（半端やない…半端やない銀時はん！）

（あの魔剣・マガナギと張りおうとる！！）

（思ったとおりだ。この男、千兵衛とは格が違う！ついに、ついに見つけた！このマガナギに見合う器を！！）

（クサナギ、貴様が見つけた男も大した逸材！だが！！）

（たとえ器が互角でも、使う刃は天と地の差！！）

「け…」

「剣が消えた！？？」

「ククク…」

「消えてなどないさ」

「ちゃんと俺の腹の中に収まっているよ…」

「お前の剣も、この男も」

カンっカンっ
「ふぅ…」

「よし出来た！」

「打ち直し完了アルか！」

「ついにできたんですね！生まれ変わったクサナギさんが！」

「あぁ、なんとか明日の決闘に間に合ってよかった。鍛冶屋としてできる限りの仕事はやった。あとは使い手次第で彼は名刀にも鈍らにもなる。銀さん、あとは頼む！」

「いや全然間におうてへんやん！急づくろいもええとこやないかい！さっきカンカンなっとったんはなんの音やったの！？鍛冶屋の仕事やないでこれ！！」

「よくやったじゃねぇか鉄子、あの鈍をここまで！ツッコミが鋭くなった！」
「そこ！？？」

「勘違いしないでもらえるか？俺は千兵衛なんかじゃない」

「俺の名はマガナギ」

「魔剣・マガナギだよ！！」

（あいつにとって使い手は道具、使い手はあいつ自身や、あいつの刃ぁは汚いケツどころやない。人の魂さえ貫き我が物にしてしまうんや）

「えぇぇぇ！？？」

「悪ぃ千兵衛さん、今日落語物の放送あんの忘れてた、やっぱ帰るわ」

「えぇぇぇちょっと待って！先週から引っ張ったのにこれ！？さんざん格好つけたのにこれ！？」

「つうかあいつ一体何！？このマガナギをたった一撃で！？待て沖田総悟！ちょっと落語はいいから！落語物なら俺DVDにとってあるから話聞いて！ねぇ！」

「ちょっとぉぉぉぉぉ！！！」

「くらえぇぇぇぇ！！」
「くらえぇじゃねえだろ！原始人の喧嘩か！！」

「うらああああああ！！」

「すごい技使ってる！二人共すごいことになってる！」

「でもなんでウンコ！？」

（ウンコの影に！だがコイツも）

（陽動だ！）

「そっちじゃねぇ」

「こっちだ」

「そっちじゃねぇ、こっちでさぁ」

「こっちじゃねぇあっちだ！」
「あっちじゃねぇそっちでさぁ！」
「そっちじゃねぇウンチだ！」
「ウンコでどんだけ高度なやり取りしてんの！！！」

「あぁ来ました！」

「来やがったな！」
「どうやらケツの獲物は使えるようになったらしいな」
「ケツの獲物？」

「あぁ、このエイリアン殺しのことかな」
「嘘をつけぇぇぇぇ！！！」

「え？何が？」
「何がじゃねーだろ！そんなでっけぇ剣ケツに刺さってたわけねーだろ！」
「難癖つけるのはよせ。ケツに食い込んでた部分はこのくらいあったんだよ」
「難癖つけてんのはテメーだろ！鞘にふさわしい剣を決闘で決めるってテメーが決めたルールだろ！！」

『それはケツに刺さっていたというにはあまりにも大きすぎた。大きくぶ厚く重くそして大雑把過ぎる嘘だった』
「ベルセルク風のナレーションで後悔してんじゃねーよ！！！」

「うるせーな、ケツに刺さってた剣なら脇差しとしてちゃんとここにあるよ」

「侍ってのは元々二本差しだろーが。真剣勝負の時くらい侍らしくいさせろや」
「侍に有るまじき屁理屈言い出したよ！！」

「銀さん、流石にそれは無理がある」
「やっぱりこっちの方がいいアル」
「そーゆー問題じゃないから！ベルセルクからFFにすり替わっただけじゃねーか！！」

「興味ないね…」

『それはFFと言うにはあまりにも進化しすぎていた。3とか4とかあれくらいのファンタジーが好きだった』
「何の話！？？」