「今日こそ決着をつけてあげますよ。いい加減降参なさい」

「計器類がことごとくいかれちまってる」

「なんだそりゃまるで霧みたいだな」
「霧を掴むような話ってか？」

『この辺の霧はいわくつきでな。飲まれちまえば最後二度と出られねぇらしい。
そして船は霧の中を彷徨うそうだ。幽霊船になってな』

「まさかほんとにゾンビってやつがいるとはな」
「なってみてわかったんだがゾンビもそう悪いもんじゃない」

「そろそろ慣れよう目の前の現実に。
皆さんはいつからこんな状態なんですか？」

「そうさなぁかれこれ100年前になるか、丁度流行病が村を襲ってこのまま全滅するんじゃないかと思った時だった。霧が島中を覆って幽霊船が現れたんだ。
「それ以来この島では死ぬってことがなくなってね。
島の外から誰かが来てくれるなんて久しぶりよ～それも立て続けに」

「おたからは自分で見つけるから良いの。君たちに頼みたいのは星晶獣の方。
この島どういうわけだか出ることができないんだよねぇ…何度チャレンジしても島に戻ってきちゃって」

「そういえばラカムも言ってた。計器類がおかしいって」

「100年前に現れた幽霊船がどうもそれなんじゃないかって思ってさ。君たちもゾンビになって一生をすごしたくないでしょ？
それにゾンビだって安心安全ってわけじゃないよ。
幽霊船はゾンビを食べるって話だし」

「そうなのよ、時々思い出したように村に現れてパクパクっと」

「ルリアのためにも私が四六時中張り付いているよりいいだろうと思ってな。
それに以前満足に操縦できずに小型艇を壊してしまっただろ。
この先騎空士として旅を続けるためには騎空艇の操舵や補修は必須だろ？
少しでも覚えておきたいんだ」

「お医者さん？」
「どうやらこの村に現れる星晶獣の研究もしていたらしくてさ。調べに行く価値あるかもしれない」

「あの…あそこにいる女の子に話を聞いてみませんか？」

「私は…わからないんだ。名前も自分が何者なのかも。」
「それならさ、名前がないっていうのも不便だしここは一つ仮にフェリちゃんなんてどう？」

「それでいい、なんだか妙に懐かしい」

「じゃ、フェリは100年前に？」
「ああ、霧の中で目が覚めたら何もわからなくなっていた。ただ何か大事なことを忘れているという感覚だけはあるんだ。
それがひどくもどかしくて。
村にも行ったが誰も私のことは見えないようだった。
そのうちここを見つけたんだ」

「どうやらここの主人は不老不死の研究のために病を治療し得られた知識を生かしていたようだから。」

「不老不死？星晶獣じゃないのか？」

「どちらも間違いではないな。
セレスト。不死をもたらすと言われている星晶獣だ。セレストは以前、このあたりの空域を回遊していたらしい
この屋敷の主だった医者の日記だ。どうやらこの島に来てセレストを呼び出しその力を自分のものにしようと考え
そのための儀式を行おうとしたらしい。
だがそれには生贄を捧げる必要があったと書かれている。

医者は村の住人から一組の親子を選び、流行病を治すためだと吹き込んで協力させた」

グラン「セレストの謎を解明してこの島を開放しよう」

ルリア「星晶獣の気配」
オルキス「向かってきている、ここに」