内容をカンタンに説明すると…
- 刺客の正体が明らかになった……! 戸惑いを隠せないB5班のメンバーたち。旅の中で絆を深めてきた仲間が、なぜメンバーの一斉殺処分という使命を背負い続けるのか?
- 仲間の問いかけに、刺客はその出生の秘密と自身を突き動かすに至ったある事件の顛末を語り出す。
- 今回は…右腕を失いながらも、誰も憎まず今まで通りを貫くカナタ。惑星ガレムを出発する準備も着々と進み、5012光年の旅はいよいよ終着点を迎えようとしていた。そして、故郷への帰還を前に世界の真実を知るカナタたち。
【彼方のアストラ 12話】FRIEND-SHIP【アニメ感想】
世界の真実
「腕はもう…」
「もちろん再結合は無理。でも、きっと良い義手を買ってくれるでしょう?ねえ、王様」
「ザック。ボクを監禁してくれ。そしてアストラに着いたら、クローンを作ったオリジナル達と共にボクを警察に突き出してくれればいい」
「そんな事する必要はねぇよ」
カナタがやってきました
「シャルス。オレはお前を恨んでねえ。オレが選択して行動した結果だ。礼を言うぜ。
事情を説明すればお前は罪に問われねえ。オレ達がそうはさせねえ。だからお前も選択しろ。これからは自分のために生きるって」
「こいつを信用するのか。また球体を出したら?」
「そん時ゃ左腕もくれてやる!今信用しねえでどうする!オレ達の旅はウソだったのか!?
今まで通りだ!文句あるヤツはオレと勝負しろ!左手で相手してやるぞ!」
「文句なんかねえよ。キャプテンの意思を聞いただけだ」
「みんなのおかげで…自分になれた。ボクは、オリジナルとして生きたい。
みんなと一緒に帰りたい」
<B5班キャンプ日誌。惑星ガレム7日目>
水も食料も豊富な惑星で食料調達も順調です。
<あのカナタさんが退屈そうにしていて、ちょっとかわいそうです>
”ザックが作ったクソつまんないゲーム”をやってるカナタ。
<なので私は、たくさんおしゃべりをしに行きました>
出発の時。ずっと療養中だったカナタ。
「オレだけ会話についていけないの超さみしい!」
「キャバッキャバッキャバッ」
シャルスの笑い方、変わってるなんてもんじゃないです。
「目的地、惑星アストラ!」
ついにアストラへ向かって。
「全員そろったな。時間はたっぷりある。ゆっくりでいいから話してくれるか。シャルス」
「かつて、地球と呼ばれた惑星があった。小惑星の衝突による絶滅から逃れるため、人類が選択した道は…惑星の移住。
ペル・アスペラ、アド・アストラ。困難を乗り越えて目的地へをスローガンに人類は一致団結し、移住先の惑星調査が始まった。
奇跡的に地球と酷似した惑星が見つかったのは、2年後だった。
5千光年の彼方にあるそれは…アストラと名づけられた」
「なぜオレ達は、そんな重大な歴史を知らなかったのか」
「それが世界の秘密だ。それを知るのは世界政府の要人数名とヴィクシアの王のみ。
ヴィクシア王政地区は、その秘密を守るために作られた。閉鎖的な環境なのはそのためだ。
それらの秘密は代々の王に引き継がれていく。
歴史は歪曲して伝えられてる。でも、全ては平和のためなんだ。
この途方もない移住計画を可能とさせたのは、人口ワームホールだ。
それは全世界で作られ、地球とアストラを結ぶトンネルは1万本にもおよんだ。
何もない場所から街を作り始める労力は計り知れず、当初の作業は困難を極めた。
しかし、すでにある科学技術をワームホールで持ち込めるため開拓のスピードが早まっていった。
一方地球では極秘だった移住計画がついに全世界へ向けて発表された。計画の全貌を知った人々は戸惑い、混乱し、そして…移住先での領地の奪い合いで、世界中が争いを始めた。
民族、宗教、国家間の力関係…人類が抱えていた諸問題を一気に噴出させる引き金になったんだ。2052年からたった2ヶ月で、全人口の半数が失われた。
激化させた要因はワームホールだ。
一瞬で別の場所に行けるんだ。テロも暗殺もやり放題だ」
「そんな事のために作ったんじゃないのに…」
「こういう事の繰り返しね。人類の歴史は」
ダイナマイトとかもそういう歴史だったような…。
「そして…戦争で生き残った人々はあまりに愚かな行いを悔いて、今度こそ平和な世界を築こうと誓い合った。
国の概念をなくし、資源は人類共有の財産に、言葉を統一し、争いの火種であるとして宗教と武器を葬り去った。
人類は大規模な引っ越しで世界をリセットする事で、ようやく平和を手にしたんだ」
「この辺から、オレ達が知ってる歴史になってる」
「その後4年間をかけて大移動が実行され、移住完了直後の2057年7月5日。小惑星は予測通り地球に衝突した。
開拓が軌道に乗り始めた頃。世界統一政府が発足し、すべてのワームホールの永久封印が決断された。
この世にあるワームホールはすべてテクノロジーごと抹消された。
その作業を請け負ったのが、ワームホールの製造も行なっていたヴィクス工業。我々王家の祖先だ。これらの功績から一族は力を得て新天地での統治権を得た。それがヴィクシア王政地区の始まりだ。
ヴィクス一族は政府の目を盗んで、密かにひとつだけ残していたんだ」
「ワームホールの存在自体をなかったことにした?それじゃ、移住の説明がつかない」
「そうだ。ワームホールがなければこの話は成立しない。だから、移住そのものをなかったことにしたんだ。
移住しなかったことにする。つまり、ウソの歴史を作ったんだ」
最初からアストラにいたことにする。
「そもそも移住完了が2057年というのに矛盾がある。今は2063年だ。たった6年で今の文明レベルまで復活できるわけがない」
「持ち込んだ科学技術をフル活用したとしても、おそらく100年は…」
「………西暦を100年戻したのか」
西暦を戻すという発想。
「世界政府ができたのは1963年だとされているけど、本当は2063年だ。この時はまだ開拓初期。だから100年戻して文明レベルを合わせたんだ」
「100年戻しただと!?一体どうやって!」
「政府がそう定め、人民はそのウソを次世代に伝えなかった。それだけだ。
実際キミ達は知らなかったじゃないか。親世代も、その上の世代も知らない。
一般市民でこの事を知っているのは、移住を経験した人間だ。その世代の人間も、数えるほどしか存在していない。もうほぼ全人類の中で、この歴史は真実になっているんだよ」
「1963年というと、私達の歴史では第三次世界大戦が起きた年よね。」
「第三次世界大戦は、捏造された架空の戦争だ。文明のやり直しを、戦争からの復興と重ね合わせたんだよ」
キューバ危機が利用されての歴史改造
「人の口をつぐませるのは容易な事じゃない。それでも…作られた歴史は順調に伝わっていった。第一世代は真実を語ることを固く禁じ、皆がそれを守ったんだ」
「国と言語が統一されたことが大きいわね。でもそれ以上に…」
全ては平和のため。
「そういえば今年って2063年ですよね。じゃあ今は…本当は2163年?それじゃあポリーナさんは…」
「とても言いづらいけど、ポリ姉は12年じゃなく112年眠ってたんだ。」
「ねーねー、じゃあポリ姉140歳なのー?」
140歳という事実に気絶するポリ姉。
無事に帰るために
「シャルスさんと私達に違いはなかったんです。そういう風に育ったからそうなった。でももう…それじゃダメなんだと思います。
自分の目で世界を見て、考えて、疑って。本当の自分になるって、きっとそういう事なんだと思います」
「まず問題はオレ達のオリジナルのことだ。向こうがこっちのことを知ったら、もみ消しに来るんじゃないか?」
「世界政府には、そうした機密漏洩を防ぐ部署もあると聞いているよ」
「オレの兄貴もそいつらに消されたのかもしれねぇ。」
「個人で信用できて、政府がもみ消せないような形で大々的に公表してくれる人を探さなきゃならないってこと?」
「一人いるぜ。兄貴と一緒にエスポジトの不正を追っていた、有能な警察官がいたはずだ。確か…グレース警部。ムーサニッシュにいる。
アドレスがわからねぇんだ。ここからじゃ調べようもねぇ」
「私のお母さんにメールを送って、そのグレース警部さんに伝えてもらうのはどうでしょう?お母さんは、私達の味方です」
「ああ!アリエスを育てたお母さんなんだよな。ならきっとアリエスみたいに真っ直ぐで優しい人だろう。それでいこう」
カナタの言葉に嬉しそうなアリエス。
「まったく妬けるね」
「若いモンはすぐ惚れた腫れたばっかやなぁ」
カナタわかってない(笑)
<私達と惑星アストラの未来をかけたメール、責任重大です>
みんなで一緒に送信演出とても良いです。
その頃アストラのヴィクシア王政地区では
「マルクよ。貴公に重大な話がある」
(来た!ついに王位継承権がこの私に…!セイラを葬りそのクローンも密かに抹殺計画に組み込んだ。手を尽くした甲斐があったというものだ。このマルク様が次の王だ!)
こ、こいつかーーー!
「警察だ。あなたにはクローン密造及び殺人教唆の罪で容疑がかけられています」
グレース警部が王への逮捕状を。無事にアリエス母から伝わったようですね。
「行方不明だったケアード高校の生徒を名乗る者達からメールと写真が届き、検証の結果B5班全員の生存が確認されました」
「バカな…!」
「その反応は、全てをお察しのようで」
「マルク・ヴィクスさん?実はあなたにも王女殺害に関する件でお聞きしたいことがあります」
グレース警部は全部知ってるんですね…。ついに実行に移せたといったところでしょうか。
「箱の中の秘密は暴かれて、また混沌の時代が来る。でも…その方が健全な世界だとオレは思うがね」
着陸、そして…。
「こちらアストラ号。応答を求む」
「こちらアストラ政府軍。君達のオリジナルの身柄は全員拘束された。本艦の先導に従い、着陸せよ。よく帰ってきたな」
「やったあああああ!」
円陣を組むクルーたち。
「何が一番思い出に残ってますか?」
「そうだなあ…オレは船が落下した時だな。あれはヤバかった」
「アタシはイクリスで船が動かなくなった時かな。さすがにもうダメかと思ったわよ」
「オイラは銃突きつけられながら裸見られたことすね」
「私はシャムーアでみんなが倒れて歌った時ね」
「オレは…大将の腕に助けられた時だ」
「私も…カナタさんの腕に助けられた時です」
「フ二もー!カナタの腕に抱えられて、ピューッて!」
「ボクも。その腕に助けられた時だ」
「ありがとうございます!」
カナタに抱きついてくるの女子ばっかり?と思ったらシャルスも居てました。
「みんなだ。みんながいたからだ。誰か一人欠けてもたどり着けなかった。みんながんばったな」
「カナタさんの一番の思い出は?」
「オレは今だ。今この…着陸の時だ」
「みんな…長いキャンプお疲れ。また元気に学校で会おう」
「アイ・イェー!」
<B5班キャンプ日誌書記、アリエス・スプリング。ただいま!>
そしてエピローグが始まります。
オリジナルの逮捕、生徒たちの記者会見
「あのー…俺達のアストラ号って、どうなるんですか?」
「貴重な古代の遺物だ。博物館からすでにオファーが来ているよ」
残念そうなカナタ
<私達の生還劇は、世界中に報道されました。
意外にも楽しそうに語られる私達の体験談は大きな話題を呼び
メンバーはあらゆるメディアから取材を受け、テレビにも連日出演する騒ぎに。
そして世界の秘密に関して。カナタさんとシャルスさんは何度も政府の会議に出席し、全てを打ち明けるべきだと主張しました。
実は既に歴史に疑問を持つ学者やジャーナリスト達も多く、応じなければ自分達で暴露するというカナタさんの意志が決定打となり、政府が隠している情報は全て公表するという結論に至ったのでした。
もちろん世界はひっくり返るような大騒ぎ。一部で政府に対するデモが激化しました。
しかし、その騒動を沈静化させるのに一役買ったのがカナタさんの執筆した本。アストラ号の冒険でした。
旅の全容がユーモアあふれる筆致でつづられたこの本は、記録的な大ベストセラーに>
カナタの嬉しそうな顔!
<特に自分の目て世界を見る事の大切さが説かれた最終章は、世界中の人々に影響を与え…世界の混乱は、やがて真実の歴史を学びながら平和を誓うという空気に変わっていったのです>
いい国になるよ!
さてシャルスのその後
<シャルスさんは事件当時強い洗脳状態にあったこと。そして被害者の私達が訴えを起こさず擁護していることから、罪には問われませんでした。
そして、その後色々と…本当に色々とあったそうなのですが。シャルスさんは…
ヴィクシアの王に即位しました!
シャルスさんは即位後すぐに政治的権力を放棄し、ワームホール技術も含めた王家が握っていた秘密を歴史研究のために全て公開しました
城の一部も開放して、貴族エリアの壁も取り払うことに
それが、シャルスさんなりの責任の取り方だったのでしょう
この若き王の改革は世間の注目を浴び
さらに人気が出ました>
シャルスほんとに国民人気すごそうですね。
<無事ケアード高校を卒業。仲間達は、それぞれの道を歩き始めました>
7年後
「ポリ姉!」
「もう。学校では先生でしょ?非常勤だけど。今から帰り?フニちゃん」
当たり前ですがフニちゃんがキトリーそっくり!!!
「ええ。これからインタビュー取材があって、それから大学で歴史研究の講演会よ」
「結局ポリ姉が一番忙しそうよね」
「旧時代を知る貴重な人材ですから」
「さすが147歳」
「36歳よ!」
かっこいいスポーツカーでウルガーがやってきました。
「じゃあ記者さん、エスコートよろしくね」
「えっ!?ポリ姉のインタビュアーってウルガーなの!?」
「えー?いいなー。ドライブだーデートだー」
「…そっくりすぎんだろ。キトリーに」
「ふふ…あの頃のキトリーちゃんと同じ歳だもんねー」
ユンファのコンサート前の楽屋に入ろうとするキトリーですが止められてしまいます。
ルカとアリエスも一緒です。ルカ、女の子っぽい感じの服装かわいいですね。皆7年経って色っぽい…。
「今日あの人達出発っすね。見送り来んなって言われましたけど、二人とも心配でしょ」
「べつに!こんなかわいい妻を置いていくんだからよっぽど行きたいんでしょ」
あ、キトリー、ザックと結婚したんですね。
「アリエスさんも怒っていいんすよ」
「それが…実は、カナタさんと結婚することになりました」
「「おめでとう!」」
警備員さんも拍手
「それで、この前二人でヴィクシアに行ったんです。一応けじめと言うか、儀式としてシャルスさんに。
お嬢さんをボクに下さいって…」
キトリーとルカは大笑い。そうですね、血筋的にはアリエスのお父さん的なポジションのシャルス。
「帰ってきたら、盛大に式を挙げましょう!」
「アリエス、赤ちゃん早く欲しいって言ってたよね!」
「はい!私は女の子が欲しいです。名前は…セイラ!」
セイラ…(号泣)
ユンファのコンサート内のMCが始まりました。
「今日私の大切な仲間が、再び宇宙へと旅立つんです。17歳の頃の、あの5ヶ月の旅を思い出します。あの旅は、私の青春でした。
仲間と共にゴールを目指して、がむしゃらに、ただ必死で進みました。自分を表現できず殻に閉じこもってた私は、仲間のおかげで本当の自分になれたのです。
あの冒険の日々を…忘れる事はできません。
何度も危険な目に遭って。ケンカもして。泣いたり落ちこんだり。色々あったけど思い出すのはいつも、みんなの笑った顔でした
船長は本でボロ儲けしたお金で、あのオンボロ船を買い戻したそうです。」
アストラ号… 買ったのか…
「彼の気持ちが、私にはよくわかります。あの船は私達の友情の証だから」
宇宙港
ザックとカナタも大人っぽくなりましたね~~~。
「おいおい、他の船に比べてずいぶん年季が入ってるが…大丈夫なのか?うちの船は」
「アーク号シリーズは100年以上前の船だからな化石みたいなもんだ」
「だが安心しろ。中身はオレが完璧に整備してある。
大したものだ。本当に7年で船を持ってしまうとは」
「新しい義手の調子はどうだ?」
「お前これ多機能すぎるわ。耳かきとか余計なもんつけんじゃねーよ」
手が回転。
「任務を確認するぞ。今回は新しいワームホールを設置する候補地の調査。一旦マクパまで移動してから、そこに設置された星間移動用ワームホールを抜けてガーズネット方向に進む」
「そこから先は未知の宙域か。いいねえ」
キラキラした人が遠くからやってきました。
「やあ。遅くなって」
「シャルス!」
「お前…何で来てんだよ!」
「いや。行けたら行くって言ってたでしょ?」
「飲み会か!王様が冒険の旅に出ていいのかよ!」
行けたら行くで来てしまう王様とそれを許す側近すご。
「だって…約束したじゃないか。キミの右腕になるって」
「アストラ号発進!」
「アイ・イェー!」
「目的地…未知の世界!宇宙の彼方へ!」
最高すぎるんですよ何もかも。
見事なまでの大団円。アニオリもうまい演出多くて。
1クールでこんなにきれいにまとまった作品って…久々の感覚なんですが。
7年後の元B5班、べっぴんとおとこまえだらけでした…。
4コマ漫画的なおまけ要素も多い原作もおすすめです!