(なんだこの誰かに見られてるような感覚）

「いっくん大佐、スバルBが覚醒しました。
ユニヴァース値は計測不能、おそらくネオユニヴァース感覚者かと。難航していたハーデスデュランダルの調整も成功しそれによって奴はここ、エウロパに向かったそうです。狙いはオリジナルである弟さんの命。このままではここが戦場になっちまいますぜ」

「優等生！おまえ意識が…」

（だれだ俺の頭の中にはいってくるのは!)

〈僕はビヨンド、君の影として生まれたコピー人間さ…〉

「俺のコピー？」

＜これから君の専用機と命、そう君の存在をいただきに行こうと思っていてね。逃げようとしても無駄だよ僕らは繋がっているからね。あ～それやっぱオニポテにしてくれるかな＞

（オニポテ…）

＜そんなに怖がらなくて…え？だ～か～らオニポテセットのLセットだってば。あーやっぱ爽健美美茶やめてメロンソーダにしてもらおうかな＞

「すぐに敵が来ます」
「おまえは屋上からネオデュランダルに乗って逃げろ」

「逃げるのはあなただ、ボルガーさん。あなたじゃあいつに勝てない」

「なんだとこの野郎…！」
（いつの間にこんな目するようになったんだ…）

「わかった、せめて屋上までは連れて行かせろ」
「ありがとうございます」

「でけぇ…」

「ネオデュランダル出るぞ！」

「ここは中立国家だ、関係のない人を巻き込むな」

《ユニヴァース感覚者どうしによる高レベルの思念の交換が始まった。》

「僕に命令するとはねぇ、頭に来ちゃうなぁ」

《思念体にも関わらずコンプレックスだった離れ乳首を隠したその刹那》

「自分で自分の嫌いなところを見るのってストレス溜まるよね。君は僕の嫌いな自分。だから居ないほうがいいのさ！」

《互いの存亡をかけ戦いの火花を散らすスバルとビヨンドだったが。途中からほなまるうどんの店員さんの思念を忙しそうだな、などと考えつつしばらく見ていた。》

「お前の目的はなんだ？どうして俺を狙う？」

「目的？っていうよりこれはねボランティアなんだよ。お前も本当は感じているはずだ。
悲しいことにこの世界は面倒なことだけで構築されている。あれもめんどくさい
これもめんどくさい。自分を変えるのも相手を変えるのも。支配するのもされるのも全部全部めんどくさい！」

（こいつ正気じゃない）

「終わらせてやるんだ、全てをね。まずはお前からだ。さ、始めようか」

「ドアロックしちゃった…」

《些細なケアレスミスによってコックピットに戻れなくなった》

「やはりドアロックか？」

（っていうかあいつなんなんだ！）

「そそ、なるはやで」
「はいはい～ほぼ現地ですから。すぐ向かいますよ」

《ビヨンドの電話は最も近い営業所、ハーデスデュランダル膝営業所に繋がった》

「あ～お兄さん、これドアロックもそうだけど鍵穴にガム詰められてるわ。
エウロパのキッズの間で流行ってるのよ。このいたずら」

「こりゃドアごと全取っ替えかな」
「まじかよ…」

「大丈夫大丈夫、一回メトゥスに戻ろうか。コックピットには営業所から戻れるから」

「こっち見るんじゃねーよこの童貞！」

「え…」

「もうちょっと早く降りてもらえますか？」
「はいよ～」

《スバルは過去最高になんだったんだ！！？と思った》

「童貞って言われた…」