内容をカンタンに説明すると…
- どんな本も最初は新刊、しかしそれをすぎると次第に売れなくなっていく。そういうのは死に筋と呼ばれ取次を経由して出版社に返品される。
- その見極めがなかなかに難しい。逆に復刊として生き返ることもある。そうやって本は輪廻転生をしているのである。
- 今回は…書店員に向いている人とはどんな人なのか、そのことについて考える本田さん達。理路整然と棚を整理できるフルフェイス先輩に注目がいく。書店員は時々棚の担当を変更することがある。本田さんの新たな担当と思いは。
【ガイコツ書店員 本田さん 10話】本屋さんのITSUZAI/棚の担当変更【アニメ感想】
適材な人とは?
(本屋で働いてると時々こういう質問をもらうことがある)
<どんな人が書店員さんに向いているんですか?>
「本屋に向いてる人?私が知りたいわい。ちなみに本田さんの答えは?」
アーマー係長が本田さんに尋ねます。
「えっと…労働の対価をお賃金には直接求めず表情筋を鍛えて適当に操ることができ、そこそこの社会性を持ち合わせる人…」
「ちょっとそういうのやめてくださいーー!特にお賃金のあたりよく考えて!お賃金もっとほしいね!わかるけど!」
「声でかいよ、性癖トーク控えて」
ガスマスクさんから注意されました。性癖トーク(笑)
「てっきり英会話ができる人とか言うのかと」
「それ、本屋以外にも向いてる人ですからね。あ、そういえば最近気づいたんですよ~。
本屋ってずーっと何かしら片付け続けていることに」
「確かに」
「新刊出したり返品したりひたすら出し入れを繰り返す日々」
「特に売り場は積みの部分が棒グラフみたいだったりさしの部分がノシ状態だったりするとたいへんよろしくないしね」
「手入れしてない棚には万引き犯が忍び寄るし。社内の風紀委員的な方々からも大顰蹙買うし」
「まじがんばります」
「うんがんばろう!」
(とか思って急にできるわけでもなく常に雑然とした棚回りになっちゃうんだよなぁ)
そこに整然と並べられた美しい棚が。
下の在庫の引き出しもキレイ。
(レーベルごとに著者名順に揃えられ、かつ巻数順に並べられた棚下ストック!)
「どした?なんか探してる?」
フルフェイスさんが!
挙動不審でごまかして逃げていく本田さん。
できる男
(恐れ入ったぜフルフェイス先輩、ただものではない)
「それすげーわかる、フルやん、棚下どころか個人引き出しもやばいキレイ!」
そう言うのは紙袋先輩
「いやあんたの棚も超キレイだから!私のところの崩壊ぶり控えめに言ってマッ○マックスだからね?」
アーマー係長それはまずいのでは…。
「こうなったらフルフェイスさんに私達の棚も兼任してもらいますか」
「非常に魅力的だけど却下!」
さすがにキャパオーバーになりますからね。
ガスマスクさんがあることに気づきました。
「やべー、俺のとこフルフェイスさんが整理してくれたんすね」
「なんでわかったの?」
「誰が見ても理路整然としてて規則性があってわかりやすい状態を徹底して保てる人なんて
この中には居ないと思って」
「そのとおりだけど!!なんとかいってやってよ係長!」
「おらには無理だ…」
噂をすれば…。
「はっはっはっ、声でっけ」
「ちょうど皆でフルフェイス先輩はストックまでめちゃキレイって話をしてたんですよ」
「キレイねぇ…まぁ整理してるのは自分の為だけど在庫探しやすいと皆も楽になるよね。
ストック引っ掻き回すのも大変でしょ?」
「これぞ本屋の逸材って感じ」
「いやいやこんなん普通だよ」
「やめてーこれ以上えぐってくるの」
(本屋に向いてるのは自分以外の人のことを考えて行動できる人、っつーことですね!パイセン!)
「ペストマスク係長、本屋に向いている人と聞いてどんな人を思い浮かべますか?」
「迷うねぇ…色々あるけど、盗むとか暴れまわるとか全力で指名手配されてたりする人…以外かな?あ、本好きな人とか?」
(本屋で働きたいそこの勇者さん、結構間口は広いかもしれません)
不定期なのか定期なのか
「盛り上がってまいりました担当替え会議」
「毎回すんごい行き詰まってる感じだけどね」
「運命が決まりますからねぇ。なんか懐かしいなぁ」
「今回は全シャッフルじゃないっぽいっすね」
「もー変わりたい、超楽なとこ行きたい」
係長二人共大変そうですね。
「…とりあえず本田さん、担当が変わります」
「アレマッ!」
「本田さん今の棚結構長い間やってくれてるから是非新天地に行ってもらおうって
話になったの」
「いやもう変わる前に自分の棚きれいにしなきゃってことで頭いっぱいです」
「真面目か!」
「本田、やってみたい棚とかあるの?」
「ないです」
「即答…」
「やりたくないというか頑張っても無理そうな棚はあります」
「それ同じとこかもどの棚?」
「ゲーム系です!」
「オー一緒だ!」
紙袋先輩も同じ様子。
「決してゲーム系の書籍を蔑視してるとかではないんですが。」
「むしろ逆!うちらゲームほぼやらないから攻略本の内容の違いとかお客さんのほうが詳しかったりする」
棚から素人のかおり…。
「詳しくない人間が棚を管理していると即バレそうですよね。お客さんに」
「まぁ仕事だからやれって言われたら泣きながらやるけど…前年比売上を割り込む自信しかないね」
「わかる」
(わかるがしかし…紙袋先輩…あなたはなんだかんだ非常にマメでタフで有能…変人だけど。
私は何もゲーム系書籍の棚のみができないと言っているのではない。所謂よく聞く出版社あの辺ぜーんぶ自信がない!)
意味のない伏せ字
<ここからは完全に本田の独断と偏見による版元別棚運営雑感です>
(キングオブ漫画出版社 集E社!売れてる連載が全然完結しないし、完結してもなお売れるので店から撤去するわけにもいかない!まさに地獄の棚!!)
(ますます勢いを増す講D社!レーベルごとの発売間隔を短くすることに異様な情熱を感じる狂気の出版社!!)
(不滅のラスボス小G館!専用注文FAX用紙じゃないと絶対に注文を成立させない超ちゃんとした出版社!)
(秋T書店と少年G報社、血肉や笑いを求めるお客さんが多いので気合い負けしないように棚整理をする!)
(徳M書店と新C社!棚の前に誰も居ないときとごった返しているときと差が激しい!気を抜くとネットでバズって在庫がすっからかんになりがち!)
(ようこそ混沌!白S社!雰囲気の統一感のなさは他の追随を許さない!作品が出る度細かく補充できるタイプの人が棚担当に向いているかも!)
(そして…とりわけ恐ろしいのが…多頭型出版生命集合体KADOKAWA!カレンダーを自社コミックの発売日で埋めるつもりなのか毎日何かしら新刊が出ている!まさに新刊補完計画!とにかく重版するのがおっそい!
もう、まじでおっそい!!結果品切れを見越した多めの発注をかけてしまうのだがこれもまた補完計画の一部なのか…)
(はぁ…だんだん全部の棚が嫌…じゃなくて自信がなくなってきた)
(いやいや甘えるな本田、よほどの変化球が来ない限りできない棚なんて!)
新担当本田 アメコミでかい本
前担当はホウタイさん
「アメコミとか全然読まないしわかんないですけど…」
「大丈夫、私もそうだったけどやってくうちになんとかなるなる~海外コミックとか大判の画集は書籍扱いが多いからざっくり準備しとけばいいし。雑な私とか本田さんにピッタリ!」
(性格ばれてる~)
「でもホウタイ先輩みたいに愛のある担当者かそうでないかってお客さんに伝わりそうで…」
「そのうち愛芽生えんじゃね?(知らんけど)」
「雑ぅぅううううう」
「ま、慣れるよすぐ。フォローすっから」
「ありがとうございます」
(不安だらけだった海外コミックの棚だが不思議なことに今も担当が続いている。
向き不向きは自分ではわからないがやってみると結構愛着を持ったことは確かだ)
ケンドウさんは雑誌コミック担当に。
「人間何事も挑戦してみるもんだなぁ…」
「食わず嫌いせずにゲーム系もやってみるべきなのか…?」
お見事です。ガスマスクさんの「性癖トーク控えて」が妙にツボに入りました。
今回は実在の出版社がどんどんでてきましたね~。伏せ字がわかりやすいし角川さんそのまま!
出版社の作品が背景でオマージュ(?)されていてにやにやしてしまいました。
棚担当変わるってもう新天地ですよね。社内転勤みたいなもんじゃないですか?(違います?)
ゲーム系難しいのなんとなくわかります。移り変わり激しいですもんね…。