「よし栄太郎！今日は奥義を伝授してあげよう！」
「奥義！？ついに！！待ちに待ったよぉ！！」
「その名も」

「ファイナル屁ラッシュ！」

「ふぁいなる…屁ラッシュ！？」

「なにそれなにそれ！早くちょうだい十四松！早く早く！！」

「ファイナル屁ラッシュだって！？」
「おい！興味を持つな！」

「じゃあいくよ！」

「はああああああああ…」

「ファイナルゥ～～～屁ラ～～～ッシュ！！」

「うわああああすごいラッシュだ！なんでこんな事できるの！？どういう体してるの！？」

「あはは！あははは！」

「やっぱり十四松は最強！僕も十四松みたいになりたい！」
「あーはっはは！！あーっはっはっはっは！！」

（この時、正直な気持ちを言うと、何かしらバチが当たるんじゃねーかなーと思ってた）
（思ってたねー）
（でも面白そうだから黙っておくことにした）
（黙ってたねー。泳がせたね）

「ダヨ～ン！」

「ほいぃぃぃぃ」

「ダヨ～ン！」
「ほいぃぃぃぃぃ」

「ダヨ～ン！」
「ほっほほぃぃぃ！」

「ダヨ～ン！」
「ほぃぃぃぃ」

「ダヨ～ン！」
「ほいほいほいいい」

「ダヨ～ン！」
「ほぃぃぃぃ」

「……ほい？」

「ダヨ～ン！」
「ほいいいいいい」

「あちゃちゃちゃ！！！」

「ダヨ～ン！」

「ほいぃぃぃぃ…」

「ダヨ～ン！」
「ほい！！」

「ダヨ～ン！」
「ほいほいほいぃぃ」

「ダヨ～～～ン！」
「ほいほいほい」

「ダヨ～ン！」
「ほいいい～～」

「ダヨ～ン！」
「ほいいいい」

「ダヨン！ダヨン！ダヨン！」

「ほいいいい」

「ダヨ～ン」
「ほいいい」

「ダヨ～ン！」
「ほいぃぃ～～」

「ダヨ～ン！」
「ほいいいいい」

「だよぉぉぉぉぉん！！！！」
「ほいいいいいいいい！！！」

「ダヨ～ン」

「ほいぃぃぃぃ」

「ダヨ～ン」
「ほいいいいいい」

「ダヨ～ン」
「ほいいいいいいいい」

「ダヨ～～～ン！」
「ほいいい！！返すダス！！」

「ダヨ～～ン！」
「ほいいい」

「一生恨むダス！いいダスか！？ワスは君のことを一生恨むダスよ！返すダス！返すダス！ほいいいい」
「ダヨ～ン！」
「ほいいいいいいいい」
「ダッヨ～ン！！」

「あーあ。いつか僕も十四松みたいになれるかなぁ？」
「どうだろうね。なろうと思ってなれるものでもないしね」

「でも、なれるよきっと」
「なれるんだ！よ～し頑張ろう！」

「え？」

「なにやってんのあれ？誰なのあの子は！？」
「十四松の信者だって」
「信者！？」

「うん。十四松のフィジカルとテンションに虜になってしまった哀れな小学生だよ」
「はい？」
「知らないの？」

「最近よく家の前で出待ちしてるよ」
「出待ち！？十四松兄さんを！？」

「ヤバイよねー」
「ヤバイでしょ！憧れる対象完全に間違えちゃったでしょあの子！！」

「若気の至りか…」
「まぁハマっちゃうんだろうね」
「ハードドラッグみたいなもんだからね」

「ねえ十四松！」

「ねぇ師匠！」
「ん？」

「なんか聞いたんだけど、十四松ってにーとってやつなの？」

「えっ！ニート！？」
「なんなのニートって？」
「え、あー、うん…野球のポジションだよね」

「野球のポジション！？」

「野球のポジション？」
「二塁手とショートの間。略してニート」

「え！？じゃあ十四松って野球の選手なの！？」

「うん、独立リーグだけどね」
「へぇ～！やっぱすごいね！」

「すごいね…子供相手に嘘をついているね」

「あとちぇりーぼーいってなんなの？」
「僕はさくらんぼが好きなんだ」

「へー（棒）」

「栄太郎、大丈夫でしょうか…？あのギャグ本当にウケるんでしょうか？」

「大丈夫！絶対にウケ～マッスルマッスル！ハッスルハッスル！」

「なんて自信…」

「いくよ～～っ！」
「あははははははは！！！」
「わはははははは！！！！」

「やった～！十四松！見て！」

「あのギャグやったらすげー友達できた！十四松のおかげだよ！」
「うむ。流石我が弟子だ！」

「やったね栄太郎！」

「うん！！」

「わ～い！やった～！」
「やったやった～！」
「やった～ありがとう十四松！」

「よかった…この人に賭けて。おめでとう栄太郎っ…」

「あ、しかもね十四松！彼女もできた！」

「…栄太郎」

「破門じゃ―――――い！！！！！」

「あ～～～～っ！」

「ええええええ……」

「違う！！」

「師匠！弟子にしてください！」
「弟子はもう取らん！」

「師匠ぉぉぉぉぉ！！！！」
「取らんと言ったらもう取らん！」

「えええええ！！！」

「えええええええええ！？？？？」

「うーりゃ！とーりゃ！」

「ぶへへへ！いえーい！復活シェーブ！ありがとーレイオン！心配おかけしまシェーン軍団！」

「ぶえー！フォエバー！」

「松野さん、これは一体どういうことなのでしょうか？」

「い、いやぁ…う～ん…」
「あれはきっとあなたの真似をしているのですよね？」
「いやぁ、ど、どうなんでしょう？」

「そうとも言い切れないと思いますけど」
「見て見て師匠！！」

「ブ――ッ！！！」

「師匠？息子になにか教えられました？」
「いえいえ！」
「洗脳なさいました？」
「いえいえいえ！！」

「あーっダメだ！」

「師匠に教えてもらったみたいにうまくできないなぁ！」
「ブーッ！！」

「息子とは、どのくらいの頻度で会われていらっしゃるのでしょうか？」
「えっ、あ～、一ヶ月に1回くらいですかね？」
「毎日だよ！」

「栄太郎くん！！」

「毎日……。あの失礼ですがお仕事は何を？」

「ニートだよ！」
「栄太郎くん！！？」
「二塁とショートの間を守る独立リーグの選手なんだって！」
「栄太郎くん！！？」
「あとチェリーボーイ！」
「栄太郎くん！！！！」

「ふんっ！ふんっ！ふんっ！」

「ん？」

「ふんっ！ふんっ！」

「あれは何を？」
「いや、あ、あれはあのぉ～」
「栄太郎」
「お母さん？」
「栄太郎」
「お母さん！やめましょう！！」
「栄太郎。それは何をしているの？」
「ファイナル屁ラッシュだよ！」
「栄太郎くん！！！」
「ファイナルへラッシュ…？」
「うん！師匠に伝授してもらった！」
「永太郎くぅ～ん！！」

「どういったものなのでしょうか？」
「へっ？」

「ふぁいなるへらっしゅ、とは…一体なんなのでしょうか？」

「ギャグだよ！」
「ギャグ？」
「うん！すっごく面白いの！」

「松野さん、お手数ですが今ここでやって頂けませんか？」

「今ですか！？ここで！？？」
「私も見てみたいのです」
「い、いやぁ、流石になぁ…」
「やってあげてよ！！」

「お母さん、言っとくけど絶対に笑うよ！大爆笑だから！見れて良かったねぇ～」
「栄太郎ぅぅぅぅえ！！」

「ではお願いします」

「あ、あの…絶対に怒らないって約束してもらえますか？」
「もちろん約束します。だってこちらからお願いしているのですから」
「分かりました…」

「やった～ファイ屁だ～！ファイ屁が見れる！！」

すぅぅぅぅぅぅ――…

「はあああああああ」

「ファイナルゥ～～屁ラ～～～ッ（カット」

「も、申し訳ありません！私ったらつい手を出してしまいまして」
「いえいえ、気にしないでください」
「まぁ～～っどうしましょうっ…」
「悪いのは僕ですから」
「すいませんっ」

「あははは！おもしろい～」

「松野さん、いえ師匠」
「！？」
「品定めをするような真似をしてごめんなさい」
「え？」

「お呼びだてしたのは、実はあなたにお願いしたいことがあったからなのです」