内容をカンタンに説明すると…
- ホスピスでフローレスの電話記録を耳にした正崎とハーディ。そこへ、ドイツとイタリアで同時に自殺法導入が決定したとの速報が入る。
- 混乱を極める中、二人の目の前でさらに予想外の事態が発生する。
- 今回は…G7サミットが開幕した。自殺法都市を国内に抱える7人の首脳が一堂に会し、自殺法に対するスタンスを表明する。道徳、経済、権利と様々な観点で意見が交わされる中、アレックスは議論の本質に迫る一つの問いを提示する。
【バビロン 11話】開幕【アニメ感想】
G7サミット開幕
「自殺法肯定か、否定か。未だ態度を保留しているのはアメリカ、日本、ドイツの3カ国。その中でも世界の鍵を握るのは議長国であるアメリカ合衆国、そして考える人だ」
ニュースでG7サミットの幕開けが告げられます。
「君は…新域自殺サミットについてどう思う?」
「わざわざこちらのサミットにぶつけてきたということは齋は必ず何かを仕掛けてきます。しかし最も危険視すべきは女。曲瀬愛です」
開催前にアレックスは正崎にたずねていました。
『聖書、ヨハネの黙示録に記された7つの頭の獣。この黙示録の獣は7人の王を表し、その背には一人の女が。女は聖なる物たちの血に酔いしれ
最後には神によって焼かれ裁かれる。その女の名は大淫婦バビロン』
7カ国のサミットが始まりました。
各国の自殺に関しての姿勢というものを言っていく中ヒートアップする野次やらなんやらが…。
「落ち着いてください。自殺法で国通しの有効が損なわれることなどあってはなりません」
そう止めたのは日本首相
「発端はそもそもどこの国だと?」
「すべての始まりは我が国日本の地方自治体、新域です。日本政府として大きな責任を感じています」
「それで?日本は自殺法を認めるのですか?否認するのですか?」
「日本政府の意思で自殺法の是非を決定することはありません。日本はこのサミットで決議された方針に全面的に従うことを約束します」
「丸投げではないか!」
「自分の考えというものがないの?」
「ただし、それには条件があります。全会一致であること。
このサミットでの見解が全参加国の共通見解であることです。
自殺法が争いの火種になることだけはあってはならないのです。」
「戦争嫌いもここまでくると狂気だな」
「いいえ、本当の狂気とは戦争に向かう精神です」
参加国これには概ね頷いてますね。
「…わざわざ最後にしてやったんだ。もう考え終わっただろ?」
最後はそう、アレックスへ。
「ああ、ごめん。終わって…ない…」
善悪について
「じゃあ僕の方針を。」
先日の牧師との十戎の話をし始めるアレックス。
「これから皆で自殺法以外の話をしようと思ってるんだ。自殺法に対する答えを出すために。」
意味がわからない感じの周りの様子。
「僕らはもっとシンプルな根本的な話をすべきなんだ。
僕はね、自殺法が良いか悪いかずっと考えていたのに答えを全然出せなかった。
けど、それで気づいたんだ。僕に良いか悪いかなんて決められるわけなかったんだよ
だって僕は善悪がなんなのかわかっていなかったのだから。
つまり僕がこのサミットで皆と話したいのは善悪とは何かってことなんだ」
「アレックス、バカにしているのか?それとも本当のバカなのか?」
「私達で善悪を定めると?」
「善悪はそう容易に決められるものではない」
「大丈夫、僕らは国家の代表だ。
もしかしたらそう遠くはない将来、僕らの世界は一つの国家になるかもしれない。
その日までに僕たちは世界市民を説得できる普遍的な基準を見いださないといけない。
そう、善悪の基準を」
国の札を前に倒し話し合いをする姿勢のイギリス。
そして順番に意見を言いながらも札を前に倒していきます。
国の垣根をなくして話しあい。
背景が宇宙空間に。
「善と悪は対立概念です。同時並行で考えるのは難しいと思います」
「そうかしら、そう思い込んでるだけで善と悪は並列かもしれない」
「法は善を基準とする。悪を基準とした法はない。善から考えるのが妥当だろう」
「さて…善ってなんだろうね」
「辞書の定義から言えば道徳的に正しいとされることです。道徳的とは社会規範ではないでしょうか」
「社会の中で生まれてくるということ?」
「自分以外の誰も居なければ善も悪もない」
「それは違うわ、この世に一人だけだとしても善悪は明確に存在します。たとえば純粋であること。高潔であること。」
「人間としての誇りが善だというのか?」
「フローラ、それも社会性から発現したものだ。神に見せるための善さ」
「確かにそうね。私達の行動規範の根底には神が見ているという感覚が顕然と存在する」
「日本にもバチが当たるという言葉があります」
「そもそも善というのは人間にしかないものなのかな」
「集団が善悪の発露の要因となるなら集団生活を営む動物にはもしかするとあるかもしれないが」
「外から見ている我々が勝手にそう感じただけだろ」
「そう、それだよルカ!つまり善悪というのは人間が後から名付けただけってことさ」
「世界には異なる地域・人種・文化の数だけそれこそ無数の善悪の基準が存在する。
善を探すことはそれらに共通する項を探すことでもある。」
「その共通項がなぜ生まれたのか理由を考えたいな」
「3つあると思う。一つは自然継承。人類最初のコミュニティで生まれた道徳性が人類の広がりとともに
継承されていった」
「継承につれて道徳性は変化していくでしょうけど…それでも共通項は残る」
「二つ目は交流と洗練。文化社会感の交流でよりよい物を選び取ってきた」
「その過程で残るものがベストな選択として各地で採用され共通項となる」
「三つ目は最初から人類は普遍的な道徳性を持っている。というパターンだ」
「善悪の基準は人間に内在されていてその部分が共通項ということか」
「ありえん、赤ん坊は生まれたときから善悪をしっているとでも?」
「生物的な根拠に基づくならばあり得るのでは?たとえば大半の文化圏で悪とされている殺人。
これは同種殺しを忌避する遺伝的性質と合致したモラルです」
「だとしたら動物的本能として備わっているものが道徳として発現するという見方もできる」
「共食いしない獣と同じで片付く話ではない。
道徳観とはもっと複雑なものだ」
善行とは
「世界に広く共通する善…普遍的な善行とはなんでしょうか」
「先程話にでましたが殺人は広く悪とされています。ならばその反対の概念、人を助けることは善行ではないでしょうか」
「そうか…悪行の反対を想像したほうが浮かびやすい」
「個人の幸福の追求はまさしく善だ。我々はそれを基本的人権として認めている」
「アレックス、なにか意見は?」
「そうだねぇ…社会性や集団から善性が発生するというのは面白い仮説だと思うんだけど」
「違うと?」
「うまくいえないんだけど善はもっと包括的なものというか個人にも集団にも等しくかかってくるもので
個人の善と集団の善がありつつどちらの利益にもなる、そういうすごく便利な概念なんじゃないかなぁ」
トロッコ問題を持ち出すある代表
「善の問題に数が影響を与えることは間違いない。」
臓器くじ
健康な臓器の持ち主をランダムに選んで殺し移植を必要とする5人に配る。
これは殺人だというイギリス代表。
しかし一人を殺して5人を救けるという数の点ではトロッコ問題と同じ…。
「アクシデントでの対応では一人の死もやむを得ないと感じ、明瞭な意思を持って一人を選び出し殺すことは罪深いと感じる」
「つまり数ではなく意思と手段が私達の善悪の判断に影響している」
(生きること。生かすこと…より根底に生きるがあるならば自殺法を忌避する感情は正しいことになる。
自殺は人が死ぬ。僕らは生きると死ぬで対立している。ああ、もう少しだ。ええっと…)
向こう側でアレックスを呼ぶ声が。考えに没頭していて気づかなかったようです。
二分前からのそれは齋開花からの一般の放送電波を使った7カ国サミットへの呼びかけでした。
新域は自殺法を支持する10万人の人で溢れかえってます。
「ある一人の希望者が自殺薬ではなく飛び降りという方法を望みました」
その希望者は新域庁舎屋上に
「ただし一つ問題があります。迷っているのだそうです。死ぬべきか生きるべきか。
それは唯一のそして最大の問題です。死を望む人の自死は認められるべきです。
だが本当は死にたくないのだとしたら絶対に死ぬべきではない。
彼女は新域のカウンセラーとも話したが心を定めることは出来なかった。
猜疑心があるのでしょう。私が話してもダメなのです。
ここに新域域長として正式に要請したい。アメリカ合衆国大統領、あなたに彼女と話をしていただきたい」
彼女…そうあれは曲瀬愛ですね。
直接対話したらまずいと思うんですが考える人アレックスVS曲瀬愛の結果はどうなる!?

哲学~~~~~!!G7そもそも雰囲気良さそうで微笑ましいのですが?
善悪についての議論、ものすごく難しいお題だなと感じます。
誰の意見もわかるなぁと思いながら聞いてしまいました…。
え、来週最終回?
で、曲瀬とアレックスの直接(電波越しですが)対決って…。
音声だけでも効力出すこの女の影響がどうでるのか…。