内容をカンタンに説明すると…
- 水晶にいい様に翻弄され、まともに戦えない満月と新月に九音は、この場から離れるように告げる。
- 水晶に猛攻を仕掛ける九音だが、一瞬の隙をついて水晶が反撃をしかけるのだった…。
- 今回は…自分の存在について悩む満月は、九音の姉である四翠に出会う。四翠と話しをするうちに、心を動かされた満月は、新月にメッセージを送る。一方、新月は自分が願ったせいで満月を苦しませていることに悩み涙する。
【グランベルム 11話】たとえさよならが届かなくても【アニメ感想】
私は、生まれないほうが良かった?
「…私ね、ずっと目が覚めなかったらしいんです。」
「そう…なんですか」
四翠、突然満月に話しかけてきます。なんの迷いもなく。
「生きているって、不思議ですよね。
それでもこうして目が覚めてこんな景色を自分の目で見て。
世界って奇跡の連続だと思いません?
まるで、誰かが導いてくれているのかなー…って」
「九音って子、知ってますか?」
「…いいえ?……でも、良い名前。とても良い名前だと…思います」
四翠の目から涙。
新月の手の中には不器用な形の手作りの人形。
それは幼い時にアンナと一緒に作ったものでした。
アンナは自分の人形をとても器用に仕上げていました。
満月からラインが来たので電話をかけます。
「新月ちゃんなんか久しぶりだね、ごめんね、連絡しなくて」
「…謝らないで下さい、謝るのは私の方です。私がもう少し強ければ…」
「私は、生まれなかった?私は、生まれないほうが良かったのかな?新月ちゃんは、私がいない方が良かった?」
「人形を作りたかった。アンナの家を出た私は、心のどこかで思っていたのです。魔力があったら、この人形は綺麗になるんだろうか?
動き、話し、心を持つ事が…もしかしたら出来るんじゃないだろうか?そう考えてる自分に気付いたときはっきり思ったのです
魔力なんて無いほうがいい、と。その力は人を変えてしまう。あってはならないことを可能にしてしまう。だから私は決めたのです。
この世界から魔力を無くそうと。そう心に決めたはずなのに一方で考えてもいた…。
グランベルムに勝てば、プリンセプスの魔術師になる事が出来ればあなたみたいな存在を生み出す事ができるかもと…
自分のそばにいてくれる誰かを、私を慰めてくれる誰かを生み出す事が出来るかもと…
ごめんなさい、私が強くあればマギアコナトスは反応しなかった!
ごめんなさい、私がありもしない夢を見なければ!
ごめんなさい!」
新月は涙を流しながら満月の元へ走っていました。
満月を抱きしめます。
なにもないわけじゃない
「ありがとう…
ありがとう!
私は、新月ちゃんにとってイイモノ」ではないのかもしれない。
でもねやっと解ったんだ、“何もない”訳じゃないって」
「え?」
「さっきね?ご飯食べてたらクラスメイトの子がきたんだ。でも、私は存在が不安定なのか
皆、気付かなくて。」
でもそのクラスメイトは弁当をたくさん持ってきてくれる子のことを覚えていた。
しかも満月という名前まで思い出してくれた。
でも見えていない。
「見えてないのに…気付いてないのに…にこって…
四翠さんも、九音ちゃんの事を覚えてないのに言ったんだ。いい名前だって。
無くならないんだよ…、無くならない。そう思った!」
コンビニで買い食い。
「美味しいって、スゴいと思わない?食べて美味しいとか、何か着た時に温かいとか風が気持ちいいとか夏が暑いとかよく考えてみるとさそれを感じられるってスゴい事だと思ったんだ。
気持ちがあったり、かと思うと無意識に反応するところもあったり。それだけですごいって思う。
生きてるって、こういうことなんだ…って。
あ、私が人形だからじゃないよ? 本当にそう思った。
新月ちゃんが言ってること、間違ってないって…」
「私が言ってること?」
「魔力なんかない方がいい。きっとその方が、みんな気付けるから
何もないように見えて、世界には素敵なことがたくさんあるって!
グランベルムに勝って、そして魔力をこの世界からなくして?」
満月の提案でおでかけ
場所は変わって寧々姉の家。
満月発案のキャンプの計画を伝えに来てました。
希望や九遠のお姉さんも呼びたいと。
「あの…、今日は誘ってくれてありがとうございますっ」
「初めまして、小日向…じゃなくて満月です。寧々ちゃんとは、前からの知り合いなんだ~、戦友?って言うか~」
実は新月…魔力以外の分野はてんで駄目なことが判明。
「意外と不器用なのねー」
「案外、そういうもんかもねー」
「少し慣れればすぐだよ。私に出来るって事は、新月ちゃんにも出来るって事でしょー?」
「アンナもとても器用でした。なんでもよく出来て頭も良くて。魔術師としての能力を除いたら私にはなにもない。
なのに」
「何もない事なんかないよ?新月ちゃんが教えてくれたんだよ?」
四翠が弾き語りで自作で妹への曲を。もし自分に妹が居たらという感じで作ったそうです。
「やっぱりなかった事にならないんだよ、魔力でどんなに書き換えようとしても…」
花火の時間。寧々姉が新月に近づきます。
「本当に良いの?あなたなら、満月を救おうとするのかと思っていた。
そんなに魔力をなくす事が大事?プリンセプスの魔術師になって、魔力を行使すればおそらくあの子は助かる…。」
「それは…」
「…何? 聞いてないの?!満月に話したのよ?!あなたに話せば、きっとプリンセプスの魔術師になった時に助けることが…」
「ねえ!」
満月が大きな声で皆を呼びます。
花火で描くその文字は…バイバイ
そして…満月は消えました。
「……あれ? 何してたんだっけ?」
皆その光景を見なかったことのように片付けを始めます。
こらえきれず走り出す新月。
それは満月の願いでもある
「満月!満月!満月!満月!満月!満月!」
走っていった先に居た満月。
「やっぱり新月ちゃんだけはダメか。寧々ちゃんたちに頼んで、術かけるの止めてもらったのに。
みんなが、辛くならないようにって…。」
「どうして言ってくれなかったんですか?」
「話したら、きっと新月ちゃんは迷う…、きっと本気で考える。
迷っちゃダメだよ?ちゃんと魔力を無くしてここに戻ってきてね?そしたらきっと、世界はもっと綺麗だって解る!
新月ちゃんが願っていた世界が待ってる…。
一緒に見ているよ?姿は、なくなっちゃうかも知れないけど
だって、私は新月ちゃんの心だもん」
満月は新月の頬に手を置きます。
「ぜったい忘れないように。もう一度言うよ?
魔力をなくして。」
二人でグランベルムへの扉を開けます。
「さあ…試練よ。プリンセプスの魔術師にならんとする者…神のステージへようこそ…」
水晶が不敵な笑みを浮かべていました。
結構ぺらぺら話してしまう感じだったのに抑えるべきところは抑える満月。
新月の心の弱さが生み出した人形、満月。
しかしどう見てもひとりの感情をもつ人間にしか見えませんし
やってきたことが全てなくなってるわけではない。
魔力をなくす決意をした新月と水晶の決着はどうなるのでしょうか。
二人でひとつなのかもしれないなとグランベルム参加するカットを改めて見て思いました。
最終回も刮目してみます。