前回のあらすじ
内容をカンタンに説明すると…
- 準備期間を経て神殿入りしたマイン。特別待遇に加え、青色巫女見習いになった平民の彼女に向けられたのは、周囲の厳しい視線だった。
- 神官長と誓いの儀式を終えたマインに、そば仕えの3人が紹介される。神官長に心酔する男性・フラン。スパイ宣言をする少女・デリア。横暴な言動が目立つ少年・ギル。個性的なそば仕えと外界・前世とも違う神殿内の常識にさっそく洗礼を受けるマインなのであった。
- 商人の常識を身に着けようと頑張るルッツ。そんな姿を見てマインは自分の努力が足りないことに気付かされる。寄付金を持って神官長との話し合いに臨むベンノ。主らしく、貴族らしく振舞おうと心を入れ替えたマインは、そば仕えのフランと距離を縮めていく。
【本好きの下剋上 第二部 16話 アニメ感想】青い衣と異なる常識
埋まらない溝
「知っての通り、青色神官は全て貴族出身だ。平民である君が青い衣を身につけることに良い感情を持っているものは基本的にいない。君の指導役は私が引き受けることになった」
「神官長は不快ではないのですか?私がその…」
「私は優秀な人間は評価する。今は青色神官が減ったことで私に業務が集中している。書類仕事が得意な君が手伝ってくれると分かっているのに疎むわけがないであろう」
(門でのお手伝いのことまで調べられてる!?)
神官長の目がギラつきます。経験者案&即戦力大歓迎!ってやつかな(;´∀`)
「精いっぱい頑張ります…」
マインに課せられるのはフェルディナンド神官長の補佐としての書類仕事、御祈りと魔力の奉納など。
(こうやって魔力を放出して奉納するのか)
「ふむ。小魔石7つぶんか。体に負担は?」
「なんだかスッキリして体が軽くなった感じです」
「そうか。負担にならない程度で奉納するように」
奉納用の盾に手をかざし、マインの魔力を注いでいきます。比較的ラクな仕事。
「最後の仕事は聖典を読んで内容を覚えることだ」
「やります!!すぐに図書室に行って――」
「その前に寄付金の話をしたい。帳簿を」
(寄付金の話が分かってるのは大事だけど図書室に行きたいよ~~~!)
ようやく寄付金の話が終わり図書室へ向かいますが…。
ギル「なんだよその目、俺たちと大して変わんねーのに青の衣なんてきて偉そうにしやがって!俺はお前を主なんて思わないからな!」
デリア「青の衣を着ててもあんたなんか怖くないわよ。私には神殿長がついてるもの」
マイン「お互い様だね。私もあなたたちの事、そば仕えとは思わないから」
フラン「マイン様、神官長に報告しますよ」
マイン「どうぞ。それがフランの仕事でしょうから。(こんなの信用しろって方が無理だよね!)」
みんなの気持ちはバラバラです。
(インクの匂い、古い紙の匂い、地上の楽園)
図書室に入ったマインは一転、天にも昇るような気持ちになります。
(一体いつぶりの読書だろう…!)
フランから聖典の写しを受け取り読み始めると、ページをめくる手が止まらない。
夢中で読みふけっているうちに時間が経ったようで。
「おい、昼食の時間だぞ!」
「私要らない…」
「はぁ?昼食だぞ!」
「勝手に食べてきていいよ。私、主じゃないし…」
「何言ってんだよ!神の恵みは主から与えられる――」
「邪魔しないで」
「!!」
読書の邪魔をされ怒るマイン。魔力が漏れてますよ!
一瞬怯むデリアとギル。フランはふたりを抱えて部屋を出ていきました。
「うん。静かになった」
マインさん怖いです!
マインがすべきこと
「ルッツ~もう疲れたよ」
「ちょっと顔色が悪いな。お疲れさん」
ルッツの安心感よ!!
「ベンノさんお店に居た?」
「ああ」
「じゃあ寄って行く。寄付金の相談したいんだ。……なんでついてくるの?」
そば仕え3人が後ろに控えていました。
「ついてこなくていいよ」
「けっ!だったら俺、1抜けた!常識しらずのせいで腹がペコペコだからな!」
「マイン様、どなたかとお会いになるときは…」
「デリアに伝言をお願いします。ベンノさんに都合が付けば寄付金を持って戻って来ます、と神官長に伝えてください。ちゃんと伝わらないと困るからお願いね」
「ふ~ん困るんだ」
「あれでは神官長に伝わるかどうか…。伝言なら私が行きますから」
「私はルッツが居るから大丈夫だよ」
マインがそういうと3人とも姿を消しました。
「いいのか?」
「フランは本当は神官長に仕えていたかったみたいだから」
「この馬鹿!お前が来ているのは青い巫女の服だ!普通、青色巫女は貴族で馬車を使う!なぜか分かるか?!金目当てで誘拐されるからだ!!」
「誘拐!?」
神殿からベンノのところまで歩いてきちゃいました(;´∀`)
何事も無くてよかったですね。
「分かったな!神殿以外でそれを着るな!!」
「は、はい!!」
という事ですぐ着替えて。
「寄付金は大金だし、私ひとりで運ぶのが怖いんです。だからベンノさんに神殿までついてきてほしいんです」
「そば仕えに運ばせればいいだろう…」
「そういえば姿が見えませんが?」
「あんなのに任せられません!」
「お前がそこまで言うところを見るとろくでもないのをつけられたってわけか。予測はしていたが。お前、相当嫌われているな」
「良いんです!私は本が読めれば!」
マインも意地になっていたのかもしれません。
「マルクさん良いですか?」
「ルッツ、どうしたんですか」
「この商品だけど…」
「あいつはいま、商人になろうと一生懸命努力している。分からないことは何でも質問して商人の常識を身に着けようとしているんだ。お前はどうだ?青色巫女見習いらしくなるために努力しているか」
「―――。私、文句しか言ってない…」
「これがお前の選んだ道だ。本が読みたいならそば仕えを使えるようになれ。貴族らしい振る舞いや言葉遣いができるようになれ」
「はい」
神殿の常識を否定するだけでなく、身に付けなければ。
「それで寄付金を持っていくのはいつの話だ」
「ベンノさんの都合が良ければ持ってくる、と」
「なっ?!この考えなしが!それは今すぐ持参しますと言っているに等しい!」
急いで準備することになりました。
主らしく!
ベンノと案内されたのはいつもとは違う神殿の正面入り口。
フランが出迎えてくれます。
「あっ、フラ…。(そうだ、貴族らしくしなきゃ…。)」
「ベンノ様、私の傍仕えのフランです。フラン、神官長に御目通りできるかしら?」
フランは少しだけ驚いた顔をして、ちゃんと対応してくれました。
マインの態度や言葉遣いが重要だったようです。
マイン「はぁっ、はぁっ」
ベンノ「…君、それではマイン様が倒れる」
フラン「申し訳ございません」
ベンノ「歩く速さに気を配ってもらいたい」
フラン「かしこまりました」
虚弱な主の歩調に合わせなければ。
(貴族らしくよじ登るなんて無理だよね…)
椅子がマインには高い。
(どうすればいいのかしらフラン?)
「!失礼いたしますマイン様」
アイコンタクトが上手くいった!フランはマインを持ち上げて座らせてくれました。
マイン(なんだかよく分からないけど戦いが始まろうとしているよ!負けないでベンノさん!)
祝福の儀を終えて神官長とベンノの話し合いが始まります。謎ゴングが鳴る!(笑)
神官長「神殿においてマインは魔力を暴走させる危険人物という認識がある」
ベンノ「魔力の暴走?そんなことが…」
目を逸らすマイン!
「君はマインを最初に引き立てた慧眼の持ち主であると報告を受けている。マインがどのような人物であるか率直に意見が聞きたい」
「新しい商品を生み出すと言う一点において、マイン様は天才でございます。しかし本人はその自覚が薄く、基本的にはおっとりした寛容な性格であると当店では認識されております」
(いつも考えなしとか警戒心が無いとか言われてるけど物は言いようだね。お?)
「寛容…だと?魔力を暴走させる危険人物が?」
神官長は疑っている(笑)
「自分にとって譲れない大切なもの。家族や友人、それから本。これらに手を出さない限りは寛容、というより無関心です」
「…なるほど」
マインが神殿で魔力を暴走させたのは両親に危険が及んだから。神官長は納得します。
「マイン様は驚くほど体力がございません。たぐいまれなる虚弱さでございます」
「体調管理する者が必要だと言っていたな」
「今のところ、当店の見習い以上に体調管理ができる者はおりません」
「ベンノさん~その調子~~っ!」
マインの脳内で神官長フルボッコにされてますけど(笑)
「ルッツと言う少年だな。フランはできそうか?」
「…いえ、私はまだ。申し訳ございません」
先ほども歩調を合わせられなかったり。
「いきなりは無理ですよ」
「!」
マインはフランを援護。
騎士団の招集、秋までに体調管理ができるようになることを約束します。
「マイン様は大変利発でございます。しかし社会経験は乏しく神殿の常識、ひいては貴族社会に疎くていらっしゃいます。ですから…」
「知っているその為にフランをつけてある。フランは私のそば仕えの中でも優秀だ。わからないことがあればフランに聞けばよい」
(もしかしてフランは神官長の意図が分からないまま私に付けられたのかな?)
彼の反応を見るにどうやらそのようです。
味方ができた
「ところでベンノ。君にとってマインが”水の女神”というのはどういう意味だ?君がどのような目でマインを見ているのか知っておきたい」
「どのような、と申されましても。私自身、周囲がなぜそのように言うのか理解できない有様でございます」
水の女神、とは一般的に重い美と、恋人、心を動かす者、の意味でつかわれるそうです。
「(ないないないない!絶対ない!(笑))そのようなことはありえません。親子ほど年が離れているんですよ?」
「マイン様もおっしゃる通り、あり得ません」
「親子くらいの歳の差ならばさほど珍しくもない」
そういう社会の仕組みなのかロリコンが多いのか()
「私の傍仕えも神殿長の愛人を目指しているので神殿では普通のようですが、下町では違うのです!」
「「………」」
「?」
神殿でも普通じゃなかったのでは…?変な空気になっちゃったよ(笑)
マルク「旦那さまの名誉のために断言致しますが、一般的な意味合いでつかわれる水の女神とは異なります。まるで奇跡のように次から次へと新しい事業を生み出すマイン様はギルベルタ紹介にとって変化をもたらす水の女神なのでございます」
神官長「なるほど、理解した」
マルク有能!
「では最後にマイン工房の利益の配分だが…」
ベンノの目がギラつく!
(神殿の取り分は1割に決まった。さすがベンノさん!)
と思った矢先、マインが倒れます。
「早く立ちなさい、みっともない」
「よくある事です」
「よくある?」
「先ほど申し上げあげた通り、虚弱ですから」
「なるほど……」
神官長の予想以上だったらしい。
「御前を騒がせたこと、幾重にもお詫び申し上げます。退出の挨拶を省略させて頂き帰途につきたく存じます」
ベンノに抱えられ、マインは退出します。
「マイン様を私に運ばせてください!」
「急いでいる」
「私がマイン様の傍仕えです!」
「フラン…」
「神官長のお心を推し量れずマイン様に不満をぶつけるような結果になったこと、お許しください」
「辛かったでしょう。神官長に見放された気がして。神官長はフランを手放したつもりなんてかけらもない人だよ。さっきだって当然のようにフランに命じていたでしょう?フランの主は私なのに」
「はい…」
「フラン。私、フランが恥ずかしくない主になれるよう努力します。協力してくれますか?」
「これからは何でも私にお尋ねくださいませ」
フランと心を通わせることが出来ました!
良い関係を築いていけそうですね。マインは理解ある主だしフランは良心の塊だし。
しかし問題はまだ山積みです。
「これからもこの調子であれの情報を頼むぞ」
「かしこまりました」
神殿長に内通するデリアと。
「ギルはそば仕えになったんだからそちらで食事をとればいいだろう」
「常識しらずの馬鹿の癖で何も食べれねーじゃねーか!くそ…腹減った…」
マインへの反感をより強くするギルでした。
フランは神官長への誤解もあってマインに不満をぶつけるような事をしてしまったんですね。それでも親切な方だったけど。神官長がちゃんと説明しておけばこんな事には()
恥ずかしくない主になれるよう努力する、というマインの言葉も嬉しかったのではないでしょうか。あんな言い方されたら「支えてあげたい!」って思っちゃいますよね。
お互いに歩み寄って初めて縮まる距離…。問題は欲望まみれのデリアとギルだな。ギルには餌付け作戦とか効果ありそう(適当)
神官長と交渉するベンノさんも格好良かった~!ルッツも頑張ってるし負けられませんね!