「お二人がいないか崖の方を確認してきます」

「はい」

「私たちは街のほうを確認してみようか」
「ああ、そうだな」

「あの男やっぱりここに…」

「おはなちゃん！」
「そいつから離れろ！」

「！」

「あ…」

「わ！」

ﾁﾝﾁﾝﾁﾝﾁﾝﾁﾝﾁﾝﾁﾝﾁﾝﾁﾝﾁﾝ

「ルラン男爵からご伝言です。セレンファーレンの土産を買ってくるように
リストを預かってまいりました」

「なんだただのお使いだったんだ」

「おまえが物騒なこと言うから早とちりしたじゃないか」

「物騒な事？」

「お前たちの全裸以外に物騒な事などあるのか？」

「それナレクが言うかなぁ…ま、お花ちゃんが無事でよかったよ」

「アニの為にグリまるがみんなを静かにさせるり～ん」

「お湯もしたたるいい俺様だ」

「はぁ…いいお湯」
「ええ…そうですね」

「「「うわ～～～～～～～」」」

「お～～キュアラン～～～～」

「お、お尻われた」

「良い景色です」

「と、止まって～～～」

「「「「うわ～～～～～～」」」」
「K点越えです」

「テオは温泉はいらないの？」

「ああ。姫様にあいつらが近づかないよう俺はここで見張ってる。安心して温泉を楽しんでくれ」
「でも…」

「いいから、俺に任せてくれ」

「うんわかった。ありがとうテオ…どうかした？」

「あ、姫様がそ…」

「素直に可愛いって言えばいいリン」
「うるさいぞそれよりもなんでグリまるが女湯に…」

「グリまるは守護獣リン、女も男も関係ないんだリ～ン」

「ダメだ」

「なんでなのリン～～」

「理由なんかない。なんとなくだめなんだ」

「おおおぉぉぉぉお」

「この俺様ナレク様のありのままの姿だ！もう何も怖くないぞ！さぁこい！俺様の親衛隊！」

「光です！ナレク様！」

「風です！ナレク様！」

「なんて恰好を…紙吹雪です」

「これ以上目立ってどうするんだ…親衛隊から服借りるとかなんとかしろっての」
「そんな正論ナレクには通じないよ」

「リュゼ様が生まれたままのお姿で…なんと神々しい！まさに天使ありがたや」

「みなにセントフィリアのご加護がありますように」

「温かいお湯は落ち着きます」
「ほんとに…これで混浴だったら極楽なんだけど」

「おはなちゃ～ん、君も入浴中かな？」
「う、うん！」

「隣り合わせなんだね～まるでお花ちゃんと混浴してる気分だよ」
「お、おまえ…そういうことを言うな」

（おや？こんなところに穴が…）

「隣が見えちゃいそうだ」
「！」

「待たれよ！」

「女湯を覗くなど一国の王子としてあるまじき行為…」
「俺様がそんなことするわけないだろ！ってリオット、なんでここに…」

「第一騎士団団長としてナレク様の護衛を任されたのです。湯加減を、ではなく
危険が無いか確かめるのも我が任務…温泉に入りたかったわけではありません」

「断じて温泉に入りたかったわけではありません」

「何故同じことを二度いう…」
「入りたかったんだねぇ…」

「それでは私はこれで」

「何故同じことを二度いう…」
「入りたかったんだねぇ…」