「ふざけんな！お通ちゃんと枕できるって聞いてきたのに！」
「これじゃ握手すらできないじゃないか！」
「金返せぇ！」

「まずいよ坂田P！これじゃ人気どころか訴えられますよ！？」
「ご心配なく。ここまではただの余興です。本番はこれから」

「枕を買ってくれた方にはなんとHDZ48の膝枕券が付いてきますよ～」
｢｢｢おぉぉ！！！｣｣」

「ちょっと銀さん！何勝手に！」
「減るもんじゃあるめーし、膝枕くらい良いだろ？」

「うん良いヨ～！」

「喰らえ膝枕拳！！！」
「ぐはぁ！」
「何もよくねーよ！！」

「誰がそんな得体の知れない拳法使えって言ったぁ！」
「膝枕拳！膝枕拳！膝枕拳！膝枕拳！」

「なに膝枕拳って！？要するにただの膝蹴りじゃねーか！」
「枕は固めのほうがよく眠れる派なんで」
「知ったこっちゃねーんだよお前の枕の硬さは！！」

「新ちゃんの言うとおりよ。B’zとWANDSに目をつけたのはいいけれど坂田P、貴方大切なことを見落としているわ」
「あ、姉上！」

「ごめんなさいお邪魔して。神楽ちゃんがデビューするって聞いて激励したくて。はい差し入れ」
「姉御ぉ！」

「差し入れだけ置いて帰るつもりだったんだけど、ちょっと黙って見てられなくて…」

「わぁスゴイなにこれ！」

「坂田P、貴方何もわかってないわ。あなたが考えているのはどう売るか、どう喜ばすか。お客さんのことばかり。でもね、戦う相手は前だけじゃない」

「本当の敵は後ろにいるのよ。つまりバックバンド・バックダンサー。彼らに何人のアイドルが食われているかあなた知らないの？」
「何の話だァ！！！」

「思い出してみなさい、ﾋﾟｰにﾋﾟｰにﾋﾟｰによくよく考えたら何かっちゃアイドルはバックなんちゃらにバックから手籠にされていることを」
「いや確かに多いけれども！！」

「彼らはアイドルの味方のふりをしながら無防備なバックからいつも彼女たちを狙い爪を研いでいるの」

「そしてアイドルが隙を見せた瞬間…」

「バックダンサー怖すぎだろ！！」

「ショービジネスの世界ではタレントは紛れもなく商品。ファンを差し置き身内がその商品に傷を付けるなんてあってはならないわ」
「お通ちゃん！！！いやあんたの差し入れでアイドル一人死にかけてるけどぉ！？」

「大丈夫！これくらいで負けてたらアイドルは務まらない！」
「さすがプロ。心配すんな。何かあったら俺たちがお前らを必ず守るから」

「絶対アルよ？」

「危ない奴が来たらすぐに来てヨ？」
「ぐああああああああああっ」
「危ないのアイドルの方！！！」

「はい次、はい次、はい次」
「ぐあああああああ」

「はい次」
「待て待て待て！！握手会っていうかただの花山薫の握撃会になってんだろーが！！」

「え？枕送りにすればいいんじゃないアルか？」
「どんな枕営業！？お目当てのお通ちゃんにたどり着く前に全員朽ち果てんでしょーが！！」

「お通ちゃんには悪いがトップアイドルということは忘れてもらい…」

「地道に営業周りから始めてもらう」
「どこが地道だァァァァァ！！！枕営業会って何！？アイドルに何やらせるつもりだァ！」

「握手みたいなもんだよ。ほら、会いに行けるアイドルとか流行ってるだろ？ウチはすぐに枕できるアイドルで行く」
「それもうアイドルじゃねーよ！！」

「心配すんな。枕営業といってもサインを書いた高額な枕を売りつけるただの握手会だ」
「ほとんど詐欺だよ！！」

｢｢｢お通ちゃんと枕ぁぁぁぁぁ！！！！｣｣」
「勘違いしたとんでもない数の男どもが集まってるんですけどぉ！」

「へっ、どうやら上手くいったようだな」
「じゃねぇだろ！！危険すぎるよこんな営業！！」

「る～るる～、アイドル～」
「アクセル～、コンドル～、夢を売る～アル～」
「はーいちょっと待って」

「勝手にアル混ぜるのやめてくれる神楽？歌詞台無しだから」

「もうキャラ忘れて全てをさらけ出してみようか。ただの釘宮さんでいってみようか」