「先生、そういえば先ほどモルガとゴーシェが月人の黒点の予兆を見たそうですが…」

「小さいので二人だけで………先生？」

「はあっ！」

「それよりもあの矢先の色…このまえ捕まったヘリオドールじゃない？」

「こんなことに使われて…」

「丁度いい、一片残らず取り戻す！」

「あぁ…仕事。」

「くそ、どうして…俺が息をするだけで土も草も死んでいくのに。」

これ以上汚したくない。見られたくない。こんな恥ずかしい…。戦いたくない。」

「戦いた…く、うわ」
「シンシャ！」

「はっ」

ガシャン

「余計なことを」
「シンシャ」

「俺は28人の中で最低の硬度2だ」

「おおっと。まずは第一印象」

「ん、ばっちり。かわいい、美人。」

「んふふふふ。今日も元気そうね」

「面倒を起こさなければいいが」

「失礼します。」

「ああ。」

「金剛先生、お呼びですか」

「ふん…。ふうっ（息を吹く）」

「おおっ」

「フォスフォフィライト、お前の仕事がやっと決まったよ」

「私たちを装飾品にするため月より無数訪れる狩人に対し、こちらは28名。」

「技術あるもの、二人一組で見張るもの。戦うもの。皆それぞれ一つか二つの得意な役割を担って補いあっている。」

「だがお前に背負わせるものは難しく考えあぐねていたのだ。特異な体質に加え堅牢無比の不器用の思想。何をやらせてもふさわしい役割をみつけることはできなかった。」

「ではいっそ、戦うとかは」
「戦うだと？」

「だってそれだけは一度も試してないですし」

「それだけは諦めなさい」

「はぁ…」
「やべ」

「敬老の精神か？」

「くる！さがれ！」

「まだ早いわバカ者！」

「……！」

「…しまった」