依頼がきました」

「野外ライブを中継したいそうです」

「テレビ？」
「わーーー」
「ちゅ、中継？」

「そこまでは予測してませんでした」

「おめでとう君たち」
「社長」

「今夜は焼肉でお祝いだね」
「にゅにゅーん」

「よっしゃーーー」

「わ～さすが八乙女プロダクションですね～」

「きょろきょろしないの、まったく。…保護者の気分だな」

「具合はもういいのか？」

「後で持って行ってよ王様プリン２１個」

「え？プリン？」

「陸さん、気が付きましたか？」
「マネージャー？ここは…」
「病院です。まだ安静にしていてください」

「あの…マネージャー。すみません、病気の事内緒にしてて…でもオレ」

「陸さん、どうして言ってくれなかったんですか？」
「それは…」

「病気の事調べました。激しい運動やストレス、ハウスダスト、気圧の変化でも発作を誘発するんですね」
「はい」

「知っていたらフォローできたのに」

「え？」

「事務所はきなこの毛も残さずピカピカに掃除します」

「み？」
「どうした～きなこ～？」

「無理のないレッスン、ライブ構成も一緒に考えましょう」

「やめろって言わないの？」
「陸さんはアイドリッシュセブンに絶対必要な存在です。」

「陸さんが居ないと困ります。」

「だからこれからは隠さずなんでも相談してください」
「はい」

「あと一分で発売開始…」

「すごい緊張してきた…」
「大丈夫？ストレスはよくないよ？」
「壮だって顔がこわばりまくってるぞ」
「あ～腹痛くなってきた～」

「まったくもう…みなさーん落ち着いてください」

「完売しますように完売しますように完売しますように…」
「マネージャー、落ち着いて」

「きた！」

「あれ？あれ？あれ？」

「これじゃあ状況が…」

「みなさん！チケットサイトから連絡がきました！」

「完売です！」

「え？」

「「「完売？」」」

「いえー…」

「まて、喜ぶのは早い。聞き間違いとかじゃないんですか」

「いや…そんなことは…」

「あ」
「え」

「イエーイ、コングラチュレーション！」

「「やったー」」

「すげー！前は９人だったのに」

「みんな…きてくれるんだ…」