「詳しくは後で捕虜に聞くとしよう。いずれにせよ魔法騎士団に求められることはひとつ。クローバー王国の平和だ。そのために我々は全てをかけて戦い続けよう」

「はい！」
「私は先に失礼する」

「ノゼル兄様！」

（なんだあいつ…。今は一致団結の流れだろうが！空気を読め空気を～！）

「敵は眠れる獅子ならぬ眠れる鷹を起こしてしまったかな…？」

（情けない。なんたる体たらく！）

（次はないぞノゼル）

（そしてフエゴレオン。貴様をあのようにした輩はこの私が必ず葬る！）

「あれは…」

「お～い！」

「アスタ達ではないか」
「アスタさん！！」

「怪我はもう大丈夫なのか？って前も同じこと聞いたな」
「大丈夫でーす！って前にも答えました！」

「ユノ！お前しれっと敵を倒したらしいじゃねぇかバカ野郎！」

「バカ野郎…？」

「はっ！給食の王子！！」

「おいユノ！てめぇちゃんと挨拶しろこの野郎！」
「え！王子と知り合い！？」

「一人倒したくらいで調子に乗るなよ！挨拶はこの世の全ての基本だぞ！」

「ユノさん？」

「？」

ゴォッ！！！

「なぁっ！？？」

「ふんぬぅぅぅぅ！！！！」

「あれ？やりすぎた…」
「お前いきなり何やってんだユノ――！！」

「馬鹿かあいつは！！俺たちを殺す気なのか！？」

「誰がチビスタだてめぇこのやろう！！」

「今スグ勝負だコルァ！魔法で文字見せるためにわざわざあんなん撃ってくるんじゃねぇ！！」

「って無視して帰んな――！！」

「ゲオルクとキャサリンを助けられなかった」

「あの2人も我は強いですがあなた様を崇拝しております。我々の情報を吐いたりはしないでしょう」
「そういう心配をしているんじゃない」

「生きてさえ居てくれれば必ず救い出す」

「交わしたと思ったが…あの時かすかに攻撃を受けていたようだ」

「時間の流れを早める魔法。それも急激に。魔法帝…やはりとてつもない力だ」

「だがもっと力を蓄え必ず倒す」

「クローバー王国への復讐を成し遂げ、我々だけの新しい国を作るために――…」

「あ、そうだマグナ先輩！」
「なんだ？」

「俺、王都でのいざこざでの活躍が認められて臨時の先行叙勲で3等下級魔法騎士になりました！」
「ええええええええ！！？」

「って、3等下級魔法騎士ってなんだ？」
「さぁ？」

「えええええ！」

「お前らそんなことも知らずに騎士団員やってたのか？魔法騎士の階級だ。ちなみにお前らは入団から何も変わってないから5等下級魔法士のままな。アスタに敬語使えよ」

「ええええええええ！！！」

「ちなみにチャーミーは1等魔法騎士になったぞ」
「跪け各下ども～」

「ええええええええええ！」

「このチャーミー様の背中にしっかり付いてこいよ各下～！」

「賊を捕らえたのが評価に繋がったようだな。リンチしようとしただけみてぇだが」

おらおらおらおらおらぁぁ！！！

「われをたてまつれ～！」
テンテテンテテンテテンテ♫
「なんだこの変な踊りはっ！！」
「異常な憤りを感じるねー！」

「あいつがそう簡単にくたばるわけがない！」

「全くアスタめ！帰ってきたらぶん殴ってやる！」

「！この魔力は…」

「やぁみんな、ご苦労様」
「ま、魔法帝！」

「アスタ！？」
「や、やぁ皆さん、お揃いで」

「あれ敵っすか？」

「いや～本当終わったと思ったね」

「フンッ！無茶ばっかりしてるからよ！少しは懲りた！？」
（良かった～～！）

「アスタァァァァ！！無事だったのかアスタァ！」
ドドドドド

「よくぞ！よくぞ戻ってきたな！死んだものだとばかりっ…」

「本当によかった！くぅっ！」
「お、おう。ご心配ありがとうございます」
（ぶん殴るんじゃなかったの？）