《明るく誰にでも優しい、見習いピリオドの少年ハル。しかし！》

「どいういう事ですかイオナさん！？これだけ回しても☆1ばっかりなんてありえないでしょう？！」

《豹変し、女性に声を荒げるハル！》

《真面目で穏やかだった彼に一体何が起こったのか！？彼はどうなってしまうのか！！》

「うにゅ。これが沼」

「え？！僕がコールした子達みんな居なくなっちゃったんですか！？」

「仕方が無かったんです。ハルくんのゼルが無くなった今、あの子達を養う余裕はうちの支部にはありませんし」
「そんな…」

「最初のモンクたち、よく働いてくれたけどね。みんな出て行くのに自分たちだけ残るわけにも行かない、って」

「うにゅ。この屋上も今日で引き払う」

「仕方ねぇ！またあの部屋みんなで使うしかねーな！」

「うん…。ごめん、みんな」

「だから言ったではないか」

「沼だ、と」

「最後に一言、ハルにお礼が言いたかったな」

「うん。ボクらを呼び出してくれてありがとう、ってね…」

「また…会えるかな？」
「会えるさ。いつか、きっと！」

「いや～助かっちゃった！ここのところ何も食べてなかったんだ～。本当にありがとう！」
「良かったですよ。病気とかじゃなくて、お腹が空いてただけで」
「最近不景気でコールの依頼が全然なくて…」

「ほら、少し前にすっごいおゼル持ちの2人、ぱーっとゼルをばら撒いてあっと言う間に消えたでしょう？あれで経済がめちゃくちゃになってあっちこっちしわ寄せが来てるみたいなの」

「そ、そうでしたか…」
「うにゅ。いろいろ罪深い」

「あ、そうだこれ」

「いつかのコールで借りた分です。遅くなっちゃいましたけど」

「あー、いいのいいの！ちゃんと返してくれるだけでありがたいんだから。待ってね、今お釣りを～」

「ああいいですって！待たせたお詫びに全部取っといて下さい！」
「そうはいかないよ～」

「これは…？」
「うにゅ。綺麗だけど変な石」
「これはルナストーン。コールをする時のエネルギーになる石なんだ！25個で一回分！とっても貴重な品だから普通はゼルじゃなく円で取引されるんだよ」

「へー、初めて知りました！」
「緊急の時は直接ゼルでも売ってあげるけど、結構手数料貰うからね」

「えーっと、この額だと40個+まとめ買いで20個のおまけが付くね。で、一回分の貸しを回収して…」

「はい！35個のお返しー！」

「これでまた一回コールできるんですか？」
「そゆこと！もしお財布に余裕があるならもっともっとコールしてね！」

「一度にたくさん買ってくれるほどおまけのルナストーンも増えるから！」

「そんなわけでご馳走さま！次のコールではきっと強いキャラが出ると思うよ！」
「はい。僕もそう願ってます！」
「じゃあまたねー！ばいば～い！」

「このまま☆1だけ連れて帰れって言うんですか！？ありえないでしょ普通！！今辞めたら何も残らないですもんね…次は絶対出ますよね？出ますよね！？」

「保証してくださいよイオナさん！」

「保証はできないけど確率はいつか収束するはずだよ！」

「ですよね！？そうですよね！！」

「ここでやめちゃダメですよね…！」

「ルナストーンお願いしますッッ！」

「お、おい、もうやめたほうがいいんじゃねーか？」
「そうだよ！ツイてない時は諦めて引くのも手だよ！」
「んーんー！」
「次は凄いのが出るかもしれないでしょッッ！！！！」

「これはボクとコールの問題です…部外者は口出ししないで下さい！！」

「いや部外者って…」
「私ら戦ってる相手なんだけど…」

「あの子平気…？」
「うにゅ。ああなったら戻れない」
「うん」

「沼は戻れないから沼、なの」

「僕だってコールはできる！イオナさ～ん！」
「はいは～い！」

「呼ばれて飛び出てイオナちゃん登場っ！」

「ありがとうハルくん！コールしてくれる気になったんだね！」
「はい！言われた通りルナストーンも用意してきました！」

「おお！随分まとめ買いしたね！助かっちゃうよ～」

「ええ！これも人助けですから！」

「ハルハル何回コールする気！？」
「あれだけコールすれば絶対強いキャラが出てきちゃうグル！」
「んーんー！！」

「では気持ちよく10連コールでお願いします！イオナさーん！！」

「それじゃあコールするよ～！」

「いっけぇぇぇぇ～～！」

「どーんと派手にかますよ～！」

「あはははは！！！」
「おいおいなんだそれは！？」
「信じられないグル！10連で全部☆1だって！！」

「ど、どうなってるんですかイオナさん…！また☆1ばかりですよ！？」
「うん、変だね」

「でも確率だから。偏ることもあるから！」

「でもルナストーン使ってるんですよ！？そもそも☆1は出ないはずじゃ！？大体10連なら一体は☆4以上確定でしょ！！」
「そこは現実だから」

「ゲームみたいに設定があるわけじゃないよー」