「おかしいと思わないか？調査兵団が民間人を殺して逃げ回ってるなんて…彼らは人類のために自分の命をなげうってる集団なんだぞ？」

「あんたねぇ忘れたの？あいつらがストヘス区でやったこと…あの街を戦場に変えたこと。私達がいくつもの死体を運んだこと。アニがまだ見つかっていないこと…」

「だが彼らは潜伏していた巨人を見つけだして捕らえることに成功した…そんなことを他の兵団にできると思うか？」

「動くな！ゆっくりこっちを向け。調査兵団だな？そうだ。声を出すなよ」

「声は出さないでね」

（新型立体機動装置…散弾なんぞ巨人には無力だろうが人を殺すならそれだ。まさに調査兵団を殺すためだけにある兵器。そして我々にもその存在が隠されていたということは我々はあの銃口が向けられる対象外…ではないということか…）

「親父は中央憲兵の奴らに…黒いコートの長身の男が親父を殺したんだ…。
調査兵がやったと憲兵が言えばそうなるんだよ！俺の証言なんか意味ねぇんだ！」

「お前も自分の都合を通してみろ！」
「い…いやだ！もうあんた達は負けたんだ！敗者なんだよ！」
「何言ってんの？調査兵団はいまだ負けたことしかないんだよ」

（憲兵に変装して検問を抜け併せてエレン達が運ばれた場所を探り出す…もうこんなことしか思いつかねぇとは…どの道時間はない。短期決戦に懸けるしかねぇ）

「あなた達のせいでストヘス区の人民が１００人以上死にました！あなた達は自分が正義の味方のつもりなのかもしれませんが被害者やその家族は突然地獄に堕とされたんですよ！？」

「あんた達南方訓練兵団出身なんだってね。アニ・レオンハートと同じ…仲良かったの？あの日以来見つかってないのは…巨人にグチャグチャにされて見分けつかなくなったからでしょ！？」

「潜伏してた巨人の正体がアニ・レオンハートだったからだ」

「リヴァイ兵士長！俺に協力させてください！俺にはあなた達が間違っているとは思えません！この世界の不正を正すことができるのなら俺は何だってやります！！」

「駄目だ。お前に体制を敵に回す覚悟があるかなんて俺には計れない。行くぞ。サシャ。二人をこの辺に拘束しろ」

「俺は入る兵団を間違えたよ…あんたが今も命を懸けて戦い続ける限り俺はあんたを信じる」

「お互い半端者で助かったな。マルロ。お前の覚悟は証明できた。これならリヴァイ兵長も納得するはずだ。俺達に力を貸してくれ！」

「あそこが最も警備が手薄な検問所です」
「よし。あとは俺達でやる。お前達は怪しまれないうちに隊に戻れ…マルロ。ヒッチ。助かった」
「「はっ！」」

「死ぬ前に知りたいんだ！親父は何をしてあんな目に遭ったのかを！」
「ん？知らなかったのか？奴は俺らを裏切って調査兵団の側についたんだよ」

「親父は俺に教えてくれたよ。商人は嗅覚が大事だってな。だから俺は嗅ぎ分けた。親父達の無念を晴らせる人達を俺は選んだ！」

「廃墟に見えたか？あんたから見りゃそうだろうが悪いな…俺らはこうなっちまった所にもまだ住んでんだよ。全部聞いたぜ中央憲兵の企みは」

「みんな…安心してくれ。この街はリーブス商会が守る。今日からフレーゲル・リ―ブス…俺が会長だ！だから…よろしく…お願い…します…」

「就任おめでとう。じゃあ憲兵を頼んだよ」

「エレンとクリスタの居場所を言え」

「知らない！本当に教えられてないんだ！ケニー・アッカーマンはとても用心深い！」
「アッカーマン…？それがケニー…奴の姓か？まぁ確かに奴は教えねぇよな。大事なことは特に…」

「奴を死刑にしさえすればすべては元通りだ。これまでと同じように壁の秘密は守られ壁内の平和も守られる。永遠にな」

「エルヴィン。最期に言い残したいことはあるか？」