「――いやおかしいよね？なんでこうなってんだ！？」

「ちょっと！なんで俺だけ一人で屋根の上で寝なきゃなんねーんだよ…」

「起きろぉぉぉぉぉぉぉぉ！！！」

「起きろ起きろ起きろ起きろぉ！あーっ！起きろぉ！！！」

「どどどどうしたんだブラザー！？」
「一松兄さん！？性癖変わっちゃった？」

「いいかお前らぁ、一個だけ確認させろ。俺たちは一人っ子なのか？あぁ！？」
「は？どういうこと？」
「数えろぉ！俺たちは一人っ子なのか！？」
「ちがう、一人っ子じゃない」
「違うなぁ！じゃあ双子か？三つ子かぁ！？」
「六つ子だよ」
「六つ子だぁぁ！！六つ子なんだよ俺たちはよぉぉ！！」
「えっ…頭おかしくなっちゃったのかな？」

「いいか！？つまりこんな狭い部屋に6人の野郎共がくっせぇチンﾋﾟｰ6本もぶら下げて住んでやがんだ！その6人がちょうど同じタイミングで眠くなるなんて奇跡あると思うか？あるわけないよね、誰かが眠いとき誰かはあんま眠くない。そんな状況が生まれて当然だよね？でもある程度の時間が来たら電気は消すんだよ！あんま眠くないと思ってる奴も寝ようと努力するんだよ！そうやって譲り合って生きていくしかねーんだよなぜなら俺たちは6人も居るからにゃぁ――――っ！！！」

「宣誓ぇー、11月28日午前3時16分、松野一松はここに兄弟であろうともっと気を遣って行こうキャンペーンを発動します。なので今後は兄弟であろうともっと気を遣って生きていきましょうにゃぁーっ！！！！」

「静かにするって約束したよね！？」
「しょうがないでしょ、こっちはまだ眠くないんだから」
「はぁ、ほんとマイペースだよなお前って」
「マイペースままままマイペース俺が！？？」

「夜中の2時を過ぎトイレを済まし歯磨きを済ま既に布団に入っているこの状況で電気を消して欲しいという主張がマイペース！？どこなんだこの家は何なんだ外国か！外国なの！？」

「うるさいなぁ…なんか揉めてんの？」

「おーおーおー！何でもないよ十四松！寝よう寝よう！ごめんー」
「…んお？どうしたんだブラザー」

「おぉノープロブレムだブラザー！グッナイバイバイフォーエバー！」

「危ねぇ！3対3の構図が5対1になるとこだよ」

「てやんでい！このまま替えられたんじゃウチのメンツは丸潰れだバーロー！あんた、この難攻不落のゲームに挑戦する勇気はあるかい？」
「ぬいぐるみキャッチャー？」

「ばーか！んなの僕たちの父ちゃんにかかればちょちょいのちょいだよ!」
「いや待って！このぬいぐるみキャッチャー只者じゃないよ！ほら」

「ぬいぐるみが絶対クレーンの届かない位置に置いてある！」
「うわ！これはやべーよ父ちゃん！」
「けけけ」
「しょー」

「しかもクレーンに爪がついてない！」
「なにぃ！？」
「けっけっけ」
「しょー」

「てゆーか操作ボタンが取り外されてる！」
「そもそもお金を入れるところがない！ゲームを始めることすらままならない！」
「けっけっけっけっけ」
「しょー」
「だ、だめだ…いくら僕たちの父ちゃんでもこんなゲームはさすがに…」

「最終奥義・異闇の構え！！」
「！！！」

「ゲームをやろうとする中は、ゲームで遊んでいるうちはそれはつまりチミがゲームに遊ばれているという証拠ざんす！転じてゲームとはミー！ミーとはゲーム！否！このミーこそがゲームセンターそのもの！ざんす！！」

「……出たい」
「取られたい」
「出して、出して」

「ねぇ見て！ぬいぐるみたちが！！」
「ありがとう」
「ありがとう」
「ありがとう」
「ありがとう」

「自らどんどん出ていく！無血開城だぁ！！」
「ありがとう」
「ありがとう」
「ありがとう」
「ありがとう…」

「うひょひょひょひょひょひょひょ～～！！」

「うひょ～！まだざんすぅ！しぇー！また取れたぁ！ありがとー！ありがとー！」

「か、帰ってくれよぉ…！」
「ありがとー！ありがとー！」

「帰ってくれよぉ！」

「ちょっと待って」
「ん？」

「なんで醤油を自分の前に戻すの？ほかの人も使うよね？そのことを考えたら元の位置に戻すべきだよね？」

「えっ！？あっ…」

「だからなんで自分の前に戻すかなぁ！？次チョロ松が使うんだろ！？」

「あっ、はい…」

「おかしいよね、二人で金出して半分こっつってんのにコレ3分の2くらいいっちゃってるよね？半分とは言わないよねコレねぇ？」

「っ！！」

「なにツナペロ金色ばっかり食べてんだよ！銀色と一対一の比率で食べていかないと誰が連続して銀色食べることになるだろ！？」

「っ！！」

「だからなんでバニラ味ばっかり食べんの？バニラ一個食ったら次はココア行けよバランス！！」

「おかしいよね、借りたものは大事に扱うべきだよね？」

「おかしいよね、これもう弁償すべきだよね？」

「いやアウトだよね許せないよね」

「アウト」

「はいアウト」

「殺すぞテメーは」

「だからふざけんなって。おいダメだよクソ長男。やめろ、いや迷惑だって。それもダメ、それもダメ！ストップ!はいアウト！アウト！だからそれもダメだっつってんだろ！！」
「ちょっと待ってぇぇ！！」

「待って！なんか俺ばっかりすごい捕まるんだけど！こいつ完全に俺の事を目の敵にしてる！おかしくない？！」
｢｢｢｢…………｣｣｣｣
「もうみんな正直に言おうぜ！こんな監視されてちゃ逆に生きにくいって！生活が楽しくないって！」
｢｢｢｢…………………｣｣｣｣
「多数決だ！行くぞ！兄弟であろうともっと気を使っていこうキャンペーンとかいうふざけたキャンペーン反対の人ー！！」

「あれぇ！？？」

「キャンペーン続行希望する人ー？」
｢｢｢｢｢はーい｣｣｣｣」
「えぇ！意外！！！」
「なんで意外なんだよ」

「だめだ、猫でも数えよう」

（猫が1匹、猫が2匹、猫が3匹、猫が4匹、猫が5匹、猫が6匹、猫が7匹）

（熟女が8匹…）

「熟女が8匹！？？？」

「なーんか熟女ってエロいんだよな～」
「まぁ熟女はねー」
「確かにね～」

（猫が1匹、猫が2匹、猫が3匹、猫が4匹）

（照英が5匹…）

「なんでぇ！？？」

「あっ、照英さんだ！」
「また会いたいね照英！」
「さっきの熟女の方がいい！」

（猫が1匹、猫が2匹）

（熟女な照英が3匹…）

「寝られるかぁぁぁぁ！！！！」