「待て！茂夫！自分を保て！俺様の目を見るんだ！俺様にはわかる！これは本物の肉体じゃない！ダミー人形だ！おそらく超能力者は偽装工作したんだ！」

「エクボ…ありがとう。止めてくれて。

今すぐ三人を奪い返すんだ。犯人は絶対許さない。どこまで逃げようが絶対に！」

「その顔…お前は我々のターゲットじゃないか」

「家族をどこへやった」

「喧嘩だ！オッサンと中坊が！」

「何か勘違いしているが…俺達はこれからお前達の家を襲う予定だった…」

「おいクソガキ！困ってるか？」

「これから行く所に僕の家族がいるんだね？」

「お前の仲間や師匠が待機している！」

「モブ。無事か？」

「エクボ。ちょっといいか？ダミー人形ってのは咄嗟の嘘なのか？」

「まったく根拠がないわけじゃないが…」

「モブ。お前の家族は…俺も無事だと思うぞ。
奴等はまだ向かう途中だったんだろ？事情を知る何者かが事前に救出したってことだ。火を着けて偽装工作し襲撃対象から逸らしたんだ。
よかったな」

「安心するなり爆睡したぞ」

「この集まりはどういう風の吹き回しだ？こいつら爪だろ？」
「私達第七支部のメンバーは組織を抜けたのさ。中学生のグループに壊滅させられて自分達の愚かさに気付いたんだ」

「今は新しい人生をスタートしようとしているところです。霊幻先生に倣って超能力を社会のために使う道を探しています」

「テレビやマスコミを翻弄する霊幻先生を見て天才だと思った。物事を大局的に見極め動かすことができる男だ」

「事務所が破壊された。たまたま現場を離れていたのが不幸中の幸いだったな」

「ボスは強力な超能力者をスカウトするために世界を回っていたんだが、ついに必要な戦士が揃ったと言ったんだ！」

「諸君。この記念すべき日によく集まってくれた。私が爪総代表の鈴木統一郎だ」

「いきなり本題に入るがこれから世界に向け宣戦布告をする。この２０年で資金・兵力共に十分なものが備わった。革命の初めは破壊だ。人々の築いた価値観の全てを破壊する。無能力者達に我々の存在を教えてやるのだ！」

「我々は超能力結社・爪である。今超能力で電波を支配している。これは我々の力のほんの一部に過ぎない。我々の力はあらゆる兵器にも勝る。下手な抵抗はしない方がいいと忠告しておく
我々は超能力で世界を征服し全ての無能力者を支配下に置くつもりだ。
その第一手としてまずはこの国を解体する！新しい世界が始まるのだ。楽しみにしているがいい」

「親父は俺がブッ倒す！律もいいな！？」

「僕の家族の安全は？」

「お前の両親については離れた所から護衛の監視をつけてる。
お前が親孝行するためこっそり応募した温泉宿泊券が当選した、って嘘を信じ込んでる」

「それより兄さんは？電話に出ないままだぞ」

「僕らが家を去った後何かしたのか！？もし兄さんを怒らせるようなことがあったらお前…どうなっても知らないぞ」

「ボスから伝えられた作戦を発表する。日本には武器を所有する警察官や自衛官が合わせて約６０万人いる。
それに対し我々の戦闘員は約６００人ほどだ。国内戦においては一人につき１０００人を相手にすれば済む。容易いことだろう」

「あんなものが作戦と言えるか？」

「やっぱ駄目だなここの連中」

ヨシフ「テロ決行前に内部崩壊を起こして爪は終了だ」

統一郎「支部長を失ったところで内部崩壊など有り得ない。爪の主力は５超と名付けた。私と５超がいる限り爪は無敵だ」

《テレビ、見てなかった》

「初めまして総理。私夕べ世界征服を宣言した爪の一員です。本日は総理を誘拐しに参りました」

「私はね。視力はないけど人の動きを先読みできるんです。でも当たったとしても問題ない。
総理。私のもう一つの特別な力を教えてあげましょう。それはね…テレポートです」

「なぜ誘拐など…私を使って何をしようと…」
「単純に人質ですよ」

「誰です？あなた」
「報道見て飛んで来たらたまたま公園に気配を見つけた。
人生が思い通りに運ぶと思っているなら僕に負けて勉強するといいよ」

「面白い事言いますね。挑戦してみるといいですよ」