前回のあらすじ
内容をカンタンに説明すると…
- 沙弥香は燈子の演技に気づいていた。燈子が生徒会劇にこだわる理由。それは亡き姉・澪がやり残したことを実現するためで…。
- 燈子の思いを知った侑は生徒会劇に協力することを決めた。離れて縮まるふたりの距離。「好き」は束縛する言葉。変わりたいと思う侑に対し、燈子は「私を好きにならないで」と願う。
- 今回は…沙弥香は燈子の小さな変化も見逃さない。2人の距離は近くもあり遠くもあった。燈子は誰のものにもならない、と思う沙弥香。しかし実際は侑との距離を縮めていて…。そんなある日、喫茶店の女店長が女性とお付き合いしている事に気づく。
【やがて君になる 7話 アニメ感想】秘密のたくさん/種火
心の距離
当時中学生だった沙弥香は先輩に告白されます。先輩は女の子でした。
(初めはおかしいと思った。女同士なんて。でも…。先輩が高校に進学して会う機会が減った。何日も何週間も会えない日が続いて。だけどこの寂しさを先輩も感じていると信じてた)
しかし、再開した先輩は気の迷いだった、と言います。
もう子供じゃない、遊びでこういう付き合いをするべきではない、と。
彼氏ができたんでしょうね…。
(こういう私にしたのはあなたのくせに。忘れよう、全部。一時の気の迷いだったって、私も言えるようになってしまいたいって。そう思っていた。――でも、全てどうでもよくなった)
高校の入学式で、優秀なはずの自分を上回り代表になった少女。それが燈子でした。
沙弥香は目を奪われます。
一目惚れだったんですね~。
(燈子は誰にも親しげに接するし、近づきやすい印象を与えるけど、本当のところ、一定以上の距離には決して近づかせない。まして恋人なんて…)
燈子が「近づかせない」中に自分も含まれているのを、沙弥香は自覚してるようです。
「女の子?」
「うん。女の子は前に泣かせちゃったから上手く断らないと…」
「…苦手?女の子」
「そういうわけじゃないよ。ただ断りにくいだけ」
「そう」
燈子はまたラブレターをもらいました。
真剣に読んでいますが、嬉しくなさそう?ちょっと困った様子です。
「小糸さん?」
「うん。放課後OKだって」
「よく協力してくれることになったわね。あんなに嫌そうだったのに」
「なんだかんだ断れない性格なんだよ。優しいから」
「ふーん。随分仲良くなったわね、小糸さんとは。ちょっと妬けちゃうなぁ」
「どうしてよ?」
沙弥香はほんの少しだけ、燈子に近づきます。
「あの子のどこをそんなに気に入ってるの?」
「だって生徒会の1年で女の子は小糸さんだけなんだし。仲良くしてて何か不思議?」
「…そう」
近づけた手を元に戻す沙弥香。
これ以上、深入りすることはりませんでした。
沙弥香(燈子は誰のものにもならない。そのままでいて。そのままでいてくれる間は、私が一番そばにいられるんだから)
燈子(沙弥香は優しい。侑とは違った意味で。沙弥香は踏み込まない。沙弥香が私に要求するのは、完璧な私だけだから。私がそれを演じきれている限り、その後ろを覗き込んだりしない)
それが燈子と沙弥香の信頼関係。燈子と侑の関係との違いでした。
「いらっしゃいませ。この間も来てくれましたよね?」
「一回来ただけなのによく覚えてますね!」
放課後。侑、こよみ、燈子、沙弥香は生徒会劇の顔合わせで喫茶店を訪れます。
しばらくすると古典の授業を担当している箱崎先生が来店しました。女店長さんと親しげな様子。
「先生、店長さんとはお知り合いなんですか?いま、お帰りって」
「あ、あぁ、いや。みや…ここの店長とは大学の頃からの付き合いでね。ちょくちょく来るからそういうノリに」
「へぇ」
「寄り道は禁止じゃないけど遅くならないうちに帰るのよ」
「「はーい」」
箱崎先生、少し動揺してましたね。店長のことは普段は名前で呼んでるみたいです。
「箱崎先生って生徒会の副顧問だよ」
「えぇ!?全然知りませんでした」
「うちの学校は生徒の自主性に任されてるから」
名前で呼んで
顔合わせが終わり、同じ帰り道を行く侑と燈子。
「侑…」
「?」
「侑、って…私も呼んでいい?」
「既に結構呼ばれてる気がします」
「そういうのじゃなくて!普段から、生徒会とか、みんなの前でも!」
「そりゃあ、後輩のこと名前で呼ぶのは全然いいんじゃないですか?」
「じゃ、じゃあ…侑…」
「はい」
侑は名前を呼ばれてもケロっとしていました。全然ドキドキしてない!(笑)
「(その顔。こんなのは何でもないってその顔を見ると、あと少し、もうちょっとだけ踏み込みたくなる。どこまでならそのままでいてくれる?)じゃあさ、侑も私のこと名前で呼ぶのはどうっ?」
そういえば侑が燈子を名前呼びしたことはないですね。
「・・・・・・」
「え?あ、ごめん!やっぱり…」
「燈子先輩」
「!」
「燈子先輩」
「~~~~~~~~っっ!!!!/////」
(自分で言わせといて、この人は全く…)
燈子のリアクションがかわいすぎる(*´∀`*)
「いちいちそんなリアクションされたら人前じゃ呼べないですね」
「ふっ、普通にできるし!」
侑が意地悪になってきました。
前から思ってたけど小悪魔属性ですよね?( ̄∀ ̄)
「先輩って自分からはグイグイ来るくせに、こっちから行くと弱いですよね」
「~~~っ」
顔を真っ赤にする燈子。
(先輩のこういう所はかわいい、のかな?やっぱりこよみには言えないけど。先輩にも秘密だ)
沙弥香女店長と箱崎先生の関係は…
翌日の生徒会で燈子はさっそく侑を名前呼びしました。
沙弥香(え…?名前で呼んだ?いま!?)
堂島「あれ、七海先輩って小糸さんのこと前から名前呼びでしたっけ?」
沙弥香(いいわよ!堂島くん!)
燈子「そろそろもっとフレンドリーでもいいかと思って」
堂島「俺の下の名前、スグルっすよ!」
燈子「そうなんだ、堂島くん!」
堂島くん残念!(笑)
(燈子があんなに人と距離を詰めるの、見た事ない。あれじゃまるで…)
先日、喫茶店で別れた時の2人の距離を沙弥香は見ていました。
カップルのようだ、と思ったのかな?
(燈子と小糸さんがどれだけ仲良くなったとしても、特別な、具体的な関係にはならない。燈子は誰のものにもならない。だって燈子だもの)
自分に言い聞かせているようにも見えますね。
自宅でコーヒーを飲んでいた沙弥香。ふと箱崎先生の姿がよぎり、”あること”に気づきます。
「あら、こんにちは」
「カウンター良いですか?」
「どうぞ」
後日、沙弥香はひとりで喫茶店を訪れます。
『おかえり、今日はお仕事早かったんだね』
『うん、たまには』
女店長と箱崎先生はそう言っていました。まるで同棲しているような口ぶりです。
「…あの!」
「?」
「お聞きしてもいいですか?」
「何?」
「すごく、不躾だと思いますし、勘違いだったらすみません…。店長さんは、箱崎先生とお付き合いされているんですか!?」
しばらくの沈黙のあと。
「うん。そうだよ、彼女」
店長はあっさり答えてくれました。
今はこのままで
「どうしたの?」
「いえ…」
「そうだと思ったから聞いたんでしょう?」
「すみません。そうなんですけど。こんなにあっさり教えてもらえると思ってなくて…」
「まぁ私も、あなたくらいの年頃の頃は絶対秘密にしなきゃって思ってたよね。いるんだ、好きな子?」
「…はい。もう、女の子なんか好きにならないって思って、そのために共学の高校を選んだはずなのに。あの子にであったら、もうこれでいいんだって」
意外なところに相談できる人がいました。沙弥香が悩みを漏らすのは珍しいですね。
「その子のどこが好き?」
「え?えーっと………顔?」
「ふふっ。大事ね、顔」
「それに、優秀なところ。私より前を歩いてくれるところ。理想を叶えるために努力をする姿が好き」
「本当に好きなんだね」
好きなところがこんなにたくさん…(*´∀`*)
「恋人同士か…。羨ましいな」
「告白する気、ないの?」
「それは無理です」
「女の子はダメそう?」
「それも怖いですけど、それ以前の問題というか…」
「それ以前?」
「あの子には、人の好意を受け入れるだけの余裕がないんです。好きだといっても、今のあの子にはプレッシャーにしかならない」
「今の関係が壊れるくらいなら。このままでいいです。あの子は一番の友人として、私を必要としてくれるから……」
そばにいるためとはいえ、本当の気持ちを隠すのって辛いですよね…。
沙弥香の気持ちを知った店長はコーヒーをサービスしてくれました。
あなたはいい子だから、と。
「友達のままで居ることがその子の願いで、あなたは自分の気持ちよりも、その願いを叶えるって決めたんでしょう?」
「…私がただ、そばにいられなくなるのが怖いだけでも?」
「だとしても、本当の気持ちを飲み込むのは大変なことだよ。だから。ね?」
店長はテーブルに落ちた水滴を拭きながら、そう言いました。
水滴は沙弥香の心の涙だったのかな…?
翌日、小テストが返却されます。沙弥香と僅差で燈子が勝ちました。
「負けた割に楽しそうね沙弥香」
「そんなことないわよ。油断してるとすぐ追いつくからね?」
「はいはい。…沙弥香」
「ん?」
「沙弥香がいてくれて良かった!」
「沙弥香がいなかったら、もっと楽してたというか。サボっちゃうと思うんだよね、私。勉強のことだけじゃなくて、会長とか副会長とか。沙弥香の前に立ってるんだって思うと理想の自分に少し近づける気がする。だからこれからも頼むよ。沙弥香」
沙弥香は確かに、燈子の支えになっていました。
堪らなく嬉しい言葉じゃないですか…( ;∀;)
沙弥香(飲み込んだ言葉は育ち続けて、いつか胸を破るかも知れない。でも十分だ。今はこれで。今はまだ、このままで―――)
自分の気持ちより燈子の願いを尊重する沙弥香。本当に燈子が大好きで大切なんだな、と思います。
彼女にとって「これからも」という燈子の言葉は嬉しかっただろうな。
望む形でなくても、この先も隣に居てほしい、居ていいよ、の意味と同じですし。
気になるのがサブタイの「火種」。物語が進むにつれて気持ちが飲み込めないほど大きくなっていくのかな…?
侑と燈子が名前を呼び合うシーンはひたすら可愛かったですね。イチャイチャしてるだけじゃないか!(笑)
侑、燈子、沙弥香の三角関係は続いていくみたい。
侑と沙弥香、どちらかの気持ちが、今よりも大きくなる時が来るはず。それが楽しみなような、怖いような…。