「ウオォォォォォォォ」

「原初の巨人…！？」

「！！」

「助かりました！」
「よーし！ここから反撃だ！」

「いくぞ！ヒポグリフ！」
「ヒッポォ～～」

「あれっ？おーい！頑張れぇー！」
「ヒポッヒポッ」

「うわっ！！」
「きゃあ！！」

「あっは！こりゃ早いや！振り落とされないよう気をつけてね！」

「うぅっあぁ…ハァ、ハァ…あの、先生！！先生、これはっ」

「君が炉心だということくらい、この時点で理解してくれても良さそうなものだが」

「だって！だって！！僕はマスターだ！あなたの、先生のマスターだ！」
「今は違う。今の僕は、赤のサーヴァント。君の敵だ」

「裏切った…んですか…？」

「少し違うな。僕はもともと、聖杯に興味などない」

「どうして先生…！？ぼくは先生を尊敬しています！崇拝しています！なのにどうして！！！」

「君が僕に向けてくれた感情は実に心地よかった。けれど僕は人間嫌いで厭世的だ。人と目を合わせることすら億劫だから、この仮面をかぶっている」

「そんな僕が君を切り捨てる算段を整えないと、なぜ信じられたのだ？」

「いっいっ…嫌だぁ！！ゴーレムなんかになりたくない！！！」

「僕はゴーレムを作りたいけど…ゴーレム何かになりたくないっ」

「さようならロシェ、君は僕を恨む資格がある」

「地に産まれ、風を呑み、水を充たす。火を振るえば、病は去れり、不仁は己が頭蓋を砕き、義は己が血を清浄へと導かん」

「汝は土塊にして土塊にあらず。汝は人間にして人間にあらず。汝は我らが希望。聖霊を抱く汝の名は原初の人間（アダム）なり――」
（先生は僕と同じで煩わしい人の世界が嫌でたまらないはずなのに…）

（どうしてこの人は人間を作ろうとしているんだろう？変なの…）

「ウォォォォォ！！！」

「ああ、これがエデン。僕はついに生み出した」

「行こう、すべての悲しみを払うために。ことごとくを殺し尽くすまで――」

「ジーク君！」

「ルーラー、無事だったのか」
「無事だったのかではありません。話があります」

「なんだ？」

「どうしてあなたが黒のセイバーで、しかもライダーのマスターなんですか！？」

「…見たくなかったんだ。これ以上、目の前で誰かが傷つくのを」
「戦いは凄惨なものです。私はそれをずっと見てきました。善も悪も、強いも弱いも関係なく、戦士は傷つき、倒れます」

「だけど自分で決めたことだ。正しいことをしたと思っている」

「こうなった以上、私はあなたを聖杯戦争の参加者とみなします。それでいいのですね？」

「ああ」

「…頑固者！」

「３人同時攻撃、失敗したら完全復活。マジで行くしかなさそうだなこりゃ！」
「ああ、いくぞ！」
「まちな」

「ルーラー！」
「いまっ忙しいのですがっ！！」

「ギャラの話だ！あんたの令呪、二画ほどよこしな！」
「なっ！？ダメです！」
「できるだろ！マスターに出来るんだ！ルーラーのお前にできねぇ道理はねぇ！」

「で、ですが二画はダメです！せめて一画！」

「いいぜ！じゃあ一画だ！一画よこせ！」
「わ、分かりました！あとで差し上げるので今は！！！」

「よぉし！アーチャー！タイミングを図れ！ジーク！さっさと変身しろ！この巨人と一気に決着を付けるぞ！」

「お前が仕切るのか…」

「命令に従うだけのデクが！俺の前に立つなってんだよ！」

「俺はたとえ傷ついても、俺の願いを掴み取ってみせる！」

「これは俺の戦いだ！！」

「よく吠えた！」

「クラレント・ブラッドアーサー！！」
「バルムンク！！」

「ヘッドショットだデクの棒！エデンは他所で探してろ！」

「やった～！」

「ぐっ！」

「勝ったんだな…」