「夏休みだー！」

「花、水着それしかなかったのか？」
「うん。興味ないし」

「はぁ…プールに行くって言うから楽しみにしてたのに…新しい水着も買ってもらったのに～」
「みゃー姉がプールとか行けないからな！夏休みのプールはいつもこれだ！」

「そういえばみゃーさん。私の水着見て言うことないの？」
「うん。すごく似合っててかわいいね」

（でも花ちゃんの水着の方がかわいいって言うんでしょ。私知ってる）

「…あれ？みゃーさん今日は花ちゃんに食いつかないね？水着なのに」

「あ～…うん。スク水はあんまり好きじゃなかったんだよね～…」

「それじゃあ今日は私が一番かわいい？」

（花ちゃんが一番、って言うと乃愛ちゃんまた拗ねそうだし…）

「そうだね。乃愛ちゃんが一番かも」

「しゃ…写真いい？」
「プールですし焼きそばとかき氷でいいですよ」

「夏休みの宿題の工作？課題は好きなものね～…
一応聞くけどその粘土の生首は何？」

「みゃー姉！落して机の角に当たってへこんだけど」

「みゃーさんクラスで人気あるからこれウケると思うよ。ねー花ちゃん！」

「クラスの尊敬してる人ランキング１位だった」

「なんで…？」

「ひなたがずっとお姉さん自慢してたらいつの間にか…おいしいおやつを作ってくれるおしとやかで優しい美人のお姉さんってことになってる」

「いつかその子達に会った時ボロカスに言われるの想像しただけでもう泣きそう…」

「ほら見ろみゃー姉！乃愛なんて自分の生首作ってるぞ！」

「とにかく実物大とか生々しすぎるから駄目。乃愛ちゃんみたいなやつなら別に私で作ってもいいけどね」

「よし乃愛！生首の作り方教えて！」

「いいけど…生首って言うのやめて？」

「宿題はできた？ちゃんと体外した？」
「うん！宿題もできた！外した！」

「大きい方の私の顔はどうしたの？」

「みゃー姉祭りだ！行こうぜ！」

「お祭りって…そんなの私が行くわけないじゃない。人ごみ苦手なの知ってるでしょ？」

「でもみゃーさんは絶対お祭り行きたくなるよ！だって花ちゃんも浴衣を着てくるから！」

（あ～…人多い。やっぱりお祭りは苦手だ…でも…今はそんな事気にしてられる状況じゃないよね！なんとしても花ちゃんのあの姿をカメラに収めねば！）

「すいません。ちょっとお話よろしいですか？」

「撮りましたよね子供？盗撮してたんですか？」

「ち…違…」

「一緒に来ていただけますか？お話は署で聞きますので」

「いや…あ…」

「ありがと～みんな～！ほんとに助かったよ～！」

「お外怖い…」

「お姉さん…あの…私の写真撮ったんですよね？それってつまり…お姉さんは私に…お菓子を食べさせてくれるってことですか？」

「ああ…うん。買ってあげるよ。たんとお食べ」

（いいんだ…みんなが笑顔ならそれで…）

「ひなたちゃんのお姉さんってほんとにすごいね。悪者を捕まえちゃうなんて」
「すごいよね～」
「美人で～頭もよくて～」
「それにすごく強いんだね～。格闘技とかやってるのかな～？」