「いい年した娘がせっかくの休日に家でごろごろと…ひなたはおつかいに行ってくれてるのに。はぁ…」

「別にいいでしょ…」

「それにそのジャージ高校の時のでしょ？いい加減着るのやめな。私服も高校の時からずっと変わってないでしょ」

（なんで説教モードなの？めんどくさいな～）

「大人になったらみゃー姉は私が面倒みるから！」

「とりあえず見た目だけでもちゃんとしな。ほらお金出してあげるからちゃんとした店で服買ってきな」

「だって！服屋って店員が話しかけてくるんだもん！やだやだ絶対やだ！」

「みゃー姉！一緒に行くぞ！」

「来てしまった…店員が来たらひなた助けてね」

（でもどうしよう…服は買わないとお母さんに怒られるし…そうだ。生地買って自分で作ればいいんだ。それで余った生地で花ちゃんのコスも作れば一石二鳥だ！）

「え！？お姉さんが休日に家にいないなんて…嘘…ですよね…？」

（あの子…よその子にまで…）

「花ちゃん私達もお買い物デートしよ」
「いいけど…別に暇だし」
「わーい！やっと花ちゃんにまともな服選んであげれる！」

「…ひなたはどこか遊びに行きたいでも所あるの？」
「えっとな～えっとな～。ない！みゃー姉が一緒ならどこでもいい！」

「ところで花ちゃんのそういう服ってどこで買ってきてるの？」
「お母さんが買ってきてるからよく知らないけど」
「ママが…そっか。花ちゃんの趣味ってママ譲りなんだ…ドンマイ！」

「なんでこんな所にわんちゃんが。迷子かな？この子の名前みやこだって！」

乃愛「なんでわんちゃん苦手なの？」
花「別に苦手じゃないけど…犬に噛まれたら死ぬ」

「でもほんとにこのみゃーさん大人しいから大丈夫だよ。それに花ちゃんに懐いてるし。折角だから少し撫でてみない？かわいいよ」

「予防接種に連れてきたんだけど逃げ出してしまって…ありがとう捕まえてくれて」

「…妹が迷子になってて。こんな子見かけなかった？」

「みゃーこ！本物だ～」

「えっと…どうしたの？一人？お母さんは？」

「みゃーこ迷子。お姉も迷子」

「みゃー姉…まさか外で隠し妹作ってたのか！？」
「隠し妹って何？」

乃愛「松本さん優しいお姉ちゃんだね」

ひなた「つまり松本も私のお姉ちゃんだった…？」

松本「私がひなたちゃんのお姉ちゃん…？それってつまり！私知らないうちにみやこさんと家族に！？」

「そういえばその子私の事知ってたんだけど…名前とか顔とか」

「ああ。私の持ってる写真でみやこさんの顔見てるから」

「お姉！みやこの写真いっぱい持ってる！」

「私達まだ来たばっかりだからもうちょっと遊んでいくね…あ。帰る前に。みゃーさんお手！」

花「私が犬苦手なの内緒にしてね」

乃愛「それじゃあ…私と花ちゃんだけの秘密ってことね！」

「これからは時々こうやって遊ぼうか」

「どうして生地買ってくるの？服買ってきなって言ったでしょ！」