「そうそう、ここだ」
「ニャンコビッグがここにいたんですね！？」
「うん。昨日の夜ね」

「その後、あっちへ行ったよ」

「家の方じゃないな」
「うん」

「あの子に聞いてみようか？」
「え！？」

「え？いくらなんでもフランスジョークだよな？」

「ボンジュール、マドモアゼル」
「……」
「メルシー」

「あっちの花屋で見かけたって」
「話せるんかい！！」

「あっちの花屋…」

「もしかして」

「ここじゃないっすか？」
「ここ？」

「あ！ニャンコビッグ！」
「本当だ！」

「良かった！もうなんで帰ってこなかったの！？」
「こっちおいで！ニャンコビッグ！」

「カリカリだぞ～」
「またたびですよ～」
「彼女の2号さんっすよ～！」
「洗濯ネットだぞ～！」

「どうしたのニャンコビッグ？」

「シャルルさん！」

「何かあるのかい？ニャンコビッグ」

「………」

「言いたくないみたいだね！」
「それは俺でも分かるよ」

「ニャンコビッグ！本当に心配したんだから！」

「猫ちゃん大丈夫！？」
「はい、大丈夫です」
「良かった～！」

「最近よく見かける子で今日は朝からずっとあそこに座ってたからちょっと気になってたんだ」

「すみません、うちの猫がお騒がせして」

「ちあ姉！」
「研太郎！？研太郎のお友達だったの？」

「高校の先輩たちとニャンコビッグ。居なくなったから探してたんだ」
「そうだったの～」

「まさかチェリーに会いに来てたなんてびっくりだよ。ちあ姉のとこだし」
「すっごい偶然。研太郎たちよく分かったね」

「おまえ、なんで彼女まで持ち出したんだ？」
「にゃ～ん」

「？」
「成る程」

「一番の宝物の猫じゃらしを貢ごうと思ったんだって」
「ニャンコビッグ！お前ってやつは…！」

ぷいっ
「ンニ゛ャッ！！」

「あはは…」

「まぁ頑張ってね、ニャンコくん！」

「あ、伸びたね。また切りにおいで！」
「うん」

「・・・・」

「またねー」

（もしかしてあれがアイツの片思いの？）

（おい！）

「て事でニャンコビッグ事件は無事解決っすね！」
「ああ」
「お、おう」

「行こう、ニャンコビッグ…」

「ゆいちゃん…」

「事件は解決したわ。でも、ハッピーエンドじゃない…」

「HEYキミたち！可愛いね！」

「この猫見なかった？」

「きゃあ～～！格好良い！！」

「そこの綺麗なお姉さん達ぃ～！この猫見なかった？」

「きゃあああ！！素敵！！」

「そう簡単には目撃情報は集まんねぇな～」
「まぁ…」

「これじゃ分からないだろ」

「お忙しいところすみません。この子、ニャンコビッグさんというんですけど見かけませんでしたか？」

「さぁー…、見ていないねぇ」
「そうですか…」

「はいお待ち！」

「早く見つかるといいね！」
「かたじけない！」

「テレサ様、聞き込みの度に買うの止めませんか？」

「ごめんなさい、つい！」

「どこに行ったのかしらニャンコビッグさん…」
「大丈夫です！あの猫は元気です！」

はむっ

「そうよね！」

はむっ

「もうニャンコビックも10歳だしな～」

「”まだ”10歳よ！！」
「ゆい」

「猫には昔から、年を取るとふらーっと旅に出るという言い伝えもあるんだよ」

『彼女は死に場所を求めて旅に出た訳ではないわ――』

ドスッ！！

「やめてよじっちゃん！ニャンコビッグはまだまだ若いし！家出もしないし！旅にも行かないもん！！」

「猫の行動範囲は思いのほか広いものっす！近くに居ないとなると手分けして探したほうが見つかる可能性大っすね！」

「おう、そういうことなら――」

「何か用か伊集院？」
「ピン先輩？今暇ですか？」
「暇といえば暇だが」

「委員長と服を買いに来ている」
「はあぁ！？」

「デートなの！？デートなの！？」
「違います！」

「この前警察に職質されたって言うから普通の服を買いに来ただけです！」
「確かに…」

「自分が頼んだわけじゃないから」
「予備校に行くたびに捕まったら大変でしょ！？」

「目立つ男は辛いなぁー！」

あははは