前回のあらすじ
内容をカンタンに説明すると…
- アクアウイタエを飲み《しろがね》になったエレオノールはギイに連れられてキュベロンへと向かう。37年後、正二は娘を迎えに行くが、エレオノールは貞義に洗脳されていた。
- 貞義ことディーン・メーストルは自分からアンジェリーナを奪った正二に恨みを持っていた。永遠の肉体を手に入れるべく《柔らかい石》を狙う貞義。彼の計画の一端に気づいていた正二は、ダウンロードに必要なデータを燃やし、その完遂を遅らせるのだが…。
- 今回は…黒賀の人間に紛れていた貞義。その正体はディーンでありフェイスレス司令であり、始まりの男バイ・ジンだった!勝を庇って負傷したエレオノールは貞義に連れ去られてしまう!残された正二は勝にひとつの願いを託す。
【からくりサーカス 20話 アニメ感想】黒い太陽
ただ幸せになって欲しい
再び正二の前に連れてこられた勝。
崖に落ちた流れで黒賀の人間に捕まったようです。
勝(分かった…大体分かったよ。でも僕はどうなったんだろう?そうだ、あれは確か父さんが死んだ日の夜…)
貞義『勝。ようやくお前の中に入ることができるよ。嬉しいなぁ。エレオノールは僕を気に入ってくれるかな?』
睡眠薬で眠らされた勝は、車に乗せられます。頭に付けられているのはダウンロードの装置?
高速道路を走る車ですが、そこへ正二が立ちはだかります。彼は貞義を道ずれに、ギイらと協力し、死ぬ覚悟で勝を奪還したんですね…。
車は炎上し、乗っていた貞義は死亡という事になりました。表向きは、ですが…。
正二「私の記憶の中で柔らかい石は見つかったか?」
勝「うん。しろがねの体の中」
正二「その事実が分かった今こそ訪ねよう。お前は今どういう気持ちだ?」
勝「・・・・・・・」
正二「どういう気持ちだと聞いている!!」
勝「・・・・・・・」
正二「なぜ泣く!?ここで殺されるのが悔しいのか!」
勝「…なんで、なんで…?」
「なんでみんな幸せになれないのさ!?」
正二、アンジェリーナ、ギイ、フランシーヌ人形、しろがね(エレオノール)。そして元凶である貞義まで、勝は幸せになるべきだと思っているようでした。
「みんな普通の人たちだったんだ。それはほんの小さな歯車のズレで…!どんどん大きな不幸になって…!ほんの少し幸せになりたかっただけで、最初の不幸が続いてる…このままじゃ誰も幸せになんてなれないじゃないか!!」
負の連鎖ですよね…。どこかで断ち切らねば。今こそ断ち切る時なのかも。
「だが君が死ねば少なくとも僕の無念は晴らされる」
「父さんはっ…硫酸プールで死んだんでしょ?」
「タンクローリーはその後事故を起こし、運転席のふたりは死んだ。正二は奇跡的に助かったが貞義の死体は見つからなかった」
死体が無い、ということは生存の可能性を疑うべきですよね!
二次作品の鉄則だ!
勝「僕は才賀勝だよ!」
ギイ「今度こそ死ぬがいい!才賀貞義!」
???「それは困るなぁ」
同席していた黒賀の人間のひとりが、おもむろに口を開きました。
「その子供は僕のものさ」
「ダイキ…!?」
ダイキ!?(誰
モブだと思って気にも留めていませんでしたが…。
「色々分かったよ。その子供が喋った正二の記憶で。でも最も重要な人物の記憶が欠けてんなぁ。造物主だよ」
「バイ・ジンのことか!」
「そうだ」
まるでジンの記憶の全て知っているような口ぶりですね!?
ジンの空白の時間が明らかに…
「ジンはフランシーヌのことが好きになっていた。なのに彼の兄さんが!―――そのあまりにも幸せそうな顔を見た人はフランシーヌを連れ去った」
自分には見せない顔をしていたのがショックだったんですね。
「そして彼女が逃げる度に殴った。何度も何度も」
どんな事情があれ、暴力は許されませんよ…。
『なぜ僕じゃダメなんだ!?愛してるんだ!愛してるんだよーっ!!僕は人形遣いも兄さんも錬金術も捨てた!僕に残っているのはお前だけなんだよ!』
フランシーヌが頼んだわけでもないのにどこまで自己中なんだ!!
『僕を愛しておくれ!子守唄を歌っておくれよ!』
ジンの最初の願いは、「ただ隣で自分のためだけに子守唄を歌っていて欲しかった」。それだけなのかもと思ったり…。
「その時から彼女は黙ってついてくるようになった。静かな湖のような目をして」
自己防衛のために抵抗するのを止めたというか、全て諦めたというか。そんな風にも見えました…。
「クローグ村はいいところだった。だがジンは彼女を避けるようになった。あの目で見つめられると無性にイライラしたからだ。だからフランシーヌが疫病にかかって村人に連れ去られた時も逆らわなかった。気が付くと彼女は勝手に一人で死んでいた」
連れ去っといて途中で放置って…えぇ……(´Д`;)
「ジンは生まれ故郷で死のうと思った。しかし何年もかけて戻った時に思いついちゃったんだなぁ。植毛したフランシーヌの髪をアクアウイタエに溶かし、別の女に飲ませればフランシーヌの生まれ変わりの復活だ」
そのためにフランシーヌ人形にもう一度会わなければいけなくなったんですね。
『戻らねば…。っ!?』
「その時初めておいていることを自覚した。歩いてフランスに戻って生まれ変わった恋人を抱きしめるにはこの体は耐えられないだろうとね。だから自分も生まれ変わることにしたんだ。自分の髪の毛を溶かしたアクアウイタエを犬に飲ませしろがねにする」
リャン師匠の一件で見たあの犬!
『君には重要な役目がある。今度は僕が溶けたアクアウイタエをこの子供に飲ませるんだ』
「子供はジンの故郷からさらったバイ家の子だったから妙に馴染んだ。キュベロンまでの道は希望で満ちていて全然辛くなかったが、村に戻るとフランシーヌ人形は消えていた」
少年『そんな…!』
少女『だぁれ?』
少年『!!!』
少年『ふ、フランシーヌ…?』
少女『あなたもそう言うのね。似てるのはわかるけど私の名前はアンジェリーナよ』
運命の出会いを果たしてしまった…。
『ついてきて!お母様に紹介するから。感激だわ!私と同じ年くらいのしろがねが来てくれて!』
『しろがね?』
そこで少年は、ジンがしろがね達の「憎むべき仇」になっているのを知ります。
「しかし今や銀の髪と瞳を持つ少年となった彼を疑うこともなかった」
『(これは好都合!仲間に入ればフランシーヌ人形の情報も手に入るだろう!だが今はこの時を楽しもう…!)』
怖ぇぇ!!!←声出た
『そうだ、あなたの名前は?』
『…ディーン。ディーン・メーストルって言うんだ!』
こうして貞義ことディーン・メーストルが生まれたんですね。中身は老ジンのまま…((((;゚Д゚))))
ダイキ「知ってのとおり、この恋も壊れてしまう。正二のせいでな」
正二がいなくてもアンジェリーナは貞義を選ばなかっただろう、と思うのは私だけか…。
ギイ「お前は誰だ…!?」
ディーンとジンの記憶をまるで自分の事のように語るダイキ。その正体はやっぱり…!?
全員同じ!
ダイキが変装を解きました。中から現れたのは…
「バイ・ジン!ディーン・メーストル!才賀貞義!フェイスレス司令!全員同じ人間!君らにゾナハ病と災厄を撒き散らした男だよ~~ん!!」
なん…だと…!?(´言` )
でも言われてみれば声が同じ!おちゃらけた喋り方も似てる!
「何をしに来た…!?」
「僕が生まれ変わるはずの体を引き取りにねぇ」
「何!?」
「君たちは勘違いをしちゃったわけだ。その子供の中に僕はいないよ」
「なっ!?」
「ではこの子は」
「お前ではないのか!?」
だから違うって散々言ったじゃないですか!( ̄▽ ̄;)
咄嗟に反撃するギイですが、貞義に動きを封じられてしまい。正二も動くことができません。
「無駄だよ。君は僕の所有物。君をどうしようが僕の自由。君にとっては僕が髪なんだ!」
「…違うよ。この世に生まれた者は誰の物でもない。作ったところまでは神様の役目。なんの糸にも操られずに自分で立って、ちゃんと生きて、ちゃんと死ぬのが僕たちの役目だ!」
「ほほぅ?ただの乗り物が運転手に逆らうってわけか?」
「あなたが僕になったって、しろがねはあなたを好きにならないよ」
貞義にとっては「勝が好き=貞義(ジン)が好き」の認識なのだろうか…。混同にも程がある…。
そもそも本当の自分じゃない自分を好きになってもらって嬉しいのか…?
「ひとりぼっちのあなたが掴めるものなんて何もない!」
「――いや。うまくいくねぇ」
「なんでそう言い切れるのさ!?」
「だって僕は自分を信じているもん!」
「!?」
「自分を信じて夢を追い続けていれば夢はいつか必ず叶う!!!」
確かにそうですけど!なんか違う!(´Д`;)
それは夢を追って努力を続けることが大事だ、って意味なのでは?
自分を信じるのは大切な事だけど彼のはただの未練だと思います。
うーん。拗れてるような……(´Д`;)
(この人は自分が悪いことをしているつもりが全くない。自分のためになることは全ていいことなんだ。まるでどす黒く萌える太陽だ。すべてを燃やし尽くして、それでも平然とゆらぎもしない。この人をこのままにしておけばきっと燃やされるのは僕たちだけじゃ終わらない!)
一番厄介なタイプですよ!
最後の約束
貞義によって水槽が破壊され、勝は正二を受け止めます。
「勝、私を離して戦え。下の引き出しに雷神がある…」
「!」
日本刀・雷神を手に貞義に立ち向かう勝ですが、力の差は歴然。追い詰められてしまいます。
「では死なない程度に傷つけてやろう!」
「お坊ちゃま!!!」
エレオノール!??Σ(゚д゚lll)
タイミングが良かったのか悪かったのか…。
結果的に二人の絆の強さを見せつけることになりました。黒幕・ジンが望んだ通りの…。
「しろがね!」
「なんて幸運だ!愛しのエレオノールが自ら来てくれるとはな!」
「離せ!」
エレオノールに触るなぁ!!(´Д`;)
「勝、ゲームを始めよう!」
「何言ってるんだ!?お前はここで倒す!」
「僕の計画で君とエレオノールの絆は最高のものに仕上がったようだ!だからこれは絆のゲームだ!僕が記憶をダウンロードして生まれ変わり、その絆を手に入れるか。君が助けに来て取り戻すかのね。待ってるからなぁ!必ず取り戻しに来い!あはははははは!!!」
飛行船を用意してるとか聞いてないんですが!
エレオノールが連れ去られてしまいました。貞義は勝の体も手に入れるつもりだし。
なんてこった!
「しっかりしておじいちゃん!」
「まだ、そう呼んでくれるのか…」
「当たり前だよ!」
「そうか。じゃあ最後の願いを聞いてくれるか。エレオノールを頼む…」
「――大丈夫!しろがねはボクが守るよ!安心して、僕だって強くなったんだ!だから…だから…死なないで……!」
正二の結晶化が進みます。あの水槽はこれを止める効果があった??
「おじいちゃんの人生には本当に嬉しいことが3つあった。イン先生の弟子になれたこと。アンジェリーナが私の腕の中にいたとき。3つ目はエレオノールが産まれた時。人生の最後に…4つ目ができたよ。お前に、そう呼んでもらえて………」
最後の言葉が彼の素の人柄を物語ってましたね。勝への愛も変わりなくそこにありました。
正二は息を引き取りました。死後の世界、途中の道で再会したのはアンジェリーナで。
『おっしゃったでしょう?一緒に永劫の時を歩いて下さるって』
『いいや、違うとるぞ。私はな、その永劫が終わっても、ずーっと一緒じゃっち言うたんじゃ』
『ふふふ。そうでしたわね。では参りましょう…』
『あぁ…』
しろがねの運命から解放された2人。ですがその絆は変わりません。
勝の顔には固い決意が滲む…!
驚きました。恐るべき執念ですね…!
「自分を信じている」と言っていましたが、彼の場合それは「自分しか信じれない」事の裏返しでもあるのかな、と思いました。
「夢はいつか必ず叶う」の下りにゾッとしましたね。信じて疑わないあたりが余計に。
フランシーヌ、アンジェリーナ、エレオノールに懲りず執着する理由が分かりました。
正二の最後は泣けたなぁ。良いお祖父ちゃんと孫に戻れて本当に良かった。
彼の心残りは勝に託されました。
あの飛行船にどうやって乗り込むんだろう…!?前と同じ飛行型のからくりを使うのかな。
ていうか鳴海は今頃何してるんでしょうか。随分姿を見てないけど!