「よろしくお願いシャース！！！」

「うおおおおおおおお！！！」

「うるせぇ！」
「すみません！！」

「次から気をつけま――す！！！」
「ヤミさんがうるせぇっつってんだろーが！」

「あれがもうひとりの新入団員…？」

「小虫ね」

「炎魔法！」

「爆殺・轟炎魔球！！」

「死ねぇぇ！！！！」

「まじでぇぇぇ！！？？？」

（あ。死んだ…）
《アスタの脳は直感的に悟った。アスタは今まで鍛え抜いた肉体と動体視力と瞬発力で魔法を切り、敵を打ち破ってきた。だが今回のマグナの魔法は今のアスタでは早すぎて捉えられない》

（早い！）
《例え切ったとしてもこの攻撃の勢いは死なない。割れた攻撃を食らってしまう》

（防げねぇ！）
《限界を知ったとき、思考は止まる――》

《がしかし！》

《体は諦めていなかった！鍛え抜いた肉体の超反応、その最後の悪あがき――》

「うおらあああああああ！！！！」
《それが、活路を切り開いた！！》

「このチェリーヤンキー！」
「だだだ誰がチェリーヤンキーだ！」

「あれれ～？よそ見してると殺っちゃうよ～？」

「やれるもんならやってみやがれぇぇ！！」

「うるせぇっつってんだろ！我が天使である妹マリーの名のもとに俺がキサマらを破る！」

「お前ら……」

「壊すんじゃねぇぇぇぇ！！！！」

「めっちゃ壊してるぅ！」

「覚悟はいいなオラァァ！！？？」

「いくないけどー、やろうよ！」

「死ねぇぇぇぇぇ！！！！」
カキンカキンカキンカキンッ

「ひょーい！あははは！」

「オラオラオラ」
「あははは！！」
「うーん…なんの騒ぎ？あーん飲みすぎた…頭いったいー」

「モグモグモグモグ」

「今日も天使のように可愛いなぁ。マイリトルシスター・マリー」

「うるせぇバカ野郎共！！」

「ふしゅー……」

「またやってるよ…」
（おおー、怖ぇぇ！今日から俺も黒の暴牛の仲間…）

「ハージ村から来たアスタです！！よろしくお願いしまぁーす！！俺、魔法帝になりまぁーす！！」

「昨日とってあったプリン美味しかったな～」
「それがてめぇの最後の晩餐だぁぁ！！」
「いい加減にしろよてめぇら！てめぇらゲスの騒音で妹が起きたらどうすんだボケェ！」
「知らないおっさんと勝負したところまでは覚えてるんだけどな～」

「ありがとー！」

（全然聞いてねー！）

「おい、団員を紹介してやれ」

「はい。じゃあ改めて」

「彼はゴードン・アグリッパ」
「…よろしく…」
「何考えてるか分かんない奴だけどいい奴さ」

「そしてバネッサ・エノテーカ。酔っ払うと絡んでくるけどいい奴さ」
「誰も絡んだりしないわよ」

「ハージってあの最果ての小さな村の？」
「はい！」

「へぇ、最果て出身で魔法騎士団に入るだなんて頑張ったのね坊や。ご褒美にお姉さんがいいことしてあげよっか」
（よろしくお願いされてぇぇ！！）

（でも俺にはシスターリリィという心に決めた女神がぁ！！）

「おええええ」
「おわあああ！！！」

「じゃあ紹介を続けるね」
「えぇ…」
「じゃあ次ぼく～！」

「ナック・ボルティア。戦いだぁ～い好きなバトルマニアだけどいい奴さ！」
「よろしくぅ～」

「君、戦い好き！？」
「は、はあ」
「ぼく大好き！闘う？闘う！？」
「えぇっ…」
「おい」

「どうだ？」
「え？」
「妹のマリーだ。天使だろ？」
「はい…」

「いいか、マリーに手を出したら殺す！！！」
「えええええ！！」
「ゴーシュ・アドレイ。妹愛に溢れすぎてるけどいい奴さ！」

「この子はチャーニー・パピットソン。大食いだけどいい奴さ！」
「よろしくぅー！」

「こっちはグレイ。よく分からないけどいい奴さ！」
「ふっしゅー……」
「ど、どうも…」

「そしてマグネ・スイング。ヤンキーだけどいい奴さ！」
（怖えぇぇ！）

「で、俺がフィンラル・ルーラケイス。モテモテさ！」

「そして俺たち黒の暴牛団のヤミ・スケヒロ団長！」
「…いい奴って言わねーの？」