前回のあらすじ

内容をカンタンに説明すると…
- そば仕えとの関係が悪化するなかルッツの努力を目の当たりにし、ベンノの言葉で自分を客観的に見直したマインは、青色巫女見習いとしてふさわしい自分になれるよう努力することを誓う。
- 寄付金を持参したついでに交渉を始めるベンノと神官長。そのなかでマインの傍仕えの一人・フランは神官長に見捨てられたわけではなかったと気づく。さらにマインが青色巫女見習いらしく振る舞い、本来の優しい気性を見せることでフランの信頼を勝ち取るのだが…。
- いまだそば仕えのデリア、ギルとの関係は最悪だった。主がそば仕えに「与えるべきもの」を与えていないのに気づいたマインは、神殿内に自らの部屋を調達しギルに一つの仕事を任せてみる。
【本好きの下剋上 第二部 17話 アニメ感想】与えるべきもの
主がすべきこと
「ギル、デリア、静かにしてくれる?いまフランと話してるの」
「じゃあ私は邪魔ね。失礼」
「そば仕えってあんなのでも務まるのか?」
「デリアは例外でございます…」
マインと共に神殿へやって来たルッツは驚きます。
「例外」はギルも同じでした。
「まともなのはお前だけか」
「フランは新官庁お墨付きの優秀なそば仕えなの」
「ギルベルタ商会のルッツだ。マインの体調管理について話をしてくるよう言われてきた」
「よろしくお願いします」
「おいチビ!まだそいつの事を聞いてないぞ!」
無視されるギル。

「おい!!俺を無視するな!!」
「うわっ」
ギルが腕を引っ張ったことでマインが転倒しかけます。
ルッツが咄嗟に反応し、大事には至りませんでしたが。
「そば仕えが主に手を挙げるなんて最悪だ!!」
(下町ルールでは手を挙げたギルはやり返されて当然なのだ)
しかし神殿では暴力は厳禁です。
マインはルッツを静止します。
ギル「お前は与えるべきものを与えていないんだ!」
マインがすべきはそば仕えとして召し上げたものの生活を保障し、主が食べた残りを下げ渡しとして与える事でした。
「私は通いで部屋を持っていないから、分け与える物が無い……」
「ようやくわかったかよ!お前みたいな常識しらずの馬鹿のせいで俺は飢え死にそうなんだ!ふざけるな!」
働かざる者食うべからず、と言う意味においてギルは確かに間違っていました。
しかし彼の境遇はフランともデリアとも違う。かつての仲間と食事を共にすることもできません。
フラン「私は新官長の部屋から移動しておりませんし、おそらくデリアも神殿長の部屋にいるのかと」
マイン「ではギルは…」
ギル「そば仕えになれば腹いっぱい食える。そう思ったからお前のそば仕えになったんだ。もう少ない飯を孤児院で分け合って食べなくても良いってな!」
お腹空いてるからイライラしてるのでは!?(;´Д`)←

「神の恵みが無いならそば仕えなんて辞めてやる!!」
「辞めてくれるなら話が早い!」
ギルもルッツも正しくて間違ってて…(;´・ω・)
「私のせいだ…私が家族と離れたくなくて通いにしてほしいってお願いしたから。そのせいでギルにしわ寄せが行ってるんだとしたら…。その責任はちゃんととるよ。ギルがちゃんとご飯を食べられるように考える。だから少し、時間をくれない?」
「お前にそんなことできるのか?」
出来るかどうかじゃない、やるんだ!
正当な評価
マインはどうすればギルに神の恵みが与えられるか考えながら、書類仕事をするため神官長室にやって来ました。
「青の衣はどうした」
「下町であれを切ると誘拐されると言われたので。ですから神殿に到着してから着るつもりだったのです」
神官長の傍仕えがざわつきます。人前で着替えるのははしたない事。
これは勿論、マインの作戦です。
「着替えは自室で行いなさい」
「自室を頂けるんですか?」
「いや…。部屋を与えることまではできない」
「新官長、孤児院の院長室はいかがでしょう?あそこならば貴族区域から遠いですし、もともと青色巫女が使っていたので来客にも耐えうるかと」
提案したのは神官長の傍仕えです。が、少し意地悪な笑みを見せます。それに反応するフラン。
「…よかろう。マインに孤児院の院長室を与える。以後、着替えや来客への対応はそちらで行うように」
「おそれいります(これで衣食住の住は確保できたね~!)」
「院長室は長らく締め切ってあるので使うなら手入れが必要だ」
意地悪な笑みの理由はこれかな?
「では私が新官長の仕事を手伝う間にギルに掃除をしてもらいます」
礼拝堂の掃除もせず反省室に入れられたことがあるようですが。
「本気でギルに任せるつもりか」
「仕事を与えてみないと正当な評価は下せませんから。ギルは私の事を主とは思わないと言っていたけれど、ご飯があれば働いてくれるかしら?委員長室を掃除してくれたらお給料を払います。働かざる者食うべからず!お仕事をしない人にはご飯も服も与えられないけど真面目に頑張ればちゃんと準備します!」
「! 掃除をすれば、おきゅうりょう、ってのが貰えて、本当に腹いっぱい食えるんだな?」
「約束します」
「分かった、やる」
「楽しみにしているわ。ギル」
ギルはひとり院長室に向かいます。
部屋は広くて、立派な調度品がそろっていました。が、埃まみれでかなり掃除する必要がありそう。
「見てろよチビ!」
気合は十分だ!
「院長室はあちらになります」
書類仕事の手伝いを終えをマイン達がギルのもとへやって来ます。
「早くこっちにこいよ」
「わぁ……!」
「どうだ!」
ギルが最初に掃除したのは2階、マインの部屋でした(有能の片鱗
ぴかぴかになってる!
「すごく綺麗!」
「俺が掃除したんだから当たり前だ!」

「ありがとうギル!」
「・・・・・・」
ちょっとデレたぞ(歓喜)
口は悪いけどやればできる子だった。
「ギル、そこにしゃがんで」
「? こうか」
マインはギルに近寄って、その頭を優しく撫でます。

「よくできました。ギルは本当はとってもいい子なんだね」
こんな笑顔で頭なでなでされたら嬉しさ倍増ですわ!忠誠を誓いますわ!←
ギルは涙を流します。持つべきものは仕事を正当に評価してくれる主。ようやくできた理解者。
マイン(私がギルに与えるべきもの、それは感謝と褒め言葉だった)
デリアの恨み!マイン達は下町へ!
「忌々しい!わしに一言の相談もなく決めよって!神官長のくせに生意気な!」
怒り心頭のおじいちゃん(神殿長)
「デリア、あれが孤児院の院長室を与えられたこと、なぜワシに報告しなかった!ここに居ては重要な情報が分からないだろう!!」
「待ってください、神殿長、神殿長!」
デリアは神殿長の部屋を追い出されてしまいます。

「あの子のせいよ…!!」
お手本のような逆恨みですな(;´∀`)
「私たちの服まで用意して頂いたとは…」
「神殿の服で外を歩くなってベンノさんに言われたから。私が下町に行くときはその服でお願いね」
「はい」
「じゃあお昼を食べに行きましょう」
マインはルッツとフラン、そして仲良くなったギルと一緒に下町の店へ向かいます。
注文したのはクレープのような食べ物。
「神々の心に感謝と祈りをささげ――」
「食膳の祈りでございます」
「知らないな、聞いたことないぞ」
「私、それ覚えなきゃダメって事だよね…」
「今度お教えします」
「お願いね。じゃあ食べようー!」
「「………」」
「食べないの?」
「そば仕えは主が食べ終わったその残りを下げ渡しとしていただくのです」
「じゃあ命令!温かいうちに食べなさい!」
言われてかぶりつくギル。
対する負担は素手で食べることを躊躇しますが、マインに言われるがまま。
「どう?」
「おいしいです!」
「俺は腹いっぱいになれば何でもいいや!」
「神の恵みってそんなに少ないの?」
「青色神官が減って、神の恵みも減ったのに孤児院に戻って来た灰色神官の数は増えたからな~」
争奪戦になってそう。
「今日はお腹いっぱい食べてねギル」
「やった!神に祈りを~~!」
グリコ!
マイン「ちょ、ここで御祈りは止めてギル!御祈りは神殿でやるの!」
ギル「…悪かったな。お前に常識しらずって言って。下町では俺の方が常識しらずだった…」
なんだ素直じゃないか…。

「常識しらずはお互い様だ。おかしいと思う事があったらすぐマインに教えてやってくれ。俺はおまえが変なことをしないよう気を付けるから。な!ギル」
「あぁルッツ」
友情も芽生えた!
こうしてみるとルッツは同年代の子たちより大人びて見えますね。しっかりしてるわ。
そば仕えとして
マイン「自室として賜った部屋にオーブンがありました」
ベンノ「でかしたマイン!御貴族様が実際に使っていた厨房ならお前が言っていたイタリアンレストランの参考になる!」
料理人はもう手配済みらしい。
作った料理は神の恵みにもなり一石二鳥。
という事で後日、料理人の二人とベンノを神殿に招きました。マインのレシピに料理人は驚きながらも見事なスープとピザを完成させます。
(この世界では二度と食べられないと思っていたピザ!!)
ピザ美味しいよねピザ!
「神々の御心に感謝と祈りをささげ――」
「頂きます」
食事前の御祈りも覚えたマインです。
「!!!」
「お口に合いまして?」
「想像以上の味…!驚きました!」
フワフワのパンが食べたくて自家製酵母まで作っておいたマイン。食へのあくなき執念!
「何もかもあんたのせいよ!おかげで神殿長に能無し扱いされたじゃない!あんたのせいで神殿長の部屋を追い出されたのよ!どうしてくれるの」
「…」
デリアが怒鳴り込んできます。

「部屋を追い出されたという事は、神殿長に切り捨てられたのかしら?」
「ま、まだ切り捨てられてないもん!私みたいなかわいい子、切ったりしないわよ」
デリアがマインに付けられたのは、同じ年頃の少女で、仲良くなり情報を引き出しやすい、という思惑があったからです。
しかし実際には、デリアは敵意をむき出しにし、マインに警戒されている。神殿長にとっては期待外れでした
「でも巫女見習いに女の傍仕えが居ないなんてありえないもの!そうよね?」
「今までデリアが居なくても全く問題はありませんでした」
フランはガツンと言う(笑)
「やる気がない奴は即刻切り捨てろマイン」
「どうするのが良いのかな……」
「私を追い出すの!?」
取り乱すデリアにマインは困惑しますが。
「ウソ泣きしても無駄だ!」
「ウソ泣きじゃないわよ!」
ギルは見抜いていた(笑)
「はたらかざる者食うべからず!ここでは仕事しない奴に部屋もないしご飯も食べちゃダメなんだ!なっ、マイン様!」
少し前まで言われる立場だったギルがそう言うと、なんだかおかしい。
ちゃんと様付けしてくれるのね(笑)
「えぇ、ギルの言う通りよ。ここでは仕事もしないそば仕えに私が与えるものは何もないの」
「分かったわ。仕事をすればいいのね。お客様の不興を買わないためにも華は必要でしょう?」
デリアはベンノの膝の上に座ります。あざといなぁ…(;´∀`)
ベンノ「俺に華は要らない」
デリア「うそでしょ!?」
マイン(そうか…。客に甘えて笑顔を振りまくことがデリアの仕事だったんだ)
彼女も生きていくために必死に身に着けたことなんだろうな…。そうさせたのは周りの大人たちですよ(´・ω・`)
「私だって掃除と洗濯ぐらいできるわ…!部屋だってちゃんと整えられる!これからはきちんと仕事する!だからっ」

「孤児院に戻るのだけは嫌…!私のこと要らないって言わないで………」
今度の涙は本物です。
かつて言われたであろうその言葉が、デリアのトラウマになっているようでした。
「デリア」
「!」
「ここに居ていいよ。そば仕えとして私の身の回りの世話をしてくれるんでしょう?」
「マイン、様」
器が大きくて優しいマイン。
デリアが本当に欲しかったのは、地位でも名誉でもない。心安らぐ居場所だったのかもしれません。
それからデリアはマインの傍仕えとして働く様になりました。
口は相変わらずだけどそれもご愛敬かな(;´∀`)
もっと距離が縮まると良いですね。
「ムシャムシャムシャ」
所変わって人目のない倉庫。
ピザを貪る咀嚼音が…。怖いよ!誰なんですか!

そば仕え全員攻略キタ━(゚∀゚)━!デレギル可愛すぎか!孤児院には子供が沢山いるし、身分的にも灰色神官の仕事いちいち褒めてくれる人が居なかったんだろうな。
何より「お腹いっぱい食べたい」という欲が強い(笑)
本来の力を発揮できる環境に置かれて本当に良かったですね。
デリアも心から神殿長を慕っているわけでは無く、彼が持つ権力の庇護下に入ろうとしているようでした。それ以外に自分を守る物、安心できる場所が無かったんだろうなと思うと悲しい。
これからはマインやそば仕えの仲間と本当の居場所を作っていけたらいいですね。
マインも素敵な主になってきて、ますます彼女のことが好きになりました。ルッツやフランのアシストもナイスだった!
目下の不穏要素はピザを貪る謎の人物かな。不気味だ(;´∀`)