「着るか着ないかを賭けよう。カジノはここだ。弾が黒か赤かどっちに入るのかを当てるんだ」

「俺は頭、上半身、下半身の順でお前に好きな服を着せていく。お前は？」
「私はあんたに一発食らわせるに赤！」
「じゃあ行くぜ～～！」

「お前には運がない。どうやら賭け事には向いてないようだなぁ。運のないやつはどうあがいても無駄なんだよ！
「知らないの？私はあのサハラの戦いを生き抜いたのよ！それでも運が無いって言えるかしら！？」
「うはは！その結果どうなった？こんなところで俺に殺されかけてるじゃないか！」
「！（オートマータの戦いに巻き込まれたこと事態が…？）」

『お前はまっすぐで裏表のない拳を打つ。駆け引きが苦手なお前は賭け事に向いていない。人生において賭けをすればお前えは負ける』

（コイツ言う通りなのかもしれない…私はついてないのかも…）

（でも逃げるわけには…！）
「さ、次のギャンブルだ。ついてこい」

「フランシーヌ様、お爪のお手入れをさせてください」
「お着替えのお召し物はこちらでよろしいですかな？」
「その前に沐浴の準備を！」

「もう私に構うのはよせ！私は自分のことは自分で出来るし何よりお前たちは私の敵だろう！？そうやって私に貸しづいて何を企んでいる！？」
「企むなんて…！」
「フランシーヌ様、私共はただ…」
「何度も言わせるな！私はフランシーヌではない！その名はお前たちが主と仰ぐ者の名ではないか！おぞましい！」

「パンタローネ。フェイスレス様からご命令だ。これよりアメリカの施設に行く増援部隊に参加せよ」

「フランシーヌ様、しばらくお暇をいただきます」

「…また人間を殺しに行くのだな」

「私はフランシーヌではないし、ましてや主でもないがそれでもお前たちに言っておく。これ以上人間を傷つけることは許さない！」

「なんとか片付けたな」
「すぐに第二波が来る。ハリーを探すぞ！」

「ここはゾナハ病にかかったガキどもの絶望の場所。そしてお前と俺の素敵なカジノさ！」
「なんなの…！？」

「僕も先生たちがハリーって機械を作ってくれなかったらここで寝てたかも…」

「そんなことよりゲームをしようぜ。どうせ運のないお前は勝てないしなぁ」
「！（そう、私の運じゃどうやっても負ける…）」
「諦めないでお姉ちゃん！覚えてるよ僕！前に鳴海が言ってくれたんだ。どんな時にも諦めるなって！今できることを精一杯すればいいんだって！」
「…！」
「何言ってんだ小僧～？」
「私の、できること…」

「ジョーンズ！最後の賭けをしましょうよ」
「まってたぜぇ～！何をする！？」
「コイン投げを。私は表にかけるわ」
「いいぜ、じゃあ俺は裏だな。どっちが投げる？」
「今度は私が投げるわ」

「トム。ありがとう！」

「反則、だぞ…！」
「人質を取るあんたに言われたくないわ！コインやルーレットも精巧な機械であるあんたなら自在に操れるでしょうね！」

「最後は運も味方してくれたみたい。表よ！」

「トム、さっき言ってた機械であなたはゾナハ病が治ったってこと？」

「無事か！？」
「ミンハイ遅い！私が一体片付けちゃったわよ！」

「酷いね…ゾナハ病って…」

「ハリーを探すにも手間がかかる…。阿紫花、私にも一本くれないか？」
「へ？あんた馬鹿にしてたじゃないっすか。体に悪い、非合理的だって」
「合理的な生活にも飽きたのかもな」
「まぁ、いいっすけど…」

「今回またあんたが話を持ちかけたとき…」

『人間だった頃は人並みに夢が、やりたいことがあった。だがしろがね-Oとなった今暇を持て余している。私には分かる！お前も長い人生を持て余しているのさ』
『……で？お代はいかほど頂けるんで？』

「あの時あんたが言ってた夢って？」
「それは私が死ぬとき教えてやろう。それよりこれは貸しといてくれ。この戦いが終わったら返す」
「へいへい」

「お前の顔が悪いせいだろう。なんとかしろ」
「な、なんとかって…べろべろバー！」
「「うわああああああああああああああん！！！！！」」

「こりゃ参りましたね！どうすれば…」
♫～～
「！」
「少し、弾けるのだ。楽しい曲がいいか？」

子供「あの…ジョージ！またピアノ弾いてね！」

「うわあああああああ！？？」
「来やがったか！」

「オートマータ共よ。人形遣いは任せた。私は生き残った人間どもを殺す。ひとり残らずな…」

「君が…ジョージ・ラローシュか？旧式の君に勝ち目はないが、それでもそこをどかないのかね？」

「立ち向かいただ死にゆくなど愚かなことだと思わないかね？」
「私も不思議だ。ゾナハ病に苦しみ復讐を誓って銀になったであろうお前がなぜ敵の側につくのだ？フェイスレスこそゾナハ病を生み出した張本人なのに――」

「悪いがジョージ。私はそろそろ更けさせてもらいやすぜ。あんなの全部相手になんかできやすかい」

「ちっ！一匹ならなんとか。――あいつは！？」

「万が一に備え逃げる人間を殺せという任を与えられていたが。一人か」
「あのテントでくたばっていなかったのかよ…！」

「まぁいい。見逃してやる。行くがいい」
「！？」
「オートマータもたまには不規則な思考はするのだ。人間で言う気まぐれに近いのかもな。まぁ殺さずとも人間はもうおしまいだからな。いいだろう」

（ラッキーじゃねーか。そうさ。何もためらうことはねぇ。あそこから外へ出ちまえば…）

（参ったな…私らしくないことを思い出しちまった）
『お前は退屈なのだろう？』
（そうさ。私はあんたと同じで人生が退屈だったんで。つまんねぇ。国家らでたって何があるってんだ。あるのはずっと昔から持て余していた相変わらずの退屈だけだろうよ。だったらここを出る前に…ぶっ殺しておかなきゃな……。人形ごときにビビっちまった情けねぇ自分をよ！！）
「ん…？」

「せっかくのお目こぼしですが、やっぱ闘りあってもらえますかい？」
「ほう？逃がしてやると言ったのに愚かなことだな」
「お忘れのようですがね。アンタ私に”どけ”って言ったんですぜ…」

「取るタマもねぇ家電製品の親戚が、人間様に向かってよぉ！！」

「ならば来てみよ。自慢の命を消し飛ばしてやろう」
「行きますぜ！パンタローネさん！」